ダーウィンが来た!選「タカが集団でスズメバチ巨大巣を襲う」 2015.01.01


昆虫界最強と恐れられるスズメバチ。
相手に食らいつく強力な大アゴ。
そして痛〜い毒針で完全武装。
そんな危険なスズメバチの中でも世界最大級高さ1.2メートルを超える巨大な巣を作るものがいます。
数千匹のハチが守る…しかしあえてそこに挑むタカを発見。
その命知らずなタカの名は…怒り狂ったスズメバチに囲まれ危うしハチクマ!でも秘策があるんです。
集団で襲いかかりハチを操る「魔法」を繰り出します。
衝撃のスクープです!
(テーマ音楽)スクープの舞台は台湾。
12月山あいの農村を訪ねました。
のどかですねぇ。
田畑の周りを森が囲む日本の里山のような風景が広がります。
強力な助っ人をご紹介しましょう。
カメラマンの李さんです。
10年近く台湾のハチクマを撮影し続けています。
李さんがハチクマと出会える場所に案内してくれました。
やって来たのは森の中にある養蜂場。
たくさんのミツバチが飛び交っています。
もしかしてハチクマはこのミツバチを襲うんでしょうか。
農家の人が作業をしています。
ミツバチの巣を切り取ると…。
蜂蜜です。
う〜んおいしそう!今度は蜂蜜ではないようです。
大きくなりすぎた部分などを削って捨てるんです。
作業を終え農家の人が帰っていきます。
しばらくすると…。
何か来ました!ハチクマです。
大きさは60センチほど。
タカの仲間です。
おや地面に降り立ち何か食べ始めました。
捨てられたミツバチの巣です。
ハチクマの狙いはこれだったんですね。
中にいる幼虫やさなぎもろとも丸のみです。
もう一羽来ました。
あれ?先ほどのハチクマとは何か違います。
これはオス。
特徴は黒っぽい目です。
先ほど来たのはメス。
瞳の周りが黄色いですよね。
オスとメスで目の色が違うんです。
オスも捨てられた巣を食べ始めました。
おや?後ろにもう一羽来ていますよ。
こちらもオス。
でもさっきのオスとは体の色が随分違います。
ハチクマは体の色のバリエーションが豊富な鳥。
一羽一羽の色がこれほど違う鳥は他にほとんどいません。
争わずに一緒に食べています。
実はこれも珍しいことなんです。
見て下さい。
争っているのはオオワシ。
ワシやタカの仲間の多くは食べ物を独占しようとする性質が強く頻繁にケンカをします。
一方ハチクマはめったなことではケンカをしません。
争いを好まない穏やかな性格のタカなんです。
そんなハチクマが凶暴なスズメバチの巣を一体どうやって襲うんでしょうか。
それを知るにはまず巣を探さなければなりません。
森の斜面や川沿いの崖などに多いといいます。
突然李さんが急ぎ始めました。
確かに何かあるようですが高すぎてはっきり見えません。
スズメバチの攻撃に備え取材班は防護服を着用。
飛び道具を用意しました。
カメラを搭載した「マルチコプター」。
これで巣の偵察を行います。
いざ発進!巣があるのは高さ40メートル付近。
一気に高度を上げていきます。
枝を避けながら慎重に進みます。
見えてきました。
軽く1メートルはありそうです。
まるで木の上の要塞です。
実は「ダーウィンが来た!」では以前ハチクマと別のスズメバチの攻防をご紹介しました。
場所は日本の長野県。
相手は地中に巣を作るクロスズメバチ。
しかし今回の相手は強さもスケールも桁違いです。
巣の大きさはクロスズメバチ25センチほどに対し世界最大級1.2メートルを超えます。
体の大きさも圧倒的。
今回の相手は体長2センチ。
クロスズメバチの2倍です。
その名は…攻撃的で人を襲うこともある危険なハチです。
巣には数千匹の働きバチが住み中にいる幼虫やさなぎを守っています。
今回このツマアカスズメバチの巣を4つ見つけました。
民家の真上にある巣もあります。
私たちはそれぞれの巣の近くにテントを張ることにしました。
こうすればハチの攻撃を防げハチクマにも気づかれずに観察することができます。
準備完了。
あとはハチクマが来るのを待つだけです。
数日後。
動きがあったのは民家近くの巣でした。
とうとうハチクマが現れたんです。
巣の近くまで来ました。
様子をうかがっています。
ハチは既に警戒しています。
ハチクマの気配を感じ取ったようです。
巣に向かうハチクマ。
さあ攻撃か?そのまま通過。
なんとスズメバチがハチクマを追いかけています。
巣に近づくだけで襲ってくるとは恐るべしスズメバチ。
ハチクマはそのまま去っていきました。
でもこの巣ならいつかハチクマが攻撃するかもしれません。
そこでこの巣に撮影スタッフを集中しあらゆる角度から狙うことにしました。
しかしハチクマはその後も毎日のように現れるものの一向に巣を襲いません。
ただ時間だけが過ぎていきました。
待つこと実に1か月。
この日はいつもと違いました。
ハチクマが続々と集まってきたんです。
その数15羽以上。
まるでハチクマ軍団です。
(鳴き声)おや?鳴いています。
(鳴き声)互いに鳴き交わして何かを伝え合っているようです。
誰が攻撃を始めるか相談しているんでしょうか。
(鳴き声)このオスそわそわしていますが…。
巣に飛び乗りました!一斉にハチが攻撃を始めます。
体を振って懸命に払おうとするハチクマ。
たまらず退散です。
スズメバチの猛攻に全く歯が立ちません。
数日後。
ハチクマ軍団とスズメバチのにらみ合いは続いています。
その中にひときわ目立つ1羽のハチクマがいました。
白い体をした立派なメス。
なんだか期待できそうですね。
巣に飛び乗ります。
今度はどうでしょうか。
駄目です。
また返り討ちです。
ちょっと待った!あ〜やっぱり来ましたか。
はい。
何がハチクマ軍団ですか。
全然駄目ですよ。
反撃されて逃げるくらいならわざわざ危険なスズメバチの巣なんて襲わなければいいじゃないですか。
いいえヒゲじい。
どんなに危険な目に遭っても襲うだけの価値があるんです。
えっ?どどういうこと?ハチクマが襲うツマアカスズメバチの巣はスズメバチの中でも特大サイズ。
巣の中にはこんなふうに何枚もの巣盤があり1万匹近い幼虫やさなぎがいます。
えっ1万匹!?そうなんです。
ハチクマの狙いはこの栄養豊富な幼虫やさなぎ。
攻略すればみんなでおなかいっぱい食べることができるんです。
なるほど。
でもあんなにハチにたかられて大丈夫なんですかね?はい。
実はちゃんと防御しているんです。
こちらを見て下さい。
顔の周り短い羽毛が折り重なるようにびっしり生えていますよね。
あ〜本当だ。
まるで魚のウロコみたいですね。
はい。
この羽毛はとても硬くハチの毒針をはねつけるんです。
お〜!更に体の他の部分も他のワシやタカに比べ硬い羽毛で覆われています。
ハチクマの体はハチと戦うための特別仕様なんです。
でもそれならなんであんなに逃げてたんですか?今回の敵は凶暴なツマアカスズメバチです。
いくら防御しているとはいえ刺されることもあります。
そこでこうして何度も巣に近づいては相手の勢いを見極めているようなんです。
ほうハチクマは慎重なんですな。
どうやって攻略するのか期待がタカまってまいりました。
早く知りタイワン。
第2章はハチクマがついに本領を発揮。
怒り狂うハチを相手に魔法のような秘策を繰り出します。
想像を超えた展開が待っていました。
巨大なスズメバチの巣を襲うハチクマ。
この行動が頻繁に目撃されるようになったのは実は最近のこと。
台湾のハチクマに起きたある変化が関係しています。
ハチクマには渡りの習性を持つものがいます。
夏に日本やロシア中国などで子育てをし秋になると冬越しのため東南アジアなど南へ渡るんです。
もともと台湾はこうした渡りの途中でハチクマが立ち寄る中継地でした。
ところがある時台湾に一年中とどまるものが現れました。
その大きな理由が養蜂です。
蜂蜜などの需要が増え台湾では1980年ごろから養蜂が盛んに行われるようになりました。
温暖な台湾はミツバチが蜜を集める花がいっぱい。
一年中養蜂ができます。
たくさんの養蜂場があちこちに作られたことでハチクマは安定した食べ物を手に入れたんです。
今では数千羽が台湾にとどまり子育てもしています。
ハチクマが増えて養蜂農家にとっていいこともあります。
農家の悩みの種はスズメバチがミツバチを襲うことです。
人の暮らしを上手に利用するハチクマとハチクマに助けられる人。
持ちつ持たれつの関係です。
民家の近くにある大きな巣に狙いを定めていたハチクマ軍団。
ついに攻撃を開始しました。
でもスズメバチの猛反撃を受けなかなか攻略できません。
攻撃の中心となっていたのがこの白いメス。
一度は巣から離れたものの…。
2回目の攻撃。
すぐさまスズメバチ軍団が取り囲みます。
でもハチクマ今回はなかなか逃げませんね。
必死に耐えています。
いったん退散。
態勢を立て直します。
3回目の攻撃。
あれ?ハチの様子が今までと違います。
反撃してきません。
白いメスは巣の裏側に移動。
くちばしで穴を開け始めました。
ついに鉄壁の要塞を崩し始めたんです。
それにしても不思議です。
巣を壊されているというのにハチは一向に反撃しません。
それどころか巣のこちら側では表面にとどまったままじっと動かなくなったものもいます。
これは最初に攻撃を受けた時の同じ場所の映像。
明らかにハチたちの動きが変わっています。
まるで魔法でもかけられたよう。
何が起きたんでしょう。
そこで専門家に映像を見てもらいました。
長年スズメバチの研究をしてきた玉川大学の小野教授です。
仮説はこういうことです。
初めのうちハチクマはハチの反撃を受けながらも何度も巣に近づきます。
その時体から発散する何らかの化学物質を巣やその周辺に残していくんです。
その物質にハチが触れると次第に攻撃性が失われていくというのです。
でも確かなことはまだ分かっていません。
こうした映像をきっかけに研究が更に進むことが期待されます。
巣にはあの白いメスによって大きな穴が開けられました。
ハチクマ軍団次の作戦は?1羽のオスが飛び立ちました。
あれっ何でしょう?巣に体当たりです。
狙いをつけるとぐんぐんスピードを上げて鋭い爪でキーック!一気に穴を広げるつもりのようです。
オスは何度もこの攻撃を続けます。
ハチたちが一斉に巣の外に出てきました。
巣に飛び乗ったオス。
今度は巣の出入り口を壊し始めました。
邪魔なハチをくわえては次々に放り投げています。
これだけ乱暴されていながらハチは反撃できません。
やはりあの魔法が効いているんでしょうか。
最初に狙いをつけてからおよそ1か月。
ハチクマたちがついに巨大な巣の攻略に成功しました。
あの白いメスも戻ってきました。
先ほどのオスと一緒に何かを食べています。
巣の中の幼虫です。
栄養いっぱいの幼虫。
おいしいんでしょうね。
2羽はくちばしだけでなく脚も使って穴を広げていきます。
おっと!白いメスが巣盤ごと取り出しました。
あっ落ちちゃった。
もう1枚。
豪快な食べっぷりです。
攻撃の先陣を切った白いメス。
一番苦労した分その見返りも大きいんですね。
翌日。
巣には他のハチクマたちが集まってきました。
中にはまだ幼虫がたっぷり残っています。
巣のあちこちに取りついてもう食べ放題です。
入れ代わり立ち代わりやって来るハチクマ。
1つの巣を攻略すればこうして何羽もが食べ物にありつけるんですね。
ところで巣を壊されたスズメバチたちはどうしているんでしょう。
巣のすぐ下にある民家。
軒下にハチがいます。
襲われた巣のハチたちが引っ越してきたんです。
もう卵もあります。
急ピッチで巣を作っていきます。
こうして生き延びたものたちが次の世代へと命をつなぎます。
スズメバチもまたたくましいですね。
ハチクマたちが攻略した巣に様子のおかしい1羽を見つけました。
脚をケガしているようです。
翼でバランスを取りながら懸命に幼虫を探しています。
あっ危ない!他のタカならこのようなケガを抱えたまま生きることはできないでしょう。
食べ物を分かち合うハチクマだからこそなせることかもしれません。
スズメバチの要塞はついに崩壊しました。
ハチクマたちはまた別の巣を探しに向かいます。
凶暴なスズメバチを獲物に選んだハチクマ。
危険な相手にあえて挑むことで特殊な体や想像を超えた能力を手に入れました。
つわもの同士力の限りを尽くした攻防は永遠に続いていくことでしょう。
2015/01/01(木) 05:10〜05:40
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!選「タカが集団でスズメバチ巨大巣を襲う」[字]

タカの“軍団”がスズメバチと壮絶な死闘を繰り広げる!舞台は台湾。タカの名はハチクマ。ハチを操る魔法のような“秘策”を繰り出し、巧みに巣を攻略する様子をスクープ。

詳細情報
番組内容
タカの“軍団”がスズメバチと壮絶な死闘を繰り広げる!舞台は台湾。タカの名はハチクマ。ハチを専門に狩ることで知られる勇猛な鳥だ。ハチクマたちが狙うのはスズメバチの世界最大級の巣。強力な毒針で武装した数千匹のハチが守る「要塞」だ。巣に飛び乗ったハチクマはハチの猛反撃にあう。危うしハチクマ!だが、息詰まる攻防のさなか、ハチクマはハチを操る魔法のような“秘策”を繰り出した!必見の衝撃スクープ。歌:平原綾香
出演者
【語り】近田雄一,龍田直樹,豊嶋真千子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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