嵐の中荒海に船を出す男たちの戦いを…。
2人のスゴ腕漁師が意地とプライドをかけてマグロに挑む。
更に千葉県船橋駅から徒歩12分の場所に話題のマグロの店がある。
しかし駅から遠く駐車場もない。
一見不便なようだが…。
お昼どきになるとこの賑わい。
すると…。
ご準備できました。
客が丼を受け取るとなんと自分でそうこの店信じられないことにこの驚きのサービスを聞きつけわざわざ遠くからやってきた人も…。
こちらの男性いくら乗せ放題だからってちょっと盛りすぎでは?名物のせほ丼はマグロを好きなだけ盛りつけられる。
しかも驚きなのがその安さ。
種類も充実。
いろんな味を楽しめる。
マグロが大好きだというこの人も早速乗せ放題にチャレンジ。
完成。
はい。
う〜ん!おいしい!ありがとうございます。
そうですねはい。
そこだけはほんと注意して。
えぇ?脂のこのサシの入り方がきれいですね。
ありがとうございます。
もともとはもっと食べたいって言ってもというのが正直ございます。
でしょ?はい赤字です。
まあ確かにね。
こうやってテレビ来たりとかね。
そうですねはい。
実はこの店は仲卸直営店。
そのため質のいいマグロが安く手に入る。
更に店では料理人を使わずに解凍するだけで済む。
こうして人件費をとことん切り詰めることでおいしいマグロを安く提供できるのだ。
だからこそこんなすごい丼も出せる。
これだけ盛りまくってこの激安ぶり。
そうですね。
皆さんもマグロの乗せ放題ぜひチャレンジしてみては?ここに女性に評判のイタリアンレストランがあります。
続々と女性のお客さんがやってきました。
彼女たちを虜にしているのは…。
実はこのお店なんとマグロばかりを使ったイタリアンのコースが評判なんだとか。
マグロをイタリアンに変えたのが彼は和食とイタリアンを両方学んだ異色の経歴の持ち主。
去年マグロに特化したイタリアンレストランをオープンしました。
気になる早速いただいてみることに。
お待たせいたしました。
はい。
こちらが前菜のマグロのカルパッチョとカポナータで…。
カポナータ。
はい。
こちらがマグロのシーザーサラダになります。
マグロのシーザーサラダ…私初めてです人生で。
いただきます。
うん。
う〜んなるほど。
続いてはう〜ん!その秘密は続いてはイタリア料理では定番のピザ。
ですがピザにマグロってほんとに合うのでしょうか?完成したのは試行錯誤を繰り返しついにピザに合う部位にたどり着いたそうです。
火を通してもジューシーなメイン料理はバジルとトマトのソースをつけていただきます。
すご〜い。
そうですね。
ねっいただきます。
最後はデザートを入れた全7品でお値段は?3,500円?はい。
はい。
結構ありましたし。
マグロの魅力をイタリアンで活かすため日々新メニューの開発も怠りません。
季節ごとに旬の食材と合わせます。
そしてこの冬完成させたのがこちらのイタリアン鍋。
ズッキーニパプリカなどトマトベースのひと品です。
おいしい。
合います。
うん。
シメにはマグロの旨みをたっぷり吸ったお米にパルメザンチーズをかけ濃厚なリゾットに。
先輩とか見本とかがないから…。
それでもマグロにこだわり続ける若きシェフ。
春にはどんな新メニューと出会えるのでしょうか。
お次は…。
1人目は東京大田区にいた。
知る人ぞ知るマグロの名店まぐろ屋和泉水産。
いらっしゃいませ。
どうも店頭で売ってるんですね。
あっすごいすごいトロ赤身…。
あっすごい丼もある。
へぇ〜。
いろいろ売ってるんですね。
ええありがとうございます。
しかも今そこで切ってるんですか?ちょうど今ブツ切り作ってます。
すごいのはマグロだけですからねここにあるの。
隣にはマグロ料理を出す店も。
おじゃまします。
どうぞいらっしゃいませ。
あれちょっと待ってください。
今向こうにいませんでした?えっ?主の嶋村はマグロの魅力にとりつかれ脱サラ。
マグロ専門店をオープンさせた筋金入りのマグロオタク。
店内は近所のマグロ好きで連日大盛況。
品数も豊富で客それぞれに目当ての料理があるという。
常連がこぞって太鼓判を押すこの店の一番人気は…。
はいお待ちどおさまです。
三昧うわぁいろいろのってますね。
はい。
マグロづくしが破格の値段。
もちろん味もすごかった。
赤身に中トロすき身までのったマグロのオールスター盛り。
これでお値段おいくらですか?それで1,080円ですか?ありがとうございます。
うわぁ!すばらしく脂がのってますね。
これで中トロだったら大トロどうなっちゃうんですか。
中トロもすごいがこのすき身がまたすごかった。
うん。
ありがとうございます。
すき身は一番うまいとされる皮際の身や筋が多く刺身では食べられない部分の身を1時以上手間ひまかけてこそぎとった自家製。
そんなすき身たっぷりそこに中トロまでのせた大盤振る舞い丼も大人気。
出していただいてるマグロ全部バチマグロってことなんですけど何かこだわりがあるんですか?そこで目をつけたのが質のいいメバチならおいしく安く提供できる。
そこにはマグロオタクとして絶対に譲れないというポリシーが。
当店にいらしていただいたそういう考えでお店をやっております。
そんな嬉しい考えでお店出していただいてるなんて。
毎朝仕入れに足を運ぶのは冷凍マグロは解凍してみないとよしあしがわからない。
そこで研究熱心なマグロオタク。
最高のトロをゲット。
しかしそれだけではない。
あらゆる部位を無駄なく使うことで中トロなども安く提供できるのだという。
例えば良質な脂したたる頭の身。
はいお待ちどおさまでした。
こちらマグロの串焼きになります。
串焼き!あっなんかこれいろんな部位がありそうですね。
尾の身血合いなどマグロ専門店ならではの串焼き。
珍しい頭の身の味は?そうですね。
更に筋があるハラミの部分は酒と醤油につけたのち軽く炙って外はこんがり香ばしく中はジューシーに仕上げる。
炙りであることによってほどよく筋がとろけて脂もじわっと広がってでも表面は香ばしさがあっておいしいです。
お好きなんですねマグロが。
マグロのことならあらゆる努力を惜しまない。
それが嶋村のマグロ愛。
安さとうまさにこだわるマグロオタクがここ船橋にもいました。
まだ夕方にもかかわらず小さな店内は家族連れや馴染みのお客さんでぎっしり。
店の主はこの人マグロオタクはいすみません…。
ともに切り盛りするのは実はここのマグロただのマグロじゃないんです。
うまくて安いマグロその正体とはいったい?はいすみませんマグロのユッケです。
きれいね〜。
まずはマグロのユッケ。
最初に出すだけあって自信がうかがえますが。
このやっぱりマグロの硬さというか食感は鮮度なんですか?そうですね。
バカじゃないのって言っちゃった。
続いては…。
めったにお目にかかれない希少部位ですが。
うまい!そうですね。
続いてはマグロの串って珍しいですね。
普通は捨てられてしまう尾っぽの部分を丁寧に切り出します。
実はここ…。
そのたっぷりのった脂が焼くことでプルップルになりとろりとした口どけを楽しめます。
ちなみにこれはい。
お次は看板メニューの丼。
これがただものじゃない。
そうなんだ。
はあ〜。
こちらが赤身3枚中トロ7枚。
更に自家製ネギトロもたっぷりでたったの1,200円。
お得すぎます。
香りまでしてくるマグロですね。
これね。
口どけがすごいですよね。
解凍の仕方?マグロは大きさや冷凍のタイミングなどによって1本1本状態が違うのだと反田さんは言います。
そのため反田さんはマグロごとの状態を見極め解凍の仕方を1本1本変えるのだとか。
これが反田さんがマグロオタクと呼ばれるゆえん。
丁寧にビニール袋に入れお湯で解凍。
温度はマグロごとに変えます。
このさくを数十分まんべんなく冷気にあてます。
色味がきれいに出て食感もよくなるそう。
その後ようやくお客さんに出せる最高の状態に仕上がるといいます。
徹底的にマグロにこだわる反田さん。
実はマグロの仲卸を11年勤めた目利き。
ある時自分が競り落としたマグロがぞんざいに扱われるのを見てそれなら自分がと店を出すことに。
そんな反田さんが最も自信があるというのがこちら。
すごい。
うめえこれ。
何これ?手間がかかるがゆえの一日10食限定。
マグロのサクから身の部分だけをしごき取る。
そして身と身の間のスジを残らず取り除く。
ここまでして初めて包丁で念入りに叩き最後は空気を含ませるように練り込みます。
わずかあ〜なるほど。
いやだけど…。
このねすごい。
確かにね津軽海峡を望む本州最北端の地近海で獲れる本マグロの味は一級品。
今や誰もが知るブランドとなった大間はまさに…。
11月のある日港に1艘の船が戻ってきた。
よく見ると何かを引っ張っている。
船を操っていたのは大間ナンバー1漁師の呼び声高い…。
引っ張っていたのはあまりにも大きすぎて船にのせられない巨大マグロ。
その全貌に我々は驚愕した。
え〜っでかい!想像をはるかに凌ぐ巨体。
それはお化けマグロと呼ぶにふさわしい大きさだった。
あまりの迫力にマグロを見慣れているはずの漁協の職員も度肝を抜かれた。
仕事そっちのけで記念撮影。
果たしてこの巨大マグロの重さは?驚きの342kg!このお化けマグロが送られたのは築地ではなく札幌の市場。
300kgを超える大物は札幌のほうが高値がつくだろうとヨシさんは予想したのだ。
値段は1本408万円。
ヨシさんの読みどおり札幌市場の最高値を記録した。
このニュースは北海道の新聞の紙面を飾り大きな話題となった。
競り落とされたマグロの一部は札幌市内の寿司店へ。
さばいてみると全体に脂をまとった極上の品質。
赤身でもこの見事な照り。
ヨシさんが釣った巨大マグロは人々に至福のひとときを提供したようだ。
お化けマグロをしとめたヨシさんは毎年大間でトップクラスの水揚げを誇っている。
そんな凄腕のヨシさんでも大間のマグロは一筋縄ではいかないという。
スレたマグロを獲るためにヨシさんは常に釣り方を進化させてきた。
その一つがテグスの細さだ。
細いテグスであれば生き餌となるイカなどがより自然な動きとなりマグロの喰いが格段によくなるという。
ほら!なんと軽く引っ張っただけでテグスは簡単に切れてしまった。
強度は半分ほどしかない。
そんな細くて切れやすいテグスでなぜヨシさんはお化けマグロを釣りあげることができるのだろうか?己の体をクッションにして急激なマグロの動きに釣り竿のようにしなやかに対応しテグスにかかる余計な力を受け流していたのだ。
そのためかヨシさんの立ち姿はいつも背筋が伸びて美しい。
誰にも真似ができない神わざテクニックでヨシさんはこの日もマグロを揚げた。
これこそが大間のナンバー1漁師と言われるゆえんだ。
自己最高記録となる巨大マグロをしとめ大間に新たな伝説を作ったヨシさん。
マグロへのあくなき探究心と進化し続ける技術は他の追随を許さない。
大間にはヨシさんと並び称される凄腕の漁師がもう一人いる。
それが孤高の…。
マグロの水揚げ高は毎年トップクラス。
そこには山崎にしかできない知恵と工夫があった。
山崎は他の船が漁に出ない時化の日に荒海に一人乗り出し大物を釣る。
それが鉄人と呼ばれるゆえんだ。
山崎はどのようにしてマグロを釣りあげるのか?その一部始終をカメラにおさめるべく漁に同行した。
大間沖には浅瀬がありそこにマグロが回遊してくるという。
そのマグロの群れを探すのに使うのが漁開始から3時間。
ソナーにマグロの反応が。
ソナーではわからないマグロが泳ぐ向きを山崎は長年の経験と勘で見極められるのだという。
大間のマグロ一本釣りは群れの前に船をつけマグロの鼻先にエサを流して喰いつかせる群れの前に出ようと多くの漁師たちが我先にと船を走らせる。
隣の船とはわずか数メートルの接近戦だ。
いち早くマグロの群れの前からエサを入れれば喰いつく確率は高くなる。
し烈なポジション争い。
マグロをめぐり津軽の海は戦場と化す。
山崎も船団の中に突っ込んでいった。
その時再びソナーにマグロの反応が。
ここでも鋭いカンでマグロの動きを読み船を移動させると…後方でマグロがはねた!山崎のカンが見事に的中!チャンスだ!すかさずエサのイカを投げ入れる。
果たしてマグロはかかるのか!?なんとこの日1投目のエサにいきなりマグロが喰いついた。
巻き上げ機を使いテグスから伝わるマグロの動きに合わせながら引きあげていく。
巻き上げ始めておよそ10分。
マグロはすぐそこまで来ている。
ここですかさず電気ショッカーを投入。
失神し抵抗できなくなったマグロがゆっくりと浮かびあがってきた。
一本も釣れずにシーズンを終わる漁師も珍しくないなか山崎はいとも簡単にマグロをあげてみせた。
釣れたのは50kg前後とまずまずの大きさだ。
長年の経験とカンでマグロの動きを読む。
若い漁師には決して真似ができない。
そして…。
この日山崎のカンはさえていた。
立て続けにマグロをかける。
2本目も50kgほどの大きさだ。
そして3本目。
更に。
なんとこの日4本目!今年絶好調の山崎。
一日4本の大漁劇で改めてその実力を見せつけた!そんなトップ漁師2人が認める天才が現れた。
漁船や道具釣り方まですべてを変えた大間の革命児。
その実力とは?間違いないですもんね。
間違いねえもんな。
大間のトップ漁師ヨシさんも一目置く存在。
揃って大運丸の船名を掲げる菊池3兄弟。
まずは末弟の兄弟一のひょうきん者。
しかしそれだけではない。
ビルの屋上からこうやって狙ってプシュ。
一夫はソナーでマグロを見つけその鼻先にエサを投げ入れるこの日もマグロの群れをいち早く発見。
すぐさま船を先回りさせる。
そして得意のぶっつけを開始。
すると…。
喰ったんすか?さすがはスナイパー見事一発でエサを喰わせた。
おら!50kg台のマグロをいとも簡単に釣りあげてみせた。
まあこんなもんだ。
おめでとうございます。
そして3兄弟の真ん中第五十七大運丸で大海原へ繰り出すのが…。
ライバルは他の船ではなく自分。
常に研究を怠らず親子息の合ったチームプレーで次々と大物を釣りあげていく。
圧巻は釣りあげたあとの船上処理のスピード。
2人の息子が視線すら合わせず淡々と作業を進め瞬く間に船倉へとマグロを収納する。
早いっすね作業が。
同じ血を分けた親子ならでは阿吽の呼吸で行うマグロ漁。
それが正義最大の武器。
大間の菊池3兄弟最後は長男マグロ漁を変えた革命児。
武一は他の船が出航を見合わせる時化の日も平然と沖へ出る。
(笑い声)迫り来る高波も武一には絶好の漁日和。
きたきたきたきた!日々進化を続けるマグロ漁の最先端にいるのがこの男。
うお〜。
実は武一が開発に携わったこのピンクの巻き上げ機が大間に革命をもたらしたのだ。
並みいるマグロ漁師たちがこぞって取り付けた巻き上げ機その秘密とは?流線型のボディーが港でひときわ目を引く長男武一の通常の1本釣り船と比べふた回り以上大きい。
こだわりの詰まったオーダーメイド船。
甲板はマグロとの激闘を想定。
スムーズに動き回れるよう段差のないフラットなつくりになっている。
そして釣り上げたマグロの洗浄に使う品質保持にひと役買っている。
そしてライトは消費電力の少ないLEDライトを使用。
このライトが本領を発揮するのは夜行われるマグロのエサ釣り。
LEDライトは光が周囲に広がらないという特性を持っているためマグロの大好物であるサンマなどを一か所に集めることができるのだ。
はい。
えっ何だこれ。
何だこれ。
うわっうわっえ〜!光で集めたサンマをタモで一気にすくい上げる。
これもLEDライトだからこそできる芸当。
こんなサンマのとりかた初めて見ますけど。
これ見せたかったのよ。
そんなこだわりの装備満載の大運丸で武一は今日も漁に出る。
マグロだ。
マグロの群れが騒いでいる。
そして船が集まってきた。
ぶっつけ漁の始まりだ。
群れを見つけたらまず船首へと走りそこで仕掛けを投入する。
しかし武一の船は操舵室に近い最高のタイミングを逃さない工夫がここにあった。
こらこのってヘヘヘヘッ。
そんなぶっつけのさなか隣にあの男の船が。
さすがヨシさん見事なテクニックで確実にマグロをしとめる。
そのときだった。
ようやく武一にもアタリがきた。
すぐさま船を反転させ巻き上げを開始。
しかし…。
武一はテグスを手繰ろうとしない。
なぜ?武一はヨシさんや山崎とはまったく違うアプローチでマグロを釣り上げていた。
巻き上げ機にマグロを託すことおよそ10分。
いともたやすくマグロをしとめた。
武一が絶大な信頼を寄せるこのピンクの巻き上げ機。
実は武一が開発に携わり実用化されたもの。
開発先に聞いてみると…。
それを一本釣り逃がしたらかなり大きいんでですねそのときのものすごい腹が立って。
青色のかかったマグロが急に逃げだしたとき…。
そしてそれが原因でテグスが支柱に絡みつく現象が続発。
マグロ漁師たちを悩ませていた。
そこで武一はメーカーの開発者に漁を見せ改良点をアドバイス。
完成させたのがこの新型巻き上げ機だったのだ。
新型は急に逃げだしても糸がほとんどたるまず確実に巻かれていく。
この画期的な巻き上げ機の噂は瞬く間に大間中へと広まり今や大間のおよそ9割の船がこのピンクの巻き上げ機を使用しているという。
目から鱗?武一のアドバイスによって生まれた巻き上げ機が大間のマグロ漁を変えたのだった。
そんな巻き上げ機で釣り上げたマグロの船上処理。
ここにも武一ならではのこだわりが。
取り出したのは表面がなめらかな素材でできたマット。
マグロの皮膚を傷つけないよう処理はこの上で行われる。
首尾よく内臓を取り出したらマグロを船倉へ収納しスポンジで両サイドを保護。
氷でマグロを一気に冷やす。
粒小さいからとけやすいべ。
なるほど。
終了。
おめでとうございます。
日が暮れると再び港へ。
そこで水揚げが行われるのだが。
しかし武一は必ずマグロをシートで包みつり上げる。
なぜか?マグロの品質にとことんこだわる。
それがマグロ漁師菊池武一の信念。
大間のマグロはほとんどがより高値で取り引きされる東京築地市場へと送られる。
しかし武一のマグロは軽トラでどこかへ。
向かった先は港のそばにある加工場。
どうやらここから出荷されるようだ。
ではどこへ?東京より安値がつく可能性の高い青森への出荷にこだわる武一。
いったいなぜ?実際の話みんな…。
都会のほうばっかり出してるでしょ。
じゃあこっちの人は?ちゅうことで。
地産池消に力を入れている武一は儲けを削ってでも地元の市場にマグロを出荷するという道を選んだのだった。
菊池のマグロは手ごろな値段で極上の味を楽しめると青森の飲食店でも評判だ。
うまい。
さばいてみればすぐわかりますんで。
船の設計から船上処理流通にいたるまですべてが型破りの漁師菊池武一。
彼はなぜ我が道を行くのか?今年も12月に入ると大間の天気は一変。
海が時化る日が増えてきた。
そう大運丸は時化ても安定した漁が可能。
荒波をものともせず沖へと船を走らす。
この日海に出ているのは大運丸1艘。
ライバルがおらずこれは絶好のチャンス。
22メートルのなかですか?そのとき荒海の波間に1艘の船が現れた。
時化などものともせず漁へ繰り出した2人。
このあとたけりくる大海原よりも過酷な男たちの熱き戦いが繰り広げられる。
大物を釣り上げるのはどっちだ!?そんな大間のライバル津軽海峡を挟んだ対岸北海道の港町戸井。
大間と同じ荒波にもまれたマグロ。
とあらばその品質は疑いようもない。
釣り上げられたマグロは船上でエラと内臓が取り除かれ出荷までに更に細やかな処理が施される。
水揚げされたら今度はそしてマグロ自体の重さでこうした丁寧な処理が功を奏し戸井のマグロは一躍全国へ知れわたるようになった。
日々上質なマグロを送り出すそんな戸井に今年高校を卒業したばかりの新人がデビューした。
父重美が船頭を務める大盛丸に乗り込みまだ半年。
しかしマグロ漁にかける熱き思いだけは先輩漁師にも引けをとらない。
戸井のマグロ漁は夜行われる。
エサとなるイカを針につけ投げ入れるのが弘吉の仕事。
しかし…。
漁師1年目。
こんな失敗もまだある。
そんな弘吉の家は…。
ダメでしょ。
ピ〜って言われる。
弘吉は5人兄弟の上から2番目。
ちっちゃいときから。
ウフフちゃんとしゃべりなさいよ。
俺はもう…。
巨大マグロを次々としとめ港へと帰ってくる父は幼い弘吉にとってヒーローだった。
その後迷うことなく漁師の道へ。
函館の水産高校で海や魚漁に関する知識を身につけ…。
卒業後すぐ父の船に乗り込んだのだった。
その分大漁を信じ今日も夜の海へ出る。
高校卒業から半年。
昼夜が逆転した生活にはまだ慣れない。
明け方5時縄入れを開始。
戸井のマグロ漁はしかしこの日はイカを針につける弘吉の様子がどうもおかしい。
いったい何が!?親子船で真夜中の海へくり出した新人漁師弘吉。
しかし様子がおかしい。
いったん持ち場を離れた父が何かを手に戻ってきた。
実は弘吉腹を下していたが持ち場を離れられないため父に薬を持ってきてもらったのだ。
漁師仕事は常に危険と隣り合わせ。
そのいろはをたたき込みながら安全にも気を配らねばならない父として。
東の空が真っ赤に染まる…。
日の出とともに縄を巻き上げる。
巻き上げは父の仕事。
その縄が絡まないようカゴに収めていくのが弘吉の役目だ。
マグロか?しかし期待むなしく揚がったのは実は大盛丸もうひと月近くマグロを揚げていない。
マグロよどこにいる?他の船が次々とマグロ漁に見切りをつけていくなか…。
何これ!戸井を尻目に大間の一本釣り漁師ヨシさんがなんと300kgを超える巨大マグロを揚げ札幌の市場で最高値を更新したというニュースが飛び込んできた。
悪い時期を耐え忍ぶそれも漁師の仕事だ。
そんな折ある情報が飛び込んできた。
ブリを釣る漁師がマグロがしきりに跳ねているのを目撃したというのだ。
その日の真夜中戸井からマグロ漁に出たのは4艘。
大盛丸は他の船と離れ昼間マグロが跳ねていたという場所へ向かった。
是が非でも釣り上げたいとこの日は御神酒も用意。
ちょっとかけ方が雑なような気もするが願いは通じるか?期待を込め縄を入れる。
そしていつものように日の出とともに縄を巻き上げる。
が…。
結局この日も大盛丸にアタリはなかった。
ところがその直後。
仲間の船からマグロが揚がったという知らせが。
この日父は昨日仲間がマグロを揚げたという場所へ船を走らせた。
行き先を気にした弘吉がブリッジへ向かうと…。
攻めてる?そしてこの日も願かけ。
もう2か月近くマグロの姿を拝んでいない。
なんとしてもマグロを釣り上げたい。
縄入れからおよそ1時間。
この日も日の出とともに縄を巻き上げる。
ところが緊急事態。
縄が切られてしまっていた。
津軽海峡は巨大タンカーが頻繁に行き来する交通の要所。
時折こうして縄を切られてしまうこともあるのだ。
切れた縄にはまだ100本近く針がついている。
急いで切れた縄の先を探す。
船を走らせること20分。
ようやくブイを発見。
気を取り直して縄を巻き上げる。
すると獲物の感触が。
すぐさま獲物がかかった縄から他の縄を外す。
父の指示に息子が応える。
(サイレン)そうだ。
実に2か月ぶりのご対面。
大盛丸のデッキにマグロが揚がった。
サイズとしては小さかったが弘吉は嬉しさを隠せない。
今日揚げたサイズのマグロはしかし小さくとも丁寧な処理によって値段は変わる。
水揚げしてみるとこの日のマグロは48.5kg。
そして思わぬサプライズ。
ことのほか脂ののりがよかったためなんと通常の倍弘吉はマグロ漁という仕事をどう思っているのか。
弘吉に漁師としての自覚が芽生えてからが本当の親子船。
その成長から目が離せない。
一方こちら大間のトップ漁師の1人鉄人山崎は相変わらずの絶好調!この日も荒海で長年培ってきた経験と勘でマグロをかけた。
揚げてびっくり!実に136kgの大物だ。
しかしそんな山崎から意外な言葉が…。
鉄人山崎も今年で御年65歳。
だが山崎には後継者がいない。
息子は漁師とは別の道に進み孫はまだ小学生にもなっていない。
鉄人の技を受け継ぐ者はいない。
そんな山崎のもとに今年の夏埼玉県に住む中学2年生の少年から1通の手紙が届いた。
いったいどんな少年なのか自宅を訪ねると以前に放送した山崎の姿をじっと見ていたのは綾太君。
この番組で山崎の大ファンになったという。
釣りが大好きで将来の夢はずばりマグロ漁師だ。
なんと山崎にお願いしてサインまで手に入れていた。
11月下旬。
その思いが現実に…。
綾太君は3連休を利用して憧れの山崎に会うために大間へやってきた。
初めて見る水揚げされたばかりの本マグロは迫力満点。
タグには山崎の船漁福丸の名前が。
この日山崎は120kgの大物を揚げていた。
巨大マグロを目の当たりにし気持がたかぶる綾太君。
港で山崎の船を見つけた。
憧れの人にやっと会えた。
しかし緊張しすぎて言葉が出ない。
すると山崎が。
ん?大丈夫?なんと明日マグロ漁に連れていってくれるという。
中学2年生の綾太君が初めてのマグロ漁に挑戦!ド素人の少年に衝撃の展開が待っていた。
明日マグロ漁に連れていってくれるという普通ではまずありえない山崎の粋な計らい。
綾太君用意してきたプレゼントを渡す。
漁のときに重宝しそうなネックウォーマーだ。
どうですかもらって。
そして翌朝。
綾太君初めてのマグロ漁へいざ出港のとき。
山崎の首にはプレゼントのネックウォーマーが。
翌日の午後には帰らなければならない綾太君。
果たして1日半という短い間に山崎はマグロを釣り上げてみせることができるのか!?毎年10月下旬の頃から津軽海峡にサンマの群れが入ってくる。
するとそのサンマを追ってマグロも跳ねる。
海面を飛び跳ねるマグロたち。
まるで綾太君を歓迎しているかのようだ。
夢にまで見た光景が今目の前にある。
海の状況に合わせ山崎はサンマをエサに選んだ。
その秘密の仕掛けを流してみると…。
こういうふうに生まれて初めてのマグロ漁。
見るものすべてが新鮮だ。
綾太君何やらメモを取り出した。
テレビで見た憧れの世界。
しかし現実はそんなに甘くない。
しばらく待ってもアタリがないので山崎はエサをサンマからイカに変えて再びマグロを狙う。
その一挙手一投足を見つめる綾太君。
厳しい漁師の仕事だがその醍醐味はマグロを釣り上げる瞬間にある。
そこを少年に見せてやりたいと山崎は考えていた。
しかし…。
漁を続けること5時間あまり。
船団のなかでマグロを釣り上げた船はまだ1艘だけだった。
ヘヘヘヘッ…。
結局この日綾太君にマグロを釣って見せることはできなかった。
翌日は午前中いっぱいで帰らなければならない綾太君のために早めに出港。
果たして山崎はマグロを釣る瞬間を少年に見せることができるのか?そのとき。
近くにいた山崎の盟友で凄腕の漁師ヨシさんがマグロをヒットさせた。
すると…。
なんとヨシさんの粋な計らいで船に乗せてくれるというのだ。
2艘の船がギリギリまで接近してなんとか渡ることができた。
しかも船に乗せてくれただけでなくテグスまで持たせてくれた。
中学2年生の綾太君がマグロを釣り上げるのか!?大間の凄腕ヨシさんの船で初めてテグスを持った綾太君。
初めて体験するマグロの強烈な引き。
ヨシさんの指示を聞きながら綾太君必死。
それを見ている山崎はなぜか楽しそう。
まるで孫の姿を見ているようだ。
揚げれば一本100万円を超えることもある大間のマグロ。
逃がせば一大事だ。
電気ショッカーが上手くかからない。
格闘すること10分が過ぎたそのとき。
待て待て待て…。
針が外れマグロを逃がしてしまった。
綾太君のマグロ釣りデビューはほろ苦い結果となった。
マグロを逃がした責任を感じすっかり落ち込んでしまった綾太君。
そこへ山崎が…。
引っ張ってみて自分で。
引くべ。
マグロの手応えを感じながら逃がしてしまった綾太君に次こそは釣り上げさせてやりたいそう願う山崎だったが…。
この日マグロを釣り上げた漁師はまだ4人だけ。
エサをつけては仕掛けを流すこれを何度も繰り返す。
しかし無情にも時間は刻一刻と過ぎていく。
山崎は綾太君にマグロを釣らせることができるのか?そして残り1時間になろうとしたそのとき。
ついに待望のアタリがきた。
綾太君にも緊張が走る。
だが近づくのをためらう綾太君。
すると山崎が。
また逃がしてしまうのではないかと不安でいっぱいだ。
そうだべ?誰引っ張っても。
だから今度こそ自分の手でマグロを揚げたい。
綾太君は山崎の教えを守りテグスから伝わるマグロの動きに全神経を集中させ必死に対応する。
格闘すること10分が経過。
マグロはもうすぐそこまで来ている。
山崎が電気ショッカーを投入した!このあと綾太君の前についに巨大マグロが姿を現す!ゆっくりゆっくりゆっくり。
やったぜほら!綾太君は自らの手で夢だったマグロを釣ることができた。
しかしまだ信じられない様子。
残り1時間最後の最後で釣れただけに喜びもひとしおだ。
釣れたマグロはなかなかの大物だった。
綾太君にとって何ものにもかえがたい貴重な体験となった。
別れ際山崎が綾太君に渡したもの。
それはこの日2人で揚げたマグロの釣り針だった。
改めてマグロ漁師になる夢を語った綾太君。
近い将来山崎の後継者として名乗りをあげているかもしれない。
嵐の津軽海峡で経験と勘でマグロを釣り上げる鉄人…。
最新式でマグロをとらえる大間の革命児…。
玄界灘に浮かぶ壱岐マグロ漁の歴史はまだ20年たらず。
だが研究を重ねマグロの品質を向上させてきた。
初競りマグロを毎年釣り上げるあの青森・大間のマグロにさえ味は劣らぬと評判だ。
その壱岐を舞台にしかも…。
誕生日まで同じというまさに宿命のライバル。
壱岐の未来を背負うのはどっちだ?壱岐の北端にある勝本町。
勝本には若いマグロ漁師が多く育っている。
そんな若手のなかでトップクラスの水揚げを誇るのが壱岐のマグロ漁は大間のそれとはまったく違う。
最大の違いは竿と手巻きリールを使うこと。
これで200kgを超える大物も釣り上げる。
更に漁船どうしにも壱岐独特のルールがある。
それは公平をきすため…。
船を流すこと数回。
漁を始めて4時間が経過。
そのとき!マグロがかかった。
仕掛けにかかったマグロは猛スピードで泳ぐと体温が急激に上がり肉質が傷んでしまい味が落ちる。
体温を上げすぎることなくしとめるために欠かせないのは繊細な力加減だという。
ゆっくりと巻き上げること30分。
しとめたマグロはおよそ110kgの大物。
松尾が近くを通る1艘の船を見つけた。
この日もマグロを釣り上げてきたのは松尾が彼にはかなわないというライバル確変…。
松尾と小畑は同級生で誕生日も同じという宿命のライバル。
活発的で社交的な松尾とシャイでおとなしかった小畑。
高校までしかし一時壱岐を離れていた小畑は10年前小畑の父はマグロの処理法などを作り上げた壱岐マグロ漁の先駆者。
その父からマグロ漁のノウハウを叩き込まれた。
3年前からは父の船を借り1人で漁へ。
たちまち大物を釣り上げ周囲を驚かせた。
一方松尾は高校卒業後漁師一筋。
父は小畑と同じ漁師。
親子でマグロ漁に出始めるが1年足らずで父が他界。
松尾は父の技を受け継ぐことができなかった。
そんな松尾も今では3人の子供を持つ大黒柱。
エイト瑛ちゃんね。
ね。
孫の顔を見ることなく旅立った父。
松尾は名前で2人をつないだ。
一方の小畑は去年港の近くに家を建てた。
松尾と同じく3人の子供がいる。
この家族を養うため小畑は今年ある大きな決断をした。
それまで父の船で漁に出ていた小畑はついに自分の船を買った。
更に中古ながらも設備を整えた。
借金およそ1,000万円。
船は大優丸と名づけた。
新しい門出にライバル松尾が駆けつけた。
前途洋洋のはずだったが1か月後。
小畑の顔が険しい。
いったい何が!?ついに自分の船をもった小畑。
だが1か月後に会うとさえない表情。
実は小畑自分の船で漁に出始めて1か月マグロを一本も釣っていない。
父の船よりやや大きいため風の影響を受けやすく狙った漁場に船を流せないでいた。
船の借金を返すにはマグロを釣るしかない。
ここで無線が入った。
小畑のライバル松尾にマグロがかかった。
借金してまで船を手に入れた小畑。
それは自分の腕を頼りにマグロで家族を養っていく決意の表れ。
しかしその意気込みが空回り。
このままでは家族を養えない。
するとその時!ついにマグロが喰いついたか?急にリールが軽くなった。
ハズレだ。
1匹も釣れないまま2か月が過ぎようとしていた。
借金はマグロで返すしかない。
船の扱いにも慣れた。
マグロはここにいる。
多くの船がいることが何よりの証拠だ。
一方の松尾は11月に入りマグロを二本揚げていた。
このまま松尾には勝てないのか?すると…。
かかった!小畑のリールが再び音を立てた。
今度こそ逃がすわけにはいかない。
リールを巻く感触は久しぶりだ。
はやる気持を抑えゆっくりとマグロを引き寄せる。
30分後。
電気ショッカーを入れた。
マグロはすぐそこにいる。
ついに姿を現した。
しとめたマグロはおよそ大優丸の記念すべき一本目だ。
処理は素早い。
頭部をくりぬき神経を抜く。
死後硬直を遅らせることで新鮮さを保つ。
これが壱岐のマグロだ。
船をもった途端マグロ漁の怖さを思い知らされた。
港には家族の姿が…。
初めてマグロに貼る大優丸のステッカー。
一人前の漁師になった証しだ。
松尾が祝福に駆けつけた。
よきライバルとしてマグロにかけた若き漁師たちの戦いはこれからも続く。
一方こちら青森県大間では風雲急を告げていた。
荒波乱れ立つ津軽の海にこの日船を出したのは…。
最新機器でマグロを釣る…。
長年の経験と勘でマグロを釣り上げる…。
革命児とベテランの漁師2人が嵐の大間沖で出くわした。
お互いの実力を認め合う2人。
その時菊池が何かを見つけた。
え?油みたいなやつですか?そうそう。
は〜。
マグロが食べたサンマやイカが油分などを含んだ排泄物となって海に浮かんでいた。
マグロがいる証拠だ。
こうした状況を見極め菊池はこの日のエサをサンマに決めた。
最新機器を駆使する菊池にマグロはかかるのか?一方長年の経験と勘の鋭さでは誰にも負けない山崎はエサをイカと読んで勝負に出た。
サンマとイカという異なるエサで釣り始めた2人。
果たしてどちらにマグロは喰いつくのか?先に来たのは菊池。
テグスを引くわずかなタイミングの差で針が外れることがある。
かたや大ベテランの山崎は…。
時間が経つほどに海は激しさを増してゆく。
エサのイカを活きのいいものにかえて再び仕掛けを流す。
今度こそ喰ってくれと願いながら…。
すると…。
山崎にアタリが来た。
荒れた海をものともせず慎重にマグロを手繰り寄せていく。
この荒海で積み上げてきた経験は伊達じゃない。
この日も山崎の天性の勘が的中した。
電気ショッカーで失神したマグロがようやく姿を現した。
見事マグロをしとめた。
25kgほどとやや小ぶりだが山崎の勘は鋭い。
一方大間の革命児菊池は…。
その時菊池の船の後方に鳥山が出来始めた。
あの下にはマグロがいる。
ついに菊池にもアタリが来た。
菊池が開発に携わった最新の巻き上げ機にマグロを託しゆっくりとあげてゆく。
コンピューター制御にすべてを託すのが菊池流。
見事にマグロをしとめた。
姿を現したのはカタのいい大物だ。
重さは更に…。
その後も菊池は50kg台と60kg台のマグロを立て続けにしとめた。
これぞ最新機器を駆使した革命児菊池の底力。
そんな菊池のもとに山崎の船が近づいてきた。
果たして鉄人の釣果は?菊池も挨拶を交わす。
この日の海の神は菊池に微笑んだようだ。
大間のマグロ漁師たちはこうして互いに切磋琢磨しながら技術を高め合っているのだ。
先攻は本郷三丁目に店を構える…。
中に入るとおいしいマグロを求めてやってきた客で大賑わい。
その噂のイケメンが。
どうも。
よろしくお願いします。
すごい!きた!東京大学出身のイケメン店長高橋祐介が生み出す新たなマグロ料理とは?まずは高橋が特にこだわっているというメバチマグロ。
実は大型のメバチマグロは本マグロにも負けない旨みがあると高橋は自信を持つ。
こちらのMEGRO盛はそうですねキレイですね。
う〜ん!噛むとものすごい歯切れのいいほんとに新鮮なお刺身の食感ですね。
おいしい。
そうですね。
焼いたあとに冷やして身を引きしめ旨みを閉じ込めている。
うん。
あっ…。
へぇ〜。
メバチマグロの知られざるうまさを余すところなく堪能できる盛り合わせ。
そうですねはい。
こんないいマグロでですか?だいぶ懐痛んでません?はい。
大学卒業後大手企業に就職した高橋は29歳の時当時交際中だった奥さんの父親が営む築地の仲卸しに転職。
極端な言い方をすると…。
それ結構衝撃的でした?自分が感動したマグロをみんなに食べてもらいたい。
その思いのもと店を始めた高橋。
彼が考案したマグロと洋食の融合。
こちらはミンチしたマグロでアボカドを挟みミルフィーユ仕立てに。
かかっているのはなんと八丁味噌のソース。
わ〜。
これはどうやっていただいたらいいんですか?こちらはもう…。
一緒に…マグロと。
じゃあガバッと。
高橋の出身地愛知の八丁味噌。
その独特の風味がマグロの旨みを引き立てるのだという。
うん。
合いますね。
更に。
こちら日本と同じようにマグロを食べる文化があるスペイン。
そこでスペイン料理とマグロの融合を図ったのがオリーブオイルで煮込んだアヒージョ。
こだわったのは火を通したときにマグロ本来の味が引き立つ部位を使うこと。
そうですね。
脂の多い部位に火を通すことで豊かな食感を生み出す。
脂が溶け出したオリーブオイルもまた極上の味わいに。
うん。
あっ。
日々マグロの創作料理の開発にいそしむ高橋。
高橋が語るもう1人のイケメンマグロバカがいるのは中野。
商店街の一角にあるマグロマートハンチカ。
その名のとおりビルの半地下にあり店内は毎晩大盛況。
そんなお店の店長はマグロで楽しませる男もともとサラリーマンでしたがマグロの魅力に取りつかれ料理を一から学び3年前にマグロ専門店をオープン。
最近は本マグロに特化。
いかに安く提供できるか日々奮闘中です。
そうです。
えっマグロしかって…。
そうですね。
え…100種類?いったいどんなマグロ料理なのでしょうか。
早速平島さんの腕前を拝見。
失礼します。
オホホホホ…。
オホホホ。
オホホと言うしかないですね。
こちら本鮪の断面刺しになります。
これは…料理をする前にこれメニューですか?ライヴ感ね。
ライヴ感です。
まずは赤身からいただくことに。
そうですね。
続いては中トロ。
すみません。
ほんとマグロの…よくわかる。
味もしっかりついてるし…。
脂身もあるし。
いいところですね。
ここがいちばん脂の多いところですね。
はい。
いよいよこれはうまい。
とまらない。
国産の生の本マグロでこんなグラデーションがきいてておいしいですね。
国産本マグロの赤身から大トロまですべてを味わえる続いては本マグロの中落ちがギッシリ詰まった団体客を中心に大好評。
ひっくり返せば…裏側にも中落ちが。
確かに。
骨の髄までいただけます。
更にこちらは一番人気のメニュー。
本マグロの王道赤身中トロから希少部位までを網羅した盛り合わせ。
こちらは100kgのマグロからわずか100gしか取れないというそのままいただくのかと思いきや…。
まさか?はい。
やるやる!軽く炙るのが平島さんのお勧め。
おもしろいなこれ。
うん全然違いますね。
ちょっとレバーの食感みたい。
歯応えがある部位っていうのは焼いてもうまいんですね。
そうですね。
どうしてこんなに本マグロを安く提供できるのでしょうか。
理由を探りに築地へ。
本マグロは平島さん自ら買い付けます。
しかしすでに身のブロックはさばかれ品薄の状態。
実は本当のお目当ては…。
頭に目がいきますね。
他の業者があまり買わない頭を狙い撃ちで買い付ける。
特に国産本マグロの頭肉は品質が高いわりにサクに出来ないため安く仕入れることができるといいます。
築地を駆けずり回り苦労して集めた希少部位。
ここまでする理由はただひとつはぁ〜。
うんうん。
そんな平島さんの本マグロ創作料理。
続いてはホホ肉1枚を贅沢にまるごと焼き上げたステーキ。
平島さんはホホ肉の焼き方について試行錯誤。
ついにベストな焼き加減レア焼きに行き着いたといいます。
うんうまい。
そうですね。
逆にそうなっちゃうんですね。
はい。
更にこだわりの逸品が。
本鮪の貝ダシしゃぶしゃぶです。
貝ダシしゃぶしゃぶ?使うのはこめかみにあたるハチノコ。
脂が多く更に筋がある部位ですが平島さんはしゃぶしゃぶにすることであっさりやわらかくいただけるようにしました。
うまい。
もちろんあたためるとね。
研究した結果ダシに選んだのはマグロとアサリ2つの旨みの相乗効果は抜群。
もちろんアサリのほうも極上の味に。
そんな平島さんが気になる存在が。
同じマグロ専門店の名を掲げるイケメン店主が競い合う東京マグロ創作料理バトル。
あなたはどちらの店に行きたいですか?大間の港のすぐそばの家に暮らすこちらのご夫婦を皆さん覚えているだろうか?こんにちは。
はいはい。
寒いですね。
マグロ漁師小浜はマグロ一筋65年。
大間で最長老のマグロ漁師だ。
しかし最近はまったく大物マグロに縁がない。
100kg以上の大物マグロを最後にかけたのは2007年のことだった。
これを最後に小浜は大物マグロを7年間も釣っていない。
そんな小浜も今年84歳になる。
妻の心配も尽きない。
あ?何?アッハッハッハ。
耳もずいぶん遠くなってきた。
ほらほらほら。
ついに今年かかった。
7年ぶりの大物マグロ。
果たして無事釣り上げることができるのか?毎年初めてマグロ漁に出る日は必ず龍神様にエサとなるトビウオを供え安全と大漁を祈願する。
じいさん。
釣れるといいね。
小浜の船はマグロ一本釣りの船としては小型。
しかもすでに30年以上も乗っているため装備は旧式。
ソナーはなく古い魚群探知機があるだけ。
大間の多くの漁師は見つけたマグロの群れに合わせてイカやサンマフクラギなどエサを使い分けている。
それに対し小浜は30年間このトビウオ一本で勝負している。
更に使うのはすっかり時代遅れな極太の針。
丁寧にトビウオに仕込むこの仕掛けは10年の歳月をかけて開発した自信作だ。
その名も水中では本物そっくりの動きを見せる。
トビウオどうでした?いい。
小浜の漁は待ちの漁。
魚群探知機でマグロを探しつつトビウオにマグロがかかるのをひたすら待つ。
魚群探知機に大きなマグロの群れが。
小浜スペシャルをマグロは喰うのか?その頃同じ漁場でソナーを駆使した漁師たちが次々とマグロを釣っていた。
どれも100kg以上ある大物だ。
大間の凄腕たちに旧型の魚群探知機1つではとてもかなわない。
この日小浜に釣果はなかった。
釣れなかった日はまっすぐ家に帰るのがいちばんだという。
そのわけは愛妻かつのおいしいご飯だ。
(笑い声)ちゃんと…。
そして風呂に入れば…。
かつが背中を流してくれる。
うん。
いい子いい子。
笑顔の絶えない2人だが心配だってある。
それは…。
あほんとに。
うん無いんだ。
更にかつの心配ごとはもうひとつある。
小浜の健康だ。
彼は月に一度通院している。
お元気でした?変わりねえな。
変わりないですか。
うん。
うん。
小浜は数年前から慢性閉塞性肺疾患という肺の機能が低下する病気を患っている。
体調がすぐれずマグロ漁に出られない日も増えてきた。
84歳の体無理はきかない。
体調が悪くても生活のために漁に出なくてはならない。
マグロがダメでもブリなら釣れる。
夜通しひたすらブリを釣る。
しかしその代償が…。
(咳き込む声)カネと引き換えに命を削る。
この水揚げ作業肺機能の弱った小浜には何よりもつらい。
それでいて燃料代を差し引くと手元にはわずかな額しか残らない。
次の日今度は昆布漁に出かける。
とれた大量の昆布を1枚1枚丁寧に天日干しする。
しかし…。
これだけだらばなんぼになんだ?そんな小浜を心配し漁師仲間が訪ねてきた。
鉄人だ…。
大丈夫治るさ。
何て言っていいかわかんねえけど。
小浜はなんとしてもマグロを揚げたかった。
心配してくれる仲間のために困窮する生活に耐える愛妻かつのために。
12月に近づくと大間の海は荒れる日が増える。
小浜の小さな船ではなかなか漁に出ることができない。
ところが悪天候が続くなか港を歩いていると…。
小浜の船がない。
急いで家を確認しに行く。
すると…。
おはようございます。
小浜さん。
しょっちゅう心配するかつをよそに沖へと向かってしまった小浜。
荒れた海に出て大丈夫だろうか?その頃沖で別の船を取材していたスタッフが小浜の船を発見。
しかしどうも様子がおかしい。
なんと小浜がマグロをかけていた。
ほらほらほら次乗って…。
あれよほらほらほら!7年ぶりに小浜と巨大マグロとの格闘が始まった。
銛を用意する小浜。
しかし動きにキレがない。
小浜の船にはマグロをしとめる電気ショッカーがない。
己の力のみで釣り上げなければならないのだ。
釣るのに有利な位置を保つため操船しに走る。
そして戻ってはまたマグロを引く。
とそのとき。
マグロの引きが尋常ではない。
肺機能の低下している小浜の体力がどんどん奪われていく。
持久戦には向かない。
とはいえマグロを強引に引き上げる腕力もない。
ついに動きが止まってしまった。
7年ぶりの巨大マグロ諦めるしかないのか?そのとき小浜の様子に気づいた漁師が飛び乗ってきた。
どれ。
あっいやいや…。
(衝撃音)いいぞ。
ついにマグロの姿が見えた。
小浜さんおめでとうございます!見事7年ぶりに巨大マグロを釣った。
この朗報はすぐさま愛妻かつにも伝わり小浜を迎えに港へと急ぐ。
病気と闘いながらも7年間追い続けてきた巨大マグロ。
かつはそんな夫の姿をずっと見守ってきた。
(拍手)これが小浜が釣り上げた巨大マグロの全貌だ。
ハハハめんこいめんこい。
腹周りがまるまると太った巨大マグロはなんと面白い?うん。
果たしてこの巨大マグロいくらの値がつくのか?翌日…。
小浜が獲ったマグロが競り落とされていた。
その値段を告げに行く。
こんにちは!はいはい。
寒いね。
寒いですね。
今日築地から連絡がありまして。
はぁ!?小浜さんの揚げたマグロのお値段が出ました。
ほれ!1万3,000円だって!ほんとにか?たいしたことあるな。
ほら!わぁほんと?ハハハハ。
良かった良かった。
我々は一人の新米漁師に密着した。
当時大間の若手漁師のなかで頭角を現していた誰よりもうまくソナーを使いこなしマグロを追いかける。
その技術の高さに驚かされた。
またベテランが居並ぶ船団の中へ割って入る度胸のよさも持ち合わせていた。
このときも180kgの巨大マグロを釣り上げ100万円を稼ぎ出した。
そんな熱血漢も家に帰れば優しい顔に変わる。
愛する2人の娘たち。
そして恋女房の加代子さんとの笑顔にあふれた温かい生活があった。
誰もがうらやむ幸せな男。
我々は今年再び細間家を訪ねた。
8年ぶりに会った細間はかなり痩せまるで別人のようだった。
中学2年生に。
小学3年生になっていた。
大間のマグロ一本釣り漁は日の出とともに始まる。
船が次々と港を出ていくなか…。
細間の船は港に繋がれたまま出港する気配がない。
自宅を訪ねてみると。
細間は朝ごはんの準備をしていた。
子供たちのために食事を作り布団を片づけるなど家事をこなしている。
朝食のあとは愛華さんを歩くにはちょっと遠い中学校まで車で送る。
急いで戻ると。
今度は心寧ちゃんを小学校へ。
これを毎朝続けている。
しかし細間はその時間漁に出られない。
そのあとも家を1時間かけて掃除すると次は洗濯と家事に追われる。
気がつけばすでに10時近くになっていた。
ようやく港へと向かう。
他の漁師から遅れること5時間。
細間の船が港を出て行った。
30分後漁場に着いたが細間は8年前のように船団の中に入ろうとしない。
かつて自慢だったソナーも電源すら入っていない。
大間のスレたマグロには時代遅れの旧式のソナーは役に立たないという。
ではどうやってマグロを見つけるのか?船の真下しか映らない魚群探知機と自分の目だけを頼りにマグロを探す。
スタートで出遅れている分少ないチャンスをものにしなければならない。
アタリがきた。
細間は今年小型のマグロを10本しか揚げていない。
収入は合わせて20万円ほど。
午後3時すぎ細間は早々に漁を切り上げ港へと戻る。
夕方には学校へ子どもたちを迎えに行かなくてはならないのだ。
この日の夕食はすき焼き。
しかしお肉は鶏。
え?親子3人の食事にも慣れた。
翌日車で出かけた細間。
そのあとについていくと。
それは1年半ほど前細間が海に出ていたときのことだった。
看護師をしていた妻の加代子さんが…。
そのまま帰らぬ人となった。
あまりにも突然の別れだった。
学校が休みの日には…。
娘と一緒に過ごす時間が今の細間にはかけがえのないものとなっている。
マグロ漁と子育てを両立させようと頑張ってきた細間だが漁の時間は半減し釣果もあがらない。
短い時間で効率よくマグロを釣るにはどうすればいいのか?少ないチャンスを確実にものにする。
そのために細間はあえて大物狙いをやめた。
今度こそ絶対に釣り上げる。
小さくてもいい確実に稼ぎになる漁をする。
タモですくえる12kgのマグロ。
マグロ漁師なら大物を狙いたいと誰もが思うのだが…。
家に帰って夕食の準備。
料理を作るのもずいぶんと手慣れてきた。
この日のメニューはずいぶん豪華だ。
実は週に一度親戚が集まって食事をともにしている。
親戚が帰って一人になった細間がポツリポツリと話を始めた。
ハハハハッ。
ほんとにハハ。
突然逝ってしまった最愛の妻。
今の細間さんを支えている…。
そんな父の姿を長女の愛華さんはどう見ているのか?いやまあ…。
細間さん。
はい?この冷蔵庫に貼ってあるこれいつもらったやつですか?「いつもおいしいご飯を作ってくれてありがとう。
パパが作ってくれるものは全部おいしいよ。
これからも1人で悩むことがあったら心寧に相談してね。
これからも楽しく生活していこうね心寧より」。
漁に出る前に細間が必ずすることがある。
亡き妻に手を合わせ豊漁を祈る。
11月の大間の海にはマグロの群れが押し寄せていた。
この日も細間は船団から離れ1人漁を始めた。
このあと今までとは違う手応えが…大物か!?細間にアタリが来た!テグスから伝わる手応えがこれまでとは違う。
これは大物の予感。
電気効いたぞ。
ついに海面に姿を見せたマグロを細間は見事ひと突きでしとめた。
細間にとっては久しぶりの大物だ。
晴れやかな気持で港に戻るのはいつ以来だろう?今年の細間の最高記録。
亡き妻が釣らせてくれた一本だったのかもしれない。
うん喜んでると思うよ。
うん。
天国から見てる…。
頑張るだけだよ。
頑張ってマグロ獲るだけだよ。
奥さんのためにも…。
子どものために獲らにゃ。
2014/12/28(日) 18:30〜21:48
テレビ大阪1
洋上の激闘!!巨大マグロ戦争2014〜史上最大のライバル対決〜[字]
マグロに命を賭けた漁師たちのライバル対決に密着!重量300kgを超える超巨大マグロとの激闘は圧巻。思わず新年会の予約をしたくなるマグロの名店と料理人たちの神業も!
詳細情報
番組内容
マグロに命を賭けた漁師たちのライバル対決に密着!マグロの聖地・大間では、鉄人の呼び声高いベテラン漁師・山崎に、最新鋭の船を駆使し次々とマグロを釣り上げるライバル・菊池三兄弟が挑戦!嵐の津軽海峡で、果たしてどちらが巨大なマグロを釣り上げるのか!?そして重量300kgを超える超巨大マグロと漁師たちとの戦いや如何に!ほかにもおなじみ安くて美味いマグロ料理の名店も続々ご紹介!
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