飯田裕子のCar Life Diary

雪道の危険性について


【お詫び】 先日この連載で紹介した内容についてお詫びさせていただきます。安全上、非常に配慮を欠く行動であり、軽率であったと反省しております。申し訳ありませんでした。

 私自身、様々な経験をしている立場から冬の運転リスクの高さを承知しているつもりです。だからこそ、私にとってもこれまでにない経験を体験談として紹介し、冬タイヤの重要性をお伝えしたかったのですが、今回、私がとったすべての行動をすべきでなかったと深く反省しております。日頃、安心、安全で快適な移動をするための啓蒙活動を心がけているにもかかわらず、今回の行動や内容は皆さまの信頼を欠くものであり、反省とお詫び以外にただ今は思いつきません。

 今後は今回の件を強く心に留め、より慎重な行動につとめることはもちろん、ここでご紹介するテーマも精査して取り上げていくつもりでおります。どうかご理解いただきますよう、お詫びするとともに、お願い申し上げます。

 今回の内容は不適切であることから、削除させていただくことになりました。本当に申し訳ありませんでした。(飯田裕子)


 Car Watch編集部 編集長 谷川です。今回、安全に対して配慮の欠く記事を掲載し、読者の方々にお詫びするとともに、著者本人から記事削除の申し入れがあったこともあり、一両日をもって本記事をお詫びの文を残す形で削除させていただきます。今後はこのようなことのないよう、飯田裕子氏とともによりよい記事をお届けできればと思います。本当に申し訳ありませんでした。


今回はサマータイヤのまま雪が降ってしまったときのことについて紹介

 2015年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 今年のお正月は各地で寒波による雪が降り、神奈川県の実家で新年を迎えた私にとっても珍しい雪のお正月に。おかげで新年早々、このお仕事を始めて以来、こんなに不安な冬道運転をしたことがないという体験を味わった。昨年末、いつもスタッドレスタイヤへの交換をお願いしているショップが忙しかったようで、「ならば年明けに」と交換作業を持ち越したのが原因。今回は皆さんが知らない土地に行ったときに雪道でイヤな思いをすることがないように、あえて私のお正月に起こったエピソードをお伝えしようと思う。降雪地にお住まいの方にとってはあまり参考になる話ではないですが……。

 神奈川の山間部にある私の実家に帰省したときのこと。実家付近で数cmの雪が降った。私のクルマは4WD+サマータイヤ。サマータイヤでもこの程度なら平坦な路面や緩やかな登り坂くらいであれば走れるかもしれない、という状況だ。しかしグリップしなければ4WDの意味もなく、さらにタイヤのグリップ限界を越えればスリップするし、坂道では車重と慣性にまかせてズルズルと滑ってしまうに違いないのだ。帰路の際に使う高速道路までのベストルートは途中まで山越え、そこからは下りになるという地形。

元日、お墓参りや親戚宅を訪れた帰り道。雪は降り続いているものの、積雪はない
しかし実家のあるエリアに入ると、とたんに気温が下がり交通量も減少。道路に積雪あり
実家敷地内は完全な積雪路に
フロントウインドーに積もった雪
実家で飼っているアヒル。雪の中で立ち往生。アヒルの足ヒレはスリックタイヤのような状態ゆえジタバタ……。少しすると歩行可能になっていた。順応性があるみたい(笑)

 自宅へ帰る日は快晴になった。日当たりのよいところではどんどんと雪が消えていく。だが、実家の敷地を出たところの下りの坂道には雪が残る。ブレーキ踏力を何パターンか変えながら慎重に走ってみるも、強めに踏んだとたんコントロールが効かなくなり、滑りながら路肩にズリズリと近づいていく。そんな状況でも先に進んだのは、その先の道路は雪が溶けていると想像できたからだ。知らない道ならこの段階で諦めただろう。付け加えておくと、私も早めに諦める覚悟もあり、その場合はスタッドレスタイヤ付きの家族のクルマがレスキューにきてくれることになっていたのだ。迷惑になるような場所に愛車を乗り捨てるつもりはもちろんない。

 数cmの積雪があった近隣道路は日当たりのよいところはすっかり路面が乾き、一方で日影ではシャーベット状の雪が残る、もしくは溶けていない場所もあった。地形を把握している私はもちろん予測をしながらいつも以上に慎重に運転を続けて行く。

 そして私にとって一番不安な難所にさしかかる。それまで日当たりのよい平坦な道路がしばらく続いたあと、いきなり日影のつづら折りの下りカーブという場所だ。万が一のリスクを考え、前車との車間を一層開けてそぉっと下り始める。そこで見えてきたのは1件の事故。双方のドライバーは無事な様子。さらに下っていくと今度はライダーが路上の部品を拾い集めていた。きっと慎重に下っていたのだろうけれど、ステンっ!と転んでしまったのだろう。そういうことがあり得る場所なのだ。最大の難所を切り抜けたところで安堵。これまでとは打って変わって雪のない景色に変わった。これを予測できるのはこの道を熟知していないと難しい。

 これから関東でも本格的な雪に見舞われる可能性が高まる季節。東京近郊に住んでいるとしても、2014年の降雪を思い出したら冬タイヤへの交換がやはり必要では? と思う。天候や道路コンディションによって「行くか、やめるか」の判断は大事。しかしまずは「そろそろ交換するか?」の判断を誤らないことが重要ではないかと思う。いつもより1カ月遅いタイヤ交換を決めた筆者の実体験。少しでも参考になればと思う。

翌日お昼過ぎ。坂道でブレーキチェックを試みる。強く踏むとどうにもならず、路肩に向かってズリズリと滑ってしまった。極めて低速で行ったからよかった。スタッドレスタイヤを履いていたとしても、速度調整は慎重にならないといけない
県道の日影にはまだ路上にも雪が。ちなみにココは橋の上の日影。日中でも雪が融けにくい。余談ながら、かつて筆者がもっとずっと若いころ、早朝に路面凍結していたこの橋の上でスピンしてきた対向車と衝突したことがある。普段でも事故の多いポイント(注意喚起あり)。橋の上は路面凍結しやすく溶けにくいので十分に注意して走行すべき
一方、日当たりがよいとご覧のとおり溶けている
この道をよく知る地元の私にとっても最大の難所では、残念ながらアクシデント発生。ドライバーが無事なようだったのでよかった
うまく路面が撮影できなかったけれど実際はこのような状況。この坂を下った先のカーブではバイクが転倒していて、仲間と思われる人たちとパーツを回収していた
難所を過ぎると路上に雪はない。つまり逆からきたドライバーはその先の状況が分からず進むことになる。途中からチェックしつつ走行していたものの、残念ながら道路状況を説明する看板や表示はなかったようだ。表示も必要だが、最終的な判断はドライバーに委ねられる。無理は禁物だ

まとめ
・このエピソードを読んでくださった方で「他人事じゃないな」と思った方は、早速冬タイヤへの交換をおすすめします。自車のアクシデントはもちろん、立ち往生して周囲のクルマやドライバーに迷惑をかけないためにも、です。
・特に知らない土地を走る場合は、今いるところに雪がなくてもその先は分からない。慎重さと場合によっては諦める決断も必要。遠回りになっても別ルートがある可能性がある場合は、安心・安全を優先してそちらを選ぶべし。ローカル道路の情報は少ない。地元の方の意見が役に立つはず。
・ちょっとでも不安を感じたら、行かない、乗らない。

 まだあるかな……。とにかくタイヤは大事。この冬も安全&快適な冬のドライブを楽しみたいものである。

(飯田裕子)