(爆撃音と悲鳴)この人は村岡花子といいます。
「赤毛のアン」を初めて日本語に訳した翻訳家です。
花子の翻訳した「赤毛のアン」は時代を超えて多くの人々に読み継がれています。
(有馬)ではどうぞ。
花子は翻訳のかたわらラジオの子ども向けニュースの語り手を務めラジオのおばさんとして親しまれていました。
(花子)全国のお小さい方々ごきげんよう。
これから皆様方の新聞のお時間です。
そのころ花子のふるさと甲府では…。
一体どうしたのでしょう?
(朝市)ちづ江さん。
(ちづ江)てっ!あ…朝市さん!てっ…どうしたでえ!?何があったでえ?違うです。
読んでて感動しちまって…。
ああ…。
ほれならよかった。
こんなに泣いちまって恥ずかしい。
あ…話って何ずらか?あのな…ちづ江さん。
回想あのな…。
ん?おら…ずっとはなの事…。
(リン)はなちゃん!はなちゃん!てっおかあ!どうかしたですか?あ…何でもねえさ。
ちづ江さん聞いてくりょう。
あっ!す…すいません!これまだ読み終わっていなんで。
明日までに読んで返します。
本なんかいつでもいいだよ。
ほれじゃあ…?ちづ江さん。
おらと一緒んなってくりょう。
一緒に…。
嫌け?違うです。
ほんなこん言われるの初めてで…。
おらだって初めて言ったさ。
どうでえ?よろしくお願えします。
こっちこそよろしくお願えします!よかった…。
今度は邪魔されなんで。
えっ?いや何でもねえさ。
・「これからはじまる」・「あなたの物語」・「ずっと長く道は続くよ」・「虹色の雨降り注げば」・「空は高鳴る」・「眩しい笑顔の奥に」・「悲しい音がする」・「寄りそって今があって」・「こんなにも愛おしい」・「手を繋げば温かいこと」・「嫌いになれば一人になってくこと」・「ひとつひとつがあなたになる」・「道は続くよ」・「風が運ぶ希望の種」・「光が夢のつぼみになる」ほれで「徳丸家で盛大に結婚の祝いやってやる」って武が言ってるさ。
てっ!?徳丸さんとこでなんてほんなぜいたくしなんでいいです。
ほう言って断っただけんど武のやつ張り切っちまってて…。
せっかくだし武に任してもいいけ?朝市さんにお任せします。
大げさにするじゃねえってよ〜く言っとくじゃん。
ほうだちづ江さん。
あの…朝市さん。
おら夫婦っちゅうのはうちの父と母の事くれえしか知らんですけんど父は母を呼ぶ時「さん」なんてつけんですよ。
ふんだから朝市さんもおらに「さん」なんてつけなんで下さい。
うん分かった。
あっほれで何です?「王子と乞食」読みたがってたら。
持ってきたさ。
ありがとうごいす!おらの学校の生徒たちにも読んでやります。
みんな村岡花子さんの本が大好きだからきっと喜ぶら。
ほれ聞いたらはなも喜ぶらな。
花子さんって朝市さんの幼なじみずら?どんな人でえ?う〜んほうだな〜…。
本当に本が好きで頑張り屋で家族や友達思いのいいやつじゃん。
ほれでも怒るとおっかねえけんどな。
へえ。
はなは自慢の幼なじみじゃん。
あっ。
おら学校戻らんきゃいけんだ。
てっ!ほれじゃあ早く行ってくれちゃあ!おらはもうちっとここでこれ読んで帰ります。
帰り道気ぃ付けろし。
はい。
ほれじゃあ。
ごめんなって。
お義母さんこんちは。
ちづ江さん!ほんなでっけえスイカ持ってどうしたでえ?うちで作ったスイカです。
ああ悪いねえ。
ありがたくもろうじゃん。
朝市まだ学校から帰っちゃいんだけんど今お茶入れるから休んでけし。
いいですいいです!ほれより夕飯の支度手伝います。
ほりゃあ助かるよう。
夕顔も入れるですね。
ああ。
朝市が好きなもんで。
ほうなんですね。
お義母さん朝市さんのこんもっと教えてくれちゃ。
はあ〜。
ちづ江さん祝言まで待っちゃいんでもう今日っからでもこのうちで暮らせし。
あんたみてえないい人が朝市の嫁さんに来てくれるこんになって本当によかったさ。
朝市のやつぁ縁談は全部断っちもうしあの年まで独りずら?もう一生嫁の来手はねえもんだと諦めてただよ。
朝市さん縁談断ってたですか?ほうだよ。
朝市のやつぁはなちゃんのこんが好きだっただよ。
こ〜んなボコの頃っからず〜っと。
ふんだけんど朝市のやつぁはなちゃんにな〜んにも言わなんだみてえじゃん。
女学校卒業してはなちゃんがこっちぃ帰ってきて同じ学校で教師やってただからなんぼでも言うときゃああったらに。
そのチャンスを自分が潰したとは知らないリンでした。
(リン)結局はなちゃんは東京もんと結婚して…。
朝市のやつぁ本当にバカじゃんね〜。
ほうだったですね。
ふんだけんどちづ江さんにゃあこぴっと言えたみてえでよかったさあ。
本当によかったよう。
ほういやボコの頃朝市が夜中にはなちゃん連れて教会の本の部屋に忍び込んで騒ぎんなったこんがあっただよ。
回想
(朝市)奉公に行ったら本も読めんら。
今のうちに思いっきし読んどけし。
て〜っ!きれいじゃん。
アハハ!面白え。
フフフフ面白えじゃん。
・
(足音)はな。
誰か来る。
逃げよう。
(寅次)誰でえ!ここで何をしてるだ!?はな。
(寅次)あっ!待て!本の部屋に…。
朝市のやつぁ本が大好きなはなちゃんに思いっきし読ましてやりたかっただとう。
騒ぎんなって牧師様にはえら〜く迷惑かけちまったさ。
まあ昔の話だけんど。
あっ塩取ってくりょう。
はい。
悪いねえ。
ほれにしても朝市遅いじゃんな〜。
迎えに行ってきます。
ちづ江さん。
やっぱしここだったですね。
生徒たちのつづり方?こんなにたくさんどうしたです?整理してただよ。
思い切って本にしてみっかと思って。
てっ?本に?学校が夏休みんなったら東京行って青凜社で出版してもれえるように頼んでこっかと思うだ。
青凜社って花子さんの?ほうだよ。
何で花子さんのとこなんです?ああ…ほりゃあ出版社なんてはなんとこぐれえしか知らんから。
花子さんは幼なじみじゃんね。
すいません変なこん聞いて…。
どうかしただけ?何でもないです。
回想
(リン)朝市のやつぁはなちゃんのこんが好きだっただよ。
こ〜んなボコの頃っからず〜っと。
それから間もなく学校は夏休みに入り…。
朝市は東京の村岡家にやって来ました。
てっ…朝市どうしたでえ?はなしばらく。
今日は相談があって来ただ。
おや?ちづ江も東京に出てきているようです。
すいません。
すみません。
はい。
あの…青凜社っていう出版社どこにあるのか知りませんか?青凜社?さあ…知らないな。
ありがとうごいした。
どうやら迷子になったようです。
(かよ)宇田川先生…。
本当に店番お任せしてしまってもいいんでしょうか?
(宇田川)いいから早く行きなさい。
私はここで客の話を聞いて小説の題材にするの。
それにしてもどうして客がちっとも来ないのよ。
すみません。
ほらさっさと行きなさい。
店番くらいできるわよ。
それじゃああとをお願いします。
あっそれから…。
何?まだ何かあるの?先生。
店番してる時はたばこを吸わないで下さい。
はいはい。
分かったわよ。
では行ってきます。
(醍醐)ごきげんよう。
いらっしゃいませ。
何だあなたたち。
(三田)先生こちらにいらっしゃいましたか!あら?かよさんは?白蓮の家に行ったわ。
料理を教えるんですって。
だから私が店番してるの。
なんと…。
大作家先生に店番などさせる訳にはいきません!ささっ先生はお座りになって原稿をお書きになって下さい!店の事は須藤がやりますから。
(須藤)えっ僕!?まあいいけど…。
(三田)先生。
今書いてらっしゃる原稿があがった暁には我々新生聡文堂にも是非書いて下さい!まあ考えとくわ。
コーヒーお願いできる?はい!かしこまりました。
須藤さんなかなか様になってますね。
そうかな?ところであなたは何しに来たの?取材ですよ。
宇田川先生の評伝を書かせて頂くために。
あっそう。
・
(醍醐)びっくりしましたわ。
その芸人さん「ごきげんよう。
さようなら」ってはなさんのものまねを始めるんですもの!・
(須藤)今や村岡花子先生を知らない人なんていないんじゃない?村岡花子…。
・
(宇田川)ラジオなんかに出てさぞかし売れてるんじゃないの?村岡花子先生の本は。
(三田)いやいや宇田川先生の人気に比べたら大した事ないですよ!ねえ醍醐君。
いらっしゃいませ。
お一人ですか?はい。
どうぞこちらへ。
はい…。
ご注文はどうしましょう?てっ?注文…。
「てっ」?「てっ」…。
水くれちゃあ。
「くれちゃあ」?あの…もしかして甲府の方ですか?ほうです。
やっぱり。
私たちの友人にも甲府出身の女性がいるんです。
あの…ほれは村岡花子さんですか?ええ。
よくお分かりになったわね。
皆さんの話がちょっこし聞こえたもんで。
ちょっと。
私はあの人と友人になった覚えはないわよ。
宇田川先生だってはなさんとはもう長いつきあいなんですから。
宇田川先生ってあの「銀河の乙女」の?そうだけど?て〜っ!先生の読者がこんなところにも!さすが先生!せっかくだし本持ってるなら何か一筆書いてさしあげてもいいわ。
それはいい!君本持ってないの?えっ?本ですか?持ってますけんど…。
貸して。
(宇田川)どうしたの?宇田川満代の一筆欲しくない訳?いえほんな事は…。
じゃあさっさと本出してちょうだい。
先生からじきじきに一筆頂けるなんて幸運めったにないぞ。
さあ早く。
早く。
先生ありがとうございます。
ちょっと。
どういう嫌がらせ?すいません!おらこの本しか持ってきてなくて…。
よりによってどうして「みみずの女王」の本なのよ!「みみずの女王」?
(須藤)村岡花子先生の事だよ!信じられない。
これほどの侮辱があるかしら?私の本じゃなくてあの人の本を持ち歩いてるだなんて!てっ。
すいません!先生ちょっと落ち着いて下さい。
先生。
こちらに何か書いてさしあげたらどうでしょう?宇田川先生直筆の原稿なんてめったに手に入りませんわよ。
は…はい!
(醍醐)ねっ先生。
あなた名前は?堀部…あっもうじき結婚するもんで木場ちづ江です。
まあ…それはおめでとうございます。
先生。
是非お祝いの一文を。
(書く音)そのころ朝市は…。
これだけんど…。
生徒たちのつづり方。
長え事指導してきて随分生徒たちの作品がたまったもんで思い切って本にしてみっかと思うだ。
いいじゃんね!自分の書いたつづり方が本になったら子どもたち喜ぶわ。
青凜社でこりょう本にしてもらえんかと思って今日は頼みぃ来たです。
(英治)もちろん。
よかった。
「天に輝く星よりも地に咲きほこる花よりも今ぞ二人の手にしたるまことの愛よとこしへに。
宇田川満代」。
宇田川先生ありがとうごいす!こんな短い文章でも泣かせるとはさすがですね。
当然でしょ。
私を誰だと思ってるの?宇田川満代よ。
よかったですね。
大切にします。
はいどうぞ。
コーヒーです。
ありがとうごいす。
苦いから覚悟なさった方がいいわ。
初めて飲む人は大抵びっくりするもの。
意外な反応だな。
同じ甲府の出でも「みみずの女王」なんていまだにコーヒーのおいしさが分からないっていうのにね。
この人の方がよっぽど東京に向いてるんじゃない?あの…宇田川先生はどうして花子さんを「みみずの女王」って呼ぶですか?それ僕も知りたかったんです。
「みみずの女王」って昔はなさんが児童の友賞を受賞した作品名でしたよね。
ほうなんですか?宇田川先生も同じ賞を受賞されましたよね。
そうよ。
回想
(須藤)今年の児童の友賞に選ばれたのは宇田川満代さんと安東はなさんのお二人です!
(拍手)審査員の先生方。
私を選んだ事を後悔させないような売れっ子の小説家にすぐになってみせます。
ですから早く仕事を下さい。
(拍手)「みみずの女王」は私が尋常小学校で受け持っているたえさんという生徒と一緒に作った物語です。
その子はもう遠くに引っ越してしまったのでお話の続きを読んでもらいたいと思い応募しました。
そしたら運よくこの賞を頂けました。
この受賞は一回きりのいい思い出として甲府に帰って真面目に教師を続けたいと思います。
ありがとうございました。
「みみずの女王」ってどんな話ずらか?おらほの話は読んだ事なくて…。
えっと…。
フト子って名前の太って威張りん坊で嫌われ者のみみずがおなかをすかせたセキレイの親子に食べられるって話。
あの話を読んでカ〜ッと頭に血が上ったわ。
「みみずの女王」なんてぬるい作文みたいな題のくせにあんなに読む者を引き付けるなんて…全く腹立たしい!先生ひょっとして褒めてます?別に。
火!ああはい…。
花子さんってすごいんですね。
何がすごいっていうのよ。
ちっともすごくなんかないわ。
す…すいません…。
まあまあ先生。
ねえちづ江さんは今日どんなご用で東京にいらしたんです?ほれは…。
あなた近々結婚するんでしょう?ええ。
婚約者と何かあったでしょう。
それで東京に来たのね。
てっ!その話詳しく聞かせてちょうだい。
それ書いてあげたんだから話して。
てっ…。
婚約者が東京に来てるです。
ほれでおらも…。
今婚約者の方はどちらに?今頃浅草辺りで派手に遊んでるんじゃない?結婚前に大いにはめを外しに東京に来たんでしょう。
違います。
朝市さんはほんな人じゃねえです。
朝市さん?朝市さんはただ花子さんに会いに来たです。
ねえちづ江さんの婚約者ってはなさんの幼なじみで甲府で小学校の先生をやっていらっしゃる朝市さん?てっ?ほうです。
まあ!ちづ江さん朝市さんとご結婚なさるのね!世間は狭いね〜。
狭すぎだろう。
その朝市とかいう人は何でわざわざ「みみずの女王」に会いに来た訳?ほれは…子どもたちのつづり方を本にする相談にって…。
それだけ?相談に乗ってあげるから全部話して。
そのころ甲府では…。
(ふじ)てっ!リンさん!朝市がはなのこん好きだったなんちゅうこん嫁さんに言っちまっただけ。
何かまずかったけ?ほんなこん聞かされて嫁さんいい気はしんら。
ふんだけんどもう昔のこんじゃんけ。
ふじちゃん。
おらず〜っと分からんだけんど何で朝市ははなちゃんの結婚に反対しなんだずらか。
何でって…。
朝市はボコの頃っからず〜っとはなちゃんが好きだっただよ。
ほれなんに結婚式ん時何で朝市は「異議あり」って言わなんだずらか。
回想
(森)この結婚に正当な理由で異議のある方は今ここで申し出て下さい。
ありませんか。
(平祐)異議あり!てっ…。
父さん!
(吉平)俺も異議ありじゃん!てっ…おとう!
(武)ほれならおらも異議ありじゃん!ほれならおらも異議あり!てっ!おかあ…。
おばさんまで!?このような事態は今までありませんでしたが…取りやめますか?そんな…。
異議なし!ほりゃあ反対する訳ねえじゃん。
はなの結婚式は朝市が準備してくれただよ。
てっ!朝市が?うん。
朝市ははなの幸せを願ってやってくれただと思うさ。
て〜っ。
朝市がほんなこんしてたなんて知らなんだじゃん。
あっほういや朝市はどうしたでえ?また教会の本の部屋け?ほうじゃねえ。
東京のはなちゃんとこ行ってるさ。
はなんとこに?なにょうしぃ行ったでえ?本作る相談に行くとか言ってたけんどおら心配だよう。
朝市のやつぁはなちゃんの顔見たらず〜っと言えなんだ気持ち言っちもうじゃねえかな。
えっ?ず〜っと言えなんだ気持ち?好きだって気持ちに決まってるら。
て〜っ!そもそもあなたの婚約者は「みみずの女王」に思いを告げた訳?告げてないと思うです…。
でも本当はどうなんでしょう?そんな事私が知ってる訳ないでしょう。
ほうですよね。
すいません…。
お二人の関係を見ていると朝市さんは多分はなさんに思いを告げていないと思うけど…。
気になるなら直接本人に聞いてみたらいいじゃない。
ほんな事…!じゃあ気にしたまま結婚生活を送る訳?つづり方の出版を頼むなんて単なる口実ね。
えっ?彼はあなたと結婚する前に「みみずの女王」に積年の思いを告げに来たに違いないわ。
てっ…。
(三田)なぜ今更?ちづ江さんに求婚したのにはなさんにも思いを告げるんですか?初恋に決着をつけて次に進むためよ!コーヒーもう一杯頂戴。
(須藤)はい。
男ってのは好きだった女の事をいつまでも忘れられないものでしょう。
それもかなわなかった恋ほど忘れられないものよ。
そうなんですか!?何で醍醐君がそんなに動揺するんだ?あ…動揺なんて…。
でも梶原さんも初恋の相手だった富山先生とご結婚なさったし…。
てっ!?梶原さん本当に幸せそうだよね。
結婚してからも忘れられなかった女性と何十年越しの愛を実らせたんだからそりゃ当然だ。
やっぱり…初恋の人って忘れられんですね…。
どうかしたですか?あなた「みみずの女王」に似てるのかしらね?てっ?何でですか?朝市って人好きだった女の面影を求めてあなたを選んだのかと思って。
そういうものなんですか?どうなの?男。
どうなんでしょう?僕は奥さんが初恋ですから。
参考にならないわね。
まあとにかく彼は決着をつけに来たのよ。
だけど問題は「みみずの女王」の方ね。
(三田)…と言いますと?友人だとばかり思っていた男がほかの女と結婚するって分かった瞬間彼への熱い思いに気が付いてそして2人は…。
よくある話じゃない。
あなたの婚約者と「みみずの女王」がそうならないとも限らないわ。
ほんな…。
大丈夫よちづ江さん。
そんな事にはならないわ。
だってはなさんご主人ととても幸せそうだもの。
どうかしらね。
「みみずの女王」も女なのよ。
もう先生。
もし2人の思いが通じ合っちまったらどうなるです!?おらとの結婚は…?止めに行かんきゃ!あなた「みみずの女王」の家知らないんでしょ!どうやって行くつもりなんだか。
連れてってくれちゃ!ちづ江さんちょっと落ち着いて。
あくまでも推論だから。
ねっ。
ふんだけんど…。
今日はもう一つ報告があって来ただ。
何?はな。
ももちゃんも聞いてくりょう。
おら…今度結婚するだ。
(2人)てっ!結婚?朝市おめでとう!相手はどんな人?甲府の人?ああ。
教員仲間の妹じゃん。
(もも)どんな女の人?気さくでよく笑う人だ。
本読むのが好きで…。
たまに怒るとおっかねえけんどな。
へえ〜!お姉やんみたい。
えっ?
(笑い声)顔は似てねえけんどな。
リンさん喜んでたら?うん。
結婚するって言ったらうちのおかあ急に泣きだしてびっくりしたさ。
この年まで独りだからもう諦めてただとう。
おかあにも随分心配かけちまった。
よかったね朝市…。
おめでとう。
はな…何ではなが泣くでえ?だって…私本当にうれしくって…。
こんなちっくい時から知ってる朝市がお嫁さんもらうと思ったら…。
おら…はなとももちゃんにはこぴっと報告したかっただ。
本当におめでとう朝市。
はなさんは朝市さんの事友人としか思っていないと思うわ。
ねえちづ江さんは朝市さんとどうやって知り合ったの?えっ?お二人のなれ初めを聞かせて。
兄が朝市さんと同じ小学校の教員で教員仲間をうちに連れてきたこんがあってほの中に朝市さんもいて…。
ほの時は挨拶ぐれえしかしなんだですけんどほのあとよく行く図書室でたまたま朝市さんに行き合って…。
回想てっ。
ああ…。
堀部先生の…。
ほれっからよく図書室で朝市さんと会うようんなって…。
回想ちづ江さんこれ。
あ…ありがとうごいす!ほうやって会ってるうちにいつの間にか朝市さんのこん…。
回想ちづ江さん来てただね。
こんちは。
つづり方ですか?うん。
教員になってっからずっとつづり方の指導を続けてるだよ。
へえ〜。
生徒たちのいろんな角度から物事を見て考える力を伸ばしてやるにゃあつづり方が一番だと思ってるだ。
朝市さんはすごいですね。
おらももっと生徒たちのためにこぴっと考えんとな。
ちづ江さんはちづ江さんのやり方で指導してやりゃあいいだよ。
あっよかったらお握り食べてくれちゃ。
作り過ぎちまって。
てっ。
いいだけ?ありがとうごいす。
いえ。
あっ外で一緒に食べちゃあ。
はい。
それじゃあ朝市さんとのご結婚が決まってうれしかったでしょう?はい。
朝市さん優しくてすてきな方だものね。
好きな人と一緒になれるってさぞ幸せでしょうね…。
醍醐君とうとう結婚相手が見つかったのか?たとえ一緒になれなかったとしても私は一人の人を思い続けていくと心に決めたんです。
醍醐さんとほの人は一緒んなれんですか?いろいろと事情があって。
お互い思い合ってるだに…ほれだに一緒になれんだなんてそんなの…。
悲しんで下さるなんてちづ江さんはお優しいわね。
ふんだって…。
私はいつか一緒になれる日が来ると信じてるわ。
醍醐さん…。
あっいらっしゃいませ!
(醍醐)吉太郎さん…。
(吉太郎)醍醐さん…。
大変ご無沙汰しております。
お元気でしたか?ええ…。
吉太郎さんもお変わりありませんか?はい…。
ねえ。
どなた?こちらはなさんとかよさんのお兄様です。
安東吉太郎であります。
作家の宇田川満代先生と聡文堂の三田さんと須藤さんです。
それからこちらが朝市さんのご婚約者のちづ江さんです。
てっ?朝市の?ちづ江です。
吉太郎さんのお話は朝市さんから伺ってます。
恥ずかしい話でないといいですが…。
とんでもねえです!吉太郎さんは村の誇りだって朝市さんはいっつも…。
憲兵さんになられるなんて本当にご立派でごいす。
誇りだなんて自分はそんな立派なもんじゃ…。
ほうか…。
朝市もついに結婚するのか。
ちづ江さんおめでとうごいす。
ありがとうごいす。
今日は朝市と東京に?安心して下さい。
妹はあなたが心配してるような事をする人間ではありません。
兄として保証します。
それに朝市は少々真面目すぎるくらい真面目な男です。
あなたもご存じでしょう?はい。
2人には何も起こりませんよ。
心配無用です。
どうしてそう言い切れるのかしら。
えっ?先生。
忘れられない女に会えばどんなに真面目な男だって心乱れるものじゃない?あなただってそういう女の一人や二人いるでしょう?自分は…。
吉太郎さん…そういうお方がいらっしゃるんですか!?なあふじちゃん。
おら嫁さんとうまくやってけるずらか?えれえ心配になっちまってここんところ夜もろくすっぽ眠れんさあ。
どうしたでえ?うちゃあ娘がいんら。
毎日一緒に暮らすってなっちゃどうやって接していいだか分からなんで…。
まあリンさんはあんまりしゃべり過ぎんこんずら。
余計なこん言わんように気ぃ付けろし。
て〜っ!気ぃ付けるじゃん!ほれっから…あっほうだ。
てっ?嫁さんは本が好きずら?ほうだけんど?リンさんも本読みゃあいいだよ。
て〜っ!ほりゃあ無理ずら。
おら字なん読めんもん。
おらが教えてやるさ。
てっ。
ふじちゃんが?うん。
吉太郎さん。
私と結婚できないのは本当に職務上の理由なんですよね?えっ?忘れられない女性がいるから私と結婚できないとおっしゃったんじゃないですよね?
(小声で)醍醐君の思い人って彼なのか…。
吉太郎さん…正直におっしゃって下さい。
回想おお〜!
(蓮子)釣れたわ!釣れたわ!てっ!こんなでっけえのおらも釣った事ねえ!
(笑い声)確かに…自分にも昔思いを寄せた女性が一人います。
ですがそれは過去の話であって醍醐さんとの結婚には何の関係もありません。
その方と私って似ているんですか?その方の面影を私に求めてるんですか?あ…共通している点はありますが…。
私そんな事ひと言も聞いてません!どうして何も話して下さらなかったんですか?あっいえ…だって…。
どなたです!?共通点って何なんです!?私の知ってる方!?その方は今どうしてらっしゃるんです!?醍醐さん!落ち着いてくれちゃあ。
(三田)物書きと憲兵さんじゃ一緒になれるのがいつになるか分かったもんじゃない。
そんな男を君が思い続ける訳が分からない。
醍醐君。
僕なら君の夢をかなえてあげられる。
はあ…。
僕は…今すぐ君と結婚してもいい!てっ!?醍醐さん…どういう事ですか。
あの夜の言葉はあの場限りの言葉だったんですか?回想私待ちます。
いつまででも…吉太郎さんを思い続けます。
違うんです!決してそんな事は…。
ではそちらの方との事はどう説明を?説明も何も三田さんとは…。
醍醐君。
冷静に考えれば僕と彼どちらを選ぶのが幸せか答えはすぐに出るはずだよ。
皆さん落ち着いてくれちゃあ。
宇田川先生なんとかしてくれちゃあ。
帰るわ。
あとよろしく。
てっ?先生!あ…。
先生待ってくれちゃあ!みんなのこんなんとかできるのは先生だけじゃん!それどころじゃないの。
早く帰って書かないと。
ほんな…。
傑作になるわよ!宇田川先生?てっ?てっ!?先生?どいて!離して!離して!
(勇雄)あっ!やめて!その人別れた旦那なの!あの…ご主人は…。
元よ。
元ご主人はどうして先生を追っかけたですか?逃げるんでとっさに…。
逃げたら追いかけるなんてまるで獣じゃない。
お前ときちんと話がしたかったんだ。
話す事は何もない。
何度も言ってるでしょう!どうしてなんだ?勝手に出ていったかと思えば俺から逃げ回って…何でなんだ?話なんかしても時間の無駄だからよ!ほんなこん言わなんでこぴっと話し合った方がいいです。
そうですよ。
いい機会じゃないですか。
分かったわよ。
一体何を話したいっていうの?何で突然出ていったりした?あなたとの結婚生活に耐えられなくなったから。
だから一体どうしてなんだ!?俺たちは幸せだったじゃないか。
君はいつもニコニコ笑っていて…。
最初は…まあ新鮮で悪くはなかったわね。
でも飽きちゃったのよ。
だから家を出たの。
それだけ。
おしまい。
頼むからごまかさないでくれ!じゃあこう言えば分かってくれるかしら。
あなたは知識も教養もなければ文学に関心もない。
あなたといてもつまらないのよ!それに…あなた私に書く事を辞めて家事に専念する事を望んでたでしょう。
そんな事は…。
あるわ!私は家事なんかに費やす時間があるなら一作品でもひと言でも多く書きたいの!あなたのために時間を使うのが惜しくなったの!だから家を出た!納得して頂けたかしら。
それはいくら何でも自分勝手すぎやしませんか。
(勇雄)いいんです。
よく分かりました。
はっきり言ってくれてよかった。
君の言うとおり俺は本なんか読もうと思った事もなかった。
だが君の本は読んだよ。
俺の頭じゃ全部は分からなかったがそれでもすごいんだって事は分かった。
それはどうも。
短かったが君が隣にいた暮らしは本当に幸せだった。
皆さんご迷惑をおかけしてすいません。
こいつは口は悪いですが本当は優しい女なんです。
ちょっと何言ってるの。
こいつの事をこれからもよろしくお願いします。
やめてよ!新しい本楽しみにしてる。
コーヒー新しいの入れてちょうだい。
(須藤)はい。
宇田川先生追っかけた方がいいです。
今ならまだ間に合うじゃん!間に合うも何も私たちはもうとっくに終わってるわ。
ふんだけんど…。
私も追いかけるべきだと思います。
だって先生本当はご主人の事まだ好きなんじゃないですか?だからあえてあんな言い方…。
好きだろうが何だろうがうまくいかない時はあるの。
コーヒーはいいわ。
お酒頂戴!
(須藤)はい。
宇田川先生…どうして別れちまったですか?だから…あの人との生活に耐えられなくなったの。
嘘ずら。
好きなのに何で別れんきゃいけんですか?好きな人と一緒んなれたにどうして別れちもうでえ?ああ…もううるさいわねえ。
あの人との暮らしにぬくぬくとつかってたらきっと書けなくなる!だから家を出たの。
私は妻である幸せよりも作家であり続ける事を選んだの。
これで満足?駄目です。
はっ?ご主人の手ぇ離しちゃ駄目です!好きなら必死でつかんでいんと駄目ですじゃん!あなた人の心配してる場合?今の言葉そのままお返しするわ。
てっ…。
言いたい事も言い合えないような関係はすぐに破綻するのよ。
私たちみたいになりたくなければせいぜいお互い言葉を尽くして歩み寄る努力をする事ね。
あ〜あ全く興ざめ。
帰るわ。
あとよろしく。
(醍醐吉太郎)あの…。
あ…ごめんなさい。
どうぞ。
醍醐さん…すみませんでした。
その…いろいろと…。
私の方こそごめんなさい…。
では自分はこれで…。
吉太郎さん。
醍醐さん言ってました。
「たとえ一緒んなれなかったとしても一人の人を思い続けていく。
いつか一緒んなれる日が来ると信じてる」って…。
ほの人って吉太郎さんのこんですよね。
このまんまでいいですか?醍醐さん。
自分もあなたの事だけを思っています。
今度食事にお誘いしてもよろしいでしょうか。
是非!ちづ江さん!ありがとう。
醍醐さんお願えがあります。
おら朝市さんとこぴっと話してえ。
花子さんちに連れてっておくんなって。
こちらですわ。
(戸をたたく音)
(醍醐)ごめんください。
醍醐です。
ああどうも醍醐さん。
ごきげんよう英治さん。
朝市さんはこちらにいらっしゃってませんか?朝市さんなら少し前に帰りましたけど…。
そうですか…。
朝市さんがどうかしたんですか?こちら朝市さんのご婚約者のちづ江さんです。
突然押しかけてすみません。
あなたが…。
あっとにかくどうぞ中へ。
朝市さんがまだこちらにいらしたらと思ってちづ江さんをお連れしたんですけれど…。
そうでしたか。
はなさんはどちらへ?ちょっと買い物に。
もうじき戻ってくると思います。
あの…花子さんは朝市さんと一緒に出かけたですか?いえ。
朝市さんが帰ってからしばらくたって出かけましたけど。
ほうですか。
すいません変なこん聞いて…。
(英治)いえ。
英治さん。
朝市さんは今日何しにいらっしゃったんですか?生徒たちのつづり方の出版の相談とそれからちづ江さんとの結婚のご報告に。
花子とても喜んでますよ。
2人には何もなかったようね。
あっ気にしないで下さい。
何でもありませんので。
(英治)はあ…。
おら…実は朝市さんのこん疑ってたです。
えっ?朝市さんは今でも花子さんのこんが好きで花子さんと会ったらおらのこんなんか忘れちもうんじゃねえかって…。
僕と花子が結婚できたのは朝市さんのおかげなんですよ。
朝市さんの?はい。
回想
(朝市)あんたもはなの事が好きならはなの気持ちこぴっと受け止めてやってくりょう。
ちょっと待って下さい…。
どうして僕にそんな事言うんですか?あなたは僕よりずっと彼女の事を分かってる。
朝市さんこそはなさんの事が好きなんじゃないんですか?はい。
おらははなが好きです。
ボコの頃からはなはず〜っとおらのそばにいました。
いつか…おらの嫁さんになってほしいと思ってました。
そんなに思ってるなら…あなたが彼女と結ばれるべきだ。
はあ…まだ分からんだけ。
おらじゃ駄目じゃん!あんたじゃなきゃ駄目どう!あの夜朝市さんに背中を押してもらえなかったら僕たちは夫婦になってなかったかもしれません。
朝市さんには本当に感謝しているんです。
あのクリスマスの夜にそんな事があったんですね。
はい…。
(戸が開く音)・ただいま帰りました。
ああ帰ってきました。
花子とても驚くと思います。
(英治)お帰り。
ああ醍醐さん!いらしてたのね。
ごきげんよう。
はなさんごきげんよう。
こちらちづ江さん。
朝市さんのお嫁さんになる方だよ。
てっ…あなたが!初めまして。
あっ…。
初めまして。
まあうれしい!こんなにすぐお会いできるなんて思ってもみなかったから。
あの…花子さん聞きてえこんがあります。
ええ。
何でも聞いて下さい。
朝市さんのこん…花子さんはどう思ってるですか?えっ…朝市の事?朝市は私の一番古い幼なじみで兄妹みたいな…いいえ大切な兄妹です。
朝市には何度も助けられました。
一歩を踏み出す勇気が出ない時も朝市はいつだって私の背中を押してくれたんです。
教師を辞めて東京で頑張る勇気が出たのも朝市のおかげなんです。
回想東京から出版社の人が来た事あったら?ほの事で…。
迷ってるだけ?おかあたち残してとても上京なんてできねえって一遍は諦めたけんど…。
はなは東京に行きてえだけ?うん。
ふんじゃあ行けし。
朝市…。
一生懸命やって勝つ事の次にいい事は一生懸命やって負ける事だ。
朝市がいなかったら今の人生とは別の人生を歩んでいたかもしれない。
今翻訳したり物語を書く仕事をしていられるのも英治さんと結婚してこうして一緒に生きていられるのも朝市があの時東京に行けと言ってくれたからなんです。
朝市には本当に本当に感謝してるですよ。
ちづ江さん。
朝市の事こぴっとよろしくお願えします。
はい!てっ!
(泣き声)本当によかった…。
本当に本当によかった…。
おめでとうごいす。
花子さん…。
ありがとうごいす。
あっ…ちょうどよかった。
これお祝いです。
てっ!?はい。
何かしら?ちづ江さん開けてみせて。
いいですか?ええもちろん。
てっ!さんざん迷っただけんど…。
朝市と2人で聞いてくりょう。
ああリンさんも一緒に。
ありがとうごいす。
大切に使わしてもらいます。
醍醐さん英治さん会えてよかったです。
花子さんにも会えて本当によかったですじゃん。
私もちづ江さんと会えてうんとこさうれしいさ。
花子さん…皆さん。
ありがとうごいした。
(リン)リ…ン…。
(笑い声)もう夕方じゃん。
ああそろそろ帰って夕飯の支度しっかね。
ふじちゃん今日はありがとうごいした。
朝市の祝言楽しみじゃんね。
よろしく頼まあ。
ほいじゃリンさん。
ごきげんよう。
ごきげんよう。
(笑い声)ありがとうごいした。
(ふじ)ありがとうごいした。
ただいま戻りました。
須藤さん!?すみません!宇田川先生は…?ちょっといろいろあってね。
はあ…。
三田さんどうしたんですか?まあ…いろいろとあったんだよ。
(汽笛)ごめん。
待ったけ?朝市さん…。
これありがとうごいした。
ああ…どうだったでえ?面白かったです。
本当に面白かった…。
どうかしただけ?朝市さん…話してえこんがあるです。
実はおら…この前こっそり朝市さんにくっついて東京行ったですよ。
何で東京なん…。
正直に話します。
おら朝市さんのこん疑ってただ。
えっ?その本に花子さんの新聞記事が挟まってたです。
てっ…。
ほれから朝市さんはボコの頃っからずっと花子さんのこんが好きだったってお義母さんから聞いて…。
おかあ…。
新聞記事大事に取っとくくれえだから朝市さんは今でも花子さんのこんが好きずらかって思ったです…。
ふんだけんど「ほれならどうしておらに『一緒んなろう』って言ってくれただか」とか「わざわざ東京に会いに行って花子さんに何を言うつもりずらか」とかいっぺえ頭に浮かんできて…。
居ても立ってもいられんくなってほれで…朝市さんと同じ汽車に飛び乗ったです…。
ちょっとも気が付かなんだ…。
東京で花子さんにも会ったです。
花子さんわざわざお祝いくれておめでとうって言ってくれたです。
ほうか。
花子さんは本当に温かい人じゃんね。
朝市さん…疑ってごめんなさい。
勝手なこんしてごめんなさい!ちづ江さん…。
東京行って分かったさ。
おらやっぱり朝市さんが好きだ。
朝市さんと一緒んなりてえ。
この先もずっとずっと朝市さんと一緒に生きていきてえ。
ふんだから隠し事しなんで全部話す事にしたです…。
ほうか。
随分不安にさせちまってただな…。
ごめんなちづ江さん…。
おらも正直に話すじゃん。
おかあの言うとおりおらはボコの頃っからはなのこんが好きだった。
ふんだけんど勇気がなくて…ほの気持ちはずっと言えなんだ。
はなに好きな人ができたって分かったときゃあえらく後悔したさ。
何で…何でもっと早くはなに気持ちを言わなんだずらかって…自分に腹が立ってしかたんなかった。
あんまり情けねえやつであきれるら?ふんだけんど…はなの結婚式ん時おら自分の気持ちにこぴっとけじめつけただ。
回想
(かよ)もう〜武やめろし!
(武)飲めし!
(朝市)今日のはな本当にきれいですね。
言っときますけんどはなは怒ると怖いですよ。
(笑い声)怒らせないように頑張ります。
お幸せに。
はい。
ちづ江さん。
おら…ちづ江さんと出会えてよかった。
はなでもほかの誰でもねえ。
おらはちづ江さんと一緒に生きていきてえ。
朝市さん…。
改めて言わしてくりょう。
ちづ江さん。
おらと一緒んなってくりょう。
一生…そばにいてくりょう。
駄目です。
てっ?ちづ江って呼んでくれちゃあ。
ああ…。
ほうだったな。
ほれじゃ…ちづ江。
おらと一緒んなってくりょう。
はい!泣いてるだけ?今度ちづ江さんって呼んだら怒ります。
ちづ江さん…。
ちづ江は怒るとおっかねえからな。
おっかねえ?
(笑い声)
(「にじいろ」)それから1年半がたちました。
(郵便配達員)村岡さん郵便です!・
(英治)はい。
どうも。
ご苦労さまです。
花子さん。
朝市さんから手紙だよ。
朝市から?てっ。
生まれたのね。
わあ〜かわいい!朝市さんにそっくりだね。
目はちづ江さんよ。
(英治)幸せそうだね。
ええ…本当に。
花子がラジオで話す「ごきげんよう。
さようなら」という言葉が日本中で流行していた頃のお話です。
ごきげんよう。
さようなら。
よ〜いはい!2014/12/30(火) 16:20〜17:50
NHK総合1・神戸
花子とアン スピンオフスペシャル「朝市の嫁さん」[解][字]
朝市(窪田正孝)は花子(吉高由里子)に結婚の報告をするため上京。その頃、婚約者のちづ江(石橋杏奈)も、朝市が思いを寄せていた花子はどんな女性か知るために東京へ。
詳細情報
番組内容
昭和8年。花子(吉高由里子)が「ラジオのおばさん」として活躍していた頃のこと。花子の幼なじみ・朝市(窪田正孝)は、花子に結婚の報告をするため上京。同じ頃、婚約者のちづ江(石橋杏奈)も東京へ来ていた。朝市が花子に思いを寄せていたと知り不安になったちづ江は、花子とはどんな女性かを知るために上京したのだ。ちづ江は、花子をよく知る醍醐(高梨臨)や宇田川(山田真歩)と出会い、話すうちますます不安を募らせる。
出演者
【出演】吉高由里子,鈴木亮平,窪田正孝,石橋杏奈,賀来賢人,黒木華,高梨臨,山田真歩,武井壮,西沢仁太,本田大輔,松本明子,室井滋,【語り】美輪明宏
原作・脚本
【原案】村岡恵理,【脚本】古林実夏
音楽
【音楽】梶浦由記,絢香
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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