究極の真球対決追撃編!そいつはこの世に存在しない。
球体は我々の暮らしに欠かせない。
自転車は車輪のベアリング球が回る事で滑らかに走れる。
車や飛行機のエンジンなど回転するものに使われる球体。
真球が出来ればエネルギーロスは減り燃費はよくなる。
その真球を作り出そうと2組の挑戦者が名乗りを上げた。
戦いの舞台は全長20mの鉄の棒。
限りなく水平に近い特注品だ。
温度変化で微妙に傾きが変わるほど繊細だ。
徹底した調整が行われた。
名付けてアルティメット・パラレル・バー。
真球ならゴールまで渡りきるはずだ。
ビリヤード球はどうだろうか?
(千原ジュニア)一体どれぐらい行くんでしょうか?3m余りで落下。
見た目以上にゆがんでいる。
前回この究極の難題に挑んだのは…若くして医療用の人工股関節を開発した手だれ。
2人は製品開発で培った膨大なデータを基に精緻な球体を生み出した。
この球ただものじゃなかった。
(池田)慎重にアルティメット・パラレルー・バーのスタート位置に…。
広島テクニシャンズの球今スタートしました。
ひたすらにまっすぐ。
うわっ来た!李さんの手に!後がない今回のチャレンジャーチーム。
どうする!?さあ始まりました「超絶凄ワザ!」でございます。
今回は真球対決今夜第2夜!決着がつきます!いや決着がつくというか前回すごすぎたので…。
身震いしましたね。
いや〜よかったですね〜。
行きましたね〜。
行きました行きました。
広島テクニシャンズの皆さん20mのアルティメット・パラレル・バー転がりきりました。
担当ディレクターが泣いてしまうという。
号泣でしたね。
感動して…。
本当に感動してしまいました。
だからその分今週プレッシャーですよ。
という事で今週はナニワの電動師の平井さん林さんに挑んで頂きます。
後攻め東大阪から参戦した…従業員20人ほどの小さな町工場。
日本の産業を支えてきた自負がある。
油圧ポンプに用いる精密部品。
こいつを作っている。
ショベルカーや掘削機械。
その複雑な動きを可能にする油圧ポンプ。
その要とも言える部品だ。
優れた球面加工技術があって重機の自在な動きが可能となる。
日本の高度な土木技術を支える陰の立て役者だ。
真球を目指す事で球面の精度が上がれば建設機械をよりスムーズに動かす事ができると挑戦を決めた。
今回真球に挑むのは社内トップクラスの技術を持つ2人。
2人目数百種類の工具を使いこなす平井壽剛。
伝家の宝刀電動ドリル!こいつで真球を作り出す。
町工場の誇りを胸に…さあ平井さん自信はどうでしょう?あります。
という事ですよね。
もう相手行きましたからね。
これ酷ですね!たまらんよなあ。
さあ林さん。
かなりのプレッシャーやと思うんですけれども。
プレッシャーがかなり強いです。
もう大変です。
何で行ってしまうんですかあなた方は。
今回の真球対決ですが球作り条件を設けました。
ナニワの電動師のお二人が挑んだ球作りご覧下さい。
ナニワの電動師チームの真球作りが始まった。
まずは削り担当の林が球を設計する。
作った事のないものを頼まれる事は珍しくない。
だが今回の依頼は真球の製作。
困難さは桁違いだ。
球の材料には鉄。
しかも硬めの素材を用いる事にした。
こいつを球体に削り出す。
まずは表面の凹凸が1000分の10mm以内に収まる事を目指す。
まだ軸はついているがこの時点で表面の状態を見る。
真球への道のりは想像以上に険しい。
表面に凹凸がなければまるい円として表示される。
しかしこの球には中心部分に問題があった。
半円ずつ削るためつなぎ目にごく僅かなくぼみが生じてしまう。
その深さは1000分の33mmだが…。
計測器ではこのとおり大きくゆがんでいる。
通常の製品なら問題にならないが真球作りでは許されない。
そうですね。
この日林は夜更けまでパソコンと向き合った。
翌日。
林がこれまで球面加工で培ってきたノウハウの全てを機械にたたき込む。
中心をまたぐように削りくぼみをなくす。
果たして…。
13。
13。
13…。
どう?13。
13。
あとはよろしくお願いします。
任せとけ。
旋盤の魔術師林が持てる力を注ぎ込んだ球。
更に軸を取って次につなぐ。
ここからは工場長平井の出番だ。
秘密兵器があるという。
電動ドリル!ドリルの先には砥石。
こいつで球を磨く。
平井はどのくらい磨けているか感触で分かるという。
にわかには信じ難い。
計測前にどのくらい磨けたか聞いた。
結果は…?よっしゃ〜!よっしゃよっしゃ。
手先の感覚だけで1000分の1mmの精度で磨き上げる。
凄ワザだ!ここまでは想定どおりだ。
続いて球に焼きを入れていく。
これで更に精度を上げたい。
翌日球が焼き上がった。
球の表面の状態を確認する。
画面にはいびつな図が。
焼き入れ前より表面の凹凸がひどくなった。
あれねまずその…磨いているのが本当手の感触だけで分かるんですか?数値も当ててたじゃないですか。
あれ本当にうそじゃないですよ。
急に何か…おっしゃってたのは抜ける感じがあるというか…。
ほんであそこまでいったのをあれ何で焼くんですか?形状のムラをなくしようと思うのと滑りをよくするためにと思ってやったんですけど。
あんな塾入れんかったらよかったのに。
さあ小石さん。
はい。
落ち着いて見れたでしょうねこのVTR。
いえいえ。
リビング感覚で見れたでしょう?いかがですか?相手の試行錯誤加減。
電動ドリルを使うっていうのはちょっと…僕も考えが浮かばなかったですね。
さあこの困難をお二方はどう乗り切ったんでしょうか?焼きを入れ大きくゆがんでしまった球。
電動ドリルで磨く。
だが焼きを入れた球は硬く歯が立たない。
追い詰められた平井。
次の一手はあるのか?取り出したのはかつて磨きに使っていた器具だ。
通常は単体で使うものを3つ組み合わせるという。
球をしっかりつかむ事ができた。
町工場の知恵見たり。
3つの回転する器具の先には砥石が取り付けられている。
凹凸はなくなるのか?だが…。
芳しくない。
球が一方向にしか回転していなかった。
これでは満遍なく磨けない。
これまでの経験を思い返す平井。
答えは必ずある。
まず球の支えを緩め動きやすくした。
更に回転方向を見直す事にした。
以前は1つだけ逆回転にして球をランダムに動かそうとしたがうまくいかなかった。
そこで回転方向を全てそろえた。
やれる事をやり尽くす。
すると…。
球がランダムに動き始めた。
これならば焼き固めた球でも力強く均等に磨かれるはず。
平井勝負!0.9。
よっしゃ〜。
ありえへんな。
間違うてない?はい。
表面の凹凸が1000分の1mmを切った!ちょっと劇的に…。
おお。
おおやった!やった!更なる磨きをかける平井。
手を休めはしない。
対決の日まで。
すごい平井さん。
来ましたね。
見せて頂いてよろしいでしょうか。
お願いします。
おわ〜なるほど〜。
これは材料は鉄?はい。
またピカピカの仕上がりですね。
焼き上がった時はどうなるのかと…。
どうですか?ご自身の作られた球出来栄えの方は。
もう自分の子どものような…。
そんな感じでしょ?ここに出て頂ける皆さん本当そうなんですよ。
もう我が子やっていうね。
目尻が下がってますもんね。
李さんいかがですか?ほんまですか?ほんまに思てます?もう一仕事終わったから完全に気ぃ抜いてますやん。
すごかったです。
すごかったですか?かなり苦労されました。
李さんからひと言声かけてあげて下さいよ。
今日は平井さんの息子さんもお越しという事で…。
ご家族皆さんいらしています。
貫太くんどうですか?今お父さんの仕事働きっぷり見ててどう思いましたか?カッコイイよね!きれいな輪郭していますね。
これ見て息子さんも「僕もお父さんのように」と。
ちょっともう目尻に涙が…。
貫太くん大きくなったら何になりますか?何で球蹴る方になるねん!球を作る方になりなさい!ひと言お父さんに声かけてあげて下さい。
(拍手)いかがですか?平井さん。
もう恥はかけないですね。
それでは平井さんこの球のセットをお願いします。
今2人の手で磨かれて作られた球がスタート台に向かいます。
戦いの舞台全長20mのアルティメット・パラレル・バー!真球ならば転がりきるはず。
思い出してほしい。
ビリヤード球が即座に落下した事を。
並大抵の球では20m転がるなど夢のまた夢。
これはすごいプレッシャーですよね。
祈りを込めるようにして今スタート台に載せました。
今レールに載りました。
まっすぐ!まっすぐですね。
安定してるなあ。
まさにレールのど真ん中です。
ナニワの電動師のお二人が手がけた球5mを通過しました。
あ〜安定してる!本当にまっすぐです!少し右に寄りました。
社員の皆さんからも歓声が上がっています。
10m通過です。
もう祈るような声になっています。
少し右に寄りましたがそのままあとはまっすぐ進んでいます。
ちょっとスピードここで少し落ちました。
少しだけ…。
15m通過しました!さあ林さんは球に向かって手を招いている状態。
うわ〜。
20m行きました!
(拍手)すげえ!行きました〜!すご〜い!ナニワの電動師チーム20mクリアー!すご〜い!
(歓声)
(4人)万歳!万歳!万歳!まさに4人が円になりました!すごい!平井さん!行きました!もうすごいプレッシャーでね。
あと林さん。
なぜ20mまで来たボールを受け取らない?もう興奮してしまって鳥肌出ました!両チームとも20mに達しまして勝敗引き分けで〜す!
(拍手)すげえ!先生。
両者行きましたよ。
ちょっと奇跡に近い事なんでしょ?まさにそうですね。
そういう事なんですね!でも技術力というのは10個作って10個転がりきるものを作るのが技術力っていう事はもう十分ご承知だと思うんです。
ですから是非これから技術を成長させてもらいたいと思いますね。
奇跡を奇跡にしないのが技術である。
それは駄目です。
先生の言葉です。
ええ事言いはるなあ。
番組初の引き分けとなった真球対決。
完璧な球体を目指し新たな技術を追い求めた両者のひたむきな挑戦が奇跡を起こした。
更なる高みを目指す飽くなき戦いは続く。
キッチンワゴンの旅に出たさすらいの料理人。
2014/12/30(火) 10:05〜10:30
NHK総合1・神戸
超絶 凄(すご)ワザ!・選「究極の“真球”を目指せ」(追撃編)[字]
この世に存在しない完璧な球体「真球」を目指す激闘をアンコール放送!真球なら長さ20m、幅7.5cmの水平な台を転がり切る。奇跡を呼ぶナニワの職人、衝撃の結末とは
詳細情報
番組内容
現実には存在しない「真球」を目指す激闘をアンコール放送!真球とは1ナノメートルの誤差もない完璧な球体。人工股関節の球体部分を造る広島のメーカーと重機の精密部品を造る大阪の町工場が挑む。全長20m、幅7.5cmの限りなく水平な台を落ちずにどこまで転がるかで勝敗を決する。鉄球を電動ドリルで磨き上げるナニワの職人。子どもたちが見守る中、職人、そして父の誇りをかけて勝負に臨む。千原ジュニアも絶句の結末とは
出演者
【司会】千原ジュニア,池田伸子,【語り】福島泰樹
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:42287(0xA52F)