所さんの世界のビックリ村!〜こんなトコロにナゼ?〜 2014.12.27


世界には日本人が知らない驚きの村が実在する。
秘境や辺境周囲とは隔絶された不便な場所にいったいなぜ村ができたのか?そして彼らはなぜそこに住み続けているのか?その謎に迫るべく高さ30m。
密林にそびえ立つ凍てつく大地でさあ始まりました「所さんの世界のビックリ村」。
今回は3時間にわたってたっぷりとお届けします。
なんかにわかに信じがたい映像なんですけど。
ねえ何でしょう?泣くほど太るの?泣きながら食べてましたね。
おかしいでしょ。
今回も世界各地の驚きの村に突撃取材を敢行しました。
思いもよらない暮らしぶりとあえてそこに住み続ける理由に迫ってまいりたいと思います。
それではまいりましょう。
世界のビックリ村まずはこちらです。
失礼なんじゃないですか鳥の巣って言っちゃうのが。
鳥の巣に見えるようなところっていう意味でしょ?これ。
そうですねたぶんおそらくそうだと思うんですが。
だってホントの鳥の巣に住んでヒナの格好をして親を待ってたら…。
そんな…そんなのおかしいでしょ。
ないでしょそんな映像は。
でももしあるとしたら見てみたいですよね。
見たいですよ。
信じがたいですけどね。
さあ果たして密林にそびえ立つ鳥の巣村とはどんな村なのでしょうか?最初のビックリ村は…。
鳥の巣村があるのは首都ジャカルタから東におよそ3,700km。
世界で2番目に大きな島ニューギニア島。
6時間の移動の末…。
翌朝ようやくパプア州の州都ジャヤプラに到着。
更に飛行機を乗り継ぐ。
飛び立ってすぐに見えてきたのは地図に記されることがなかった空白地帯。
緑の魔境と呼ばれ恐れられてきたジャングル。
人々を拒んできた密林へと足を踏み入れる。
日本を発って2日目。
パプア州の州都ジャヤプラに到着。
更に飛行機を乗り継ぐ。
飛び立ってすぐに見えてきたのは広大なジャングル。
地図に記されることがなかった空白地帯。
緑の魔境と呼ばれ恐れられてきた。
そのジャングルの真ん中にあるのがデカイという町だ。
ここで現地案内人ヨナさんと合流。
広大なジャングルの最も奥にあるというビックリ村。
もちろん食料など調達できる場所はない。
ここで1週間分のじゃあ行きましょうか。
そんな秘境の地にある村を町の人は知っているのか?鳥の巣村っていう場所に行くんですけどご存じですか?更に…。
現地の人さえ怖がり近づこうとしない鳥の巣村とは?その村はいったいどんな場所にあるのか?この日は車で移動。
大雨に見舞われればすぐに氾濫しそうな川。
それらをいくつも越えていく。
出発から2時間。
更に大きな川が出現。
この先は道がない。
あれですか?あのボートで行くんですか?ここから鳥の巣村があるプラザ川の下流まではこの木製ボートで行くしか手段はない。
うっそうとしたジャングルの中を突き進む。
おおきれいな鳥!へえ〜。
その途中まるで行く手を阻むかのような突然のスコール。
すごいビチョビチョ。
そして走り続けること7時間。
1時間ほど進むと船はゆっくりと陸地へ近づきはじめた。
ちっちゃい支流に入りました。
あっここ?ヨナさん。
人口およそ500人のマブ村。
ここはあくまで鳥の巣村への中継地点。
目指す村は更にこのジャングルの奥。
暗闇のジャングルは危険なためこの日は日本出発からいよいよ鳥の巣村がある湿地帯のジャングルは足もとがぬかるんで歩きにくい。
我々が取材を行った乾期ですらこの厳しさ。
ひとたび雨期に入るとこの辺り一帯は水没してしまい取材は不可能となる。
まとわりつく暑さと湿気のなか道なき道を突き進む。
いや…怖いわ。
(所)何の目印もないもんね。
ないですね。
おっおおっ…。
危ない。
あ〜っ!!大丈夫?大丈夫。
やっちまった。
更に幾多の川が進路を妨げる。
鳥の巣村へ通じる道はこの丸太のみ。
オッケー。
1人ダメな人間みたいだな…。
ぬかるみ水たまり湿った植物。
足をとられながら6時間。
さすがに足もともおぼつかなくなる。
いったいどれだけ歩けばたどり着けるのか?重い足を引きずりながら更に1時間。
すると…。
うわっ…高ぇ!何じゃこりゃ。
ひょろりと伸びた木のてっぺんになんと家が。
まさにそれは巨大な鳥の巣。
しかしこんなところにあっ来た。
人が見えた。
ここが鳥の巣村なのか?
(歌声)辺りに歌声を響かせながらゆっくりと人が下りてくる。
いやいやすごいな。
(歌声)町の噂とは違って意外にも鳥の巣のような家に住んでるんですか?そうここが緑の魔境に潜む男についていくと…。
やはりこの家も地上から高いところにある。
こんにちは。
快適ですか?高いところは快適ですか?地上から10mほどの高さに造られたここでも村人たちは寝起きをするという。
村の中には高床式ではない家も。
そこには多くの女たちの姿が。
いったいここは…。
ここはあの鳥の巣を中心に3家族14人が暮らしている彼らはジャングルの中に点在して暮らすその数およそ3,000人。
ほとんどが裸同然の姿で生活しているという。
村人たちは鳥の巣に住む村長をはじめ非常に明るくて人懐っこい。
村にはいつも笑い声が響き渡っている。
我々が聞いた戦いに明け暮れる民族だというそして彼らはなぜここに住んでいるのか?さまざまな疑問を解明すべくこの辺りのジャングルでは最も高い木の上に建つスタッフが上っていく際に見える景色を撮影する。
はしごは木をツルで縛った簡単な作り。
湿気で滑るため裸足で上る。
これでもかなり高い。
高ぇ…怖ぇ。
うわっ怖ぇ。
インドネシアニューギニア島のジャングル。
高さ30mにある鳥の巣の家はビル10階ほどの高さに相当する。
スタッフが上っていく際に見える景色を撮影する。
はしごは木をツルで縛った簡単な作り。
ここで10mほど。
これでもかなり高い。
そして地上から20mほど上ったところで…。
予想以上の高さにわき上がるあげくの果てには…。
一度止まれば恐怖のあまり二度と上れなくなる。
震える足をおさえながら一歩また一歩。
10分ほどかけてようやく…。
上った!高い!高い!壁らしきものはほとんどない。
木がそれほど太くないんですけど大丈夫なんですか?5日?早いね。
少し低いところにあるこのイカダのようなもの。
ここは聞けば耐久年数は2年ほど。
古くなったらまた新たな木に家を造るという。
地上30mの鳥の巣の家に10歳ほどの子供が軽々と上っていく。
それゆえに高さに対する恐怖心がないのだ。
鳥の巣から見えるのは他の村人たちが住む家々。
わざわざはしごを作り高さ10mの場所に築かれた家。
おじゃましてみるとここは今何人で生活してるんですか?天井からぶら下がるのは今まで食べたしかしなぜ鳥の巣とまではいかないまでもこんな高い場所に住んでいるのか?実はこのジャングルにはそれを避けるためわざわざはしごをかけ高いところに家を造っているのだ。
ならば30mと極端に高い鳥の巣は何のために造られたのか?そして彼らは…。
何やら村人全員が出かけるようだ。
歩くこと1時間。
彼らが目をつけたのは大きな葉を携えたこの木。
ヤシ科の植物だ。
男たちがおもむろに斧で切り始める。
樹皮がはがれたところで今度は女たちの出番。
道具を変えできるだけ細かく粉々に。
細かくなった樹木が運ばれるのは巨大な樋のようなもの。
粉々になった木の幹をそこに入れると…。
それは人が踏み入ることのない秘境で生きてきたコロワイ族の知恵。
そこにドロドロのいったいこれは何なのか?そうこれはジャングルで生きる彼らにとって必要不可欠な食糧なのだ。
このサゴヤシ作り以外にも男たちには大切な仕事がある。
ジャングルの奥へ奥へ入っていったかと思うとあたりをうかがい突然…。
コロワイ族は弓矢で狩りを行い食糧を確保している。
矢の形がそれぞれ違って見えるが…。
その矢にはたくさんのかえしが細工されている。
分厚い体に突き刺さるように野豚用の矢は細めにできている。
更に…。
これ人間用なんですか?え〜っこれいまだに使ってるんですか?彼らは他の部族と戦いになったときこの矢を使うこともあるという。
男たちは獲物を求めひとたび森に入るとときには数日間も帰ってこない。
狩りが始まってすでに5時間。
ようやく何か獲物を見つけたようだ。
ゆっくりと近づいていく。
ジャングルでのいちばんの獲物がこの野豚。
3か月ぶりの大物だという。
野豚は彼らにとって貴重な食糧なのだ。
一方女たちにも大事な仕事がある。
子供を背負い向かったのは…。
川。
魚釣りをするのは女たちの役目と決まっている。
虫の幼虫をエサにして次々と小魚を釣り上げる。
男たちの狩りがうまくいかなかったときこの小魚が村の人々の貴重なタンパク源となっているのだ。
ときに大物のナマズを釣り上げることもあるという。
コロワイ族にとってうっそうと生い茂る植物のなかから食べられる野菜を収穫する。
食べるのはこの根っこの部分だけ。
他は捨てずに植え直す。
こうすることでまた数か月後に食べることができる。
ハウを収穫したところで今度はおもむろに木の実はこれは即席の道具。
枝を割った部分に器用に葉っぱを巻きつけ一気に引く。
そう彼女たちの目的はこの午後4時。
村人たち共同の台所で夕食の準備が始まる。
火にかけたのは1日かけて作ったサゴヤシの塊。
こうして焼くだけ。
実に簡単な料理だ。
表面にできた焦げ目が完成の合図。
その焦げた部分を剥いて食べる。
トッピングは森で収穫した赤い果実ブアメラを手で絞ったもの。
それをサゴヤシにたっぷりとかければ出来上がりだ。
ブアメラは油分が多くサゴヤシとよく合うのだという。
いったいどんな味なのか?日本の餅の…味がない餅みたいな。
この村には子供5人を含む男女14人が暮らしている。
村長も他の村からお嫁さんを迎え入れた。
女性陣に聞きたいんですけど…。
やがて日が暮れてくると…。
家族と離れ地上30mにある鳥の巣の家へと帰る村長。
日中他の男たちもやって来るがここで毎日寝泊まりするのは彼だけだ。
すべてが自給自足の鳥の巣村。
もちろん病院などない。
すると村長ある葉っぱを手にした。
これは…。
この密林は彼らにとって食糧であり同時に薬局でもある。
葉っぱはなんと直接頭に撫でつける。
ただこれだけ。
頭が痛いとき体が疲れているときこの葉っぱで撫でると症状がやわらぐという。
スタッフもやってみると…。
大丈夫!?痺れてる痺れてる!実はこの葉っぱの表面には細かいトゲがあるのだ。
このようにコロワイ族の薬となる植物がジャングルには10種類以上あるという。
更に村にはこんなものも。
家族全員じゃ住めないですよねここじゃ。
高床式の家が並ぶなかぽつりと佇む小屋。
そこは女たちに必要不可欠な場所だという。
妊婦の高い場所への上り下りは危険極まりない。
そこで臨月になったら畳2畳ほどのこの小屋へと移り子供が産まれるまでここで過ごすのだ。
こうして種族を守ってきたコロワイ族。
今日も村中に村長の歌声が響き渡る。
はしごを補修しながら彼は歌う。
その争いから逃げるため一時避難所としてこの鳥の巣が作られたという。
しかし最近では争いはめっきり減ったという。
すると村長その家を容赦なく壊していく。
いったいなぜ?実は家の木材はたき火の材料でもある。
鳥の巣には土でできたかまどがありいつでも火がおこせるようになっている。
狩りと食事以外はこの鳥の巣で過ごす村長。
争いが減った今なぜ彼は他の村人と同じ家に住まないのか?翌日。
村長がサゴヤシを葉っぱでくるみどこかへ出かけるようだ。
歩くこと5時間。
すると…。
なんとパンツをはき始めたではないか。
なんで洋服着てるんですか?やってきたのは我々が鳥の巣村を訪れる際に中継地点で宿泊したマブ村。
そのうちの一軒のお宅へ入っていく。
村長の目的はこうしてたまにマブ村に出てきてはジャングルでは決して調達できない塩や釣り針などをサゴヤシと引き換えに手に入れている。
家の住人とはかなり親しげだったが…。
実はこのマブ村危険なジャングル生活からコロワイ族を守るために政府が作った村。
当然村長もいつだってこの村に移り住むことができる。
しかし村長は…。
村長のようにかたくなにジャングルに住み続けるコロワイ族はまだまだ多いのだ。
現在他の村との争いがほとんどなくなったとはいえいつ何が襲ってくるかわからない。
そんな村を襲う危機をいち早く察知するため彼は鳥の巣から村を見張っていたのだ。
それがジャングルに暮らすコロワイ族を守り続けてきた村長の役目なのだから。
村長すごいね!だから地上30mのところに暮らしてたんですね。
すごいとこ行きました。
スタジオには文化人類学者でいらっしゃいます東京工業大学の上田紀行教授にお越しいただきました。
よろしくお願いいたします。
建築技術がすごいですね。
そうですね5日で。
なんの重機もなくて30m…ビル10階のところにあれをどうやって作るのかって話ですね。
木と枝とツルでああやって組み上げるんですもんね。
この高さなんですけどね世界の文化のなかで例えば日本人は日本の文化ってあんまり高さを求めてないでしょ。
伝統的な建物とかって…。
平屋ですよね。
っていうのは日本は大地があんまり嫌いじゃないの。
ここに稲作で神様がいて例えばお相撲さんは土俵入りとかで大地を踏みしめて神様を喜ばせながらそこから稲をいただくってとこがあるので大地って嫌なものじゃないんですよね。
大地は好きなんですね。
好きなんですね。
ところがここここはあそこ行くときにあんなベチャベチャでしょ。
で毒蛇は来ると。
それで戦争をやってた頃は敵がどんどん来ると。
やっぱりこの大地から逃げたいんですよね。
だからここの大地から10mでもあるいは30mでも逃げたいっていうのがあってだから大地が嫌な人たち。
おもしろいよこれ。
さあ続いてのビックリ村にまいりたいと思います。
こちらです!あのね太っちょ村だけでも大げさな表現だと思うんですよ。
その前に悶絶ってなんですか?その前に悶絶!ってなんですかそれ。
全然わかんないんだけど。
ひかれるタイトルですね。
普通に太ってらっしゃる方ではなくて悶絶して太ってるみたいなんですよどうやら。
嫌でも太りたいの?なんなのこれ?だとしたらすごい不思議な村ですよね。
果たしてどんな村なのでしょうか?悶絶!太っちょ村です!悶絶!太っちょ村があるのは…。
日本から飛行機を乗り継ぎおよそ18時間。
やってきたのはボレ国際空港。
ここで現地ガイドと合流。
気温が27℃。
エチオピアの首都アディス・アベバ。
年間平均気温は16℃と比較的涼しい。
あそこも!ローマ東京とオリンピック2連覇を達成した裸足の英雄アベベの出身国としても知られるエチオピア。
これまで世界屈指のアスリートを数多く輩出してきた陸上王国でもある。
この国にある太っちょ村とはどんなところにあるのか?その村はケニアとの国境に広がるオモ谷の奥地オモ川下流域にあるという。
総移動距離は悪路を含めなんと…。
気の遠くなるような長い道のりだ。
このサバンナの先にあるという太っちょ村。
そこで我々が見たものは…。
歩くのも苦しそうな太っちょ。
そしてその村は太っちょだらけ。
更にツンドラ地帯では…。
極寒の凍てつく大地でうわぁ〜!ちょっと待って待って待って待って!数々の謎に迫る!この国にある太っちょ村とはどんなところにあるのか?日本を発って2日目。
その村はケニアとの国境に広がるオモ谷の奥地オモ川下流域にあるという。
総移動距離は悪路を含め…。
気の遠くなるような長い道のりだ。
1時間も走れば目の前はアフリカ特有の雄大な景色が広がる。
ひたすら走り続けること3時間。
日が暮れはじめるとすぐにガイドが最寄の街で車を止めた。
さすが野生の王国アフリカ。
夜間の移動は危険ということで今日はこの街で1泊。
翌日も早朝からサバンナの大地をひた走る。
このまま行けば目指す村に早く辿りつけそうだ。
とはいかないのがアフリカだ。
放牧された牛が車道を塞ぐことが日常茶飯事のエチオピア。
強引に追い越すことはできないのだ。
これがこの国のルール。
長い牛渋滞を抜けるのにおよそ30分。
今度は牛ではなく…。
人がわらわらと集まるソドという街にさしかかった。
若者たちが群がる卓球台。
休憩がてらちょっと覗いてみる。
ハロー!エチオピアでは近年…。
ちなみにこの卓球台は…。
卓球台を増やせば長時間待たずに済むのでは?実は以前この街には多くの青空卓球場があった。
ところが…。
いったいなぜ?現在この街にある卓球台はわずか2台。
政府から禁止されている状況にも関わらず並んででもやりたがるそのわけは?卓球に熱狂する街ソドを抜け…。
走り続けると…。
次の街が見えてきた。
アルバミンチだ。
この先に大きな街がないため今日はここで宿泊することに。
太っちょ村までの道のりは想像以上に遠い。
日の出と同時に移動開始。
日本を出てすでに4日目。
海くらいあるんじゃないのこれ?アルバミンチを出てすぐに見えてくるまるで海のように大きなチャモ湖。
こうした野生の動物が多くなるにつれ…。
道は徐々に悪くなっていく。
だが目指す太っちょ村がある場所はこの広大なオモ谷の更に奥地にあるオモ川下流域。
いったい到着はいつになるのか?いよいよオモ川下流域へ山を下っていく。
長年開発の波に飲み込まれることがなかったアフリカ…。
すると突然。
人を恐れる習性のシマウマがこうして車道から確認できるのはとても珍しい。
そうこれが秘境と言われるゆえん。
動物のみならずあたりに住むさまざまな少数民族が道にふらりと現れる。
彼女たちは…。
ここで太っちょ村の存在について聞いてみる。
首都アディス・アベバから一気に標高が下がるこの地域。
38℃。
照りつける太陽のなか更に進むとまたしても…。
木陰で涼んでいるのだろうか。
女が3人。
我々の目を釘付けにしたのは彼女たちの…。
彼女たちは…。
その皿が大きければ大きいほど美しいとされている。
そのため大きな皿が当たらないようわざわざ下の前歯2本も抜いてしまう。
ムルシ族の彼女たちにすら異様に映る太っちょ村とはいったいどんな場所なのか?更に先に進むにつれ道はより細く険しくなっていく。
しかし集落はおろか人影すらまったく見当たらない。
すると…。
お腹がぽっこりとせりでたこの男。
確かに太っちょだ。
すごいお腹ですね。
村を案内してくれるというので後についていく。
彼の名は…。
ところが数メートル歩いたところで…。
急に足を止めてしまった。
苦しそうだなやっぱ。
歩いてると。
ついにはその場にへたりこんでしまった。
車道からおよそ300m入ったところ。
どうやらここが彼の住む村のようだ。
そこで我々が目にしたのは…。
なんとも異様な姿の村人たち。
まるで妊婦のように皆お腹だけがぽっこりと膨れているではないか。
この太っちょたちいったい何なんだ?実は彼らはボディとよばれる民族。
羽織っているのはロムゴンとよばれる布一枚。
いわば彼らのふだん着だ。
雨が降らないかぎり昼夜を問わず一日のほとんどをこうして外で過ごすことが多い。
そのうちこうしたぽっこりお腹の…。
彼らは皆働き盛りのこんな体型では働くことはおろか動くのも大変な気がするが。
更にジャラコロさんの母からは思いもよらぬ言葉が。
村にはもちろん…。
近くの川までは往復1時間。
灼熱の土地ゆえ村人はここまで毎日水浴びに歩いてやってくる。
同時にこの川は彼らの生活用水や飲み水。
家族の分を村まで持って帰るだけでも重労働なのに…。
日に何度もタンクいっぱいに詰めた水を頭にのせて運んでいく。
水汲みは主に女や子供たちの仕事だ。
こうして汲んできた貴重な水は真っ先に太っちょたちのもとへ。
彼らは川へ行かずに村人が汲んできた水を惜しげもなく使い水浴びをする。
いったいなぜなのか?村には学校がないため6歳頃から男の子は放牧の仕事を任される。
一方太っちょたちは…。
木陰で涼みながら見送りまったく動こうとしない。
放牧で歩く距離は1日およそ20キロ。
かなりの重労働にも文句ひとつ言わず働くのはこの村ならではの理由がある。
太っちょがひとり何やら険しい表情で座り込んでいる。
それを見た男がすぐさま道具を手に村を出ていく。
このモモックとよばれる木は何に使うのか?モモックは皮をはいでから水に溶いてこせば飲み薬になる。
この村では太っちょには欠かせない薬のひとつだ。
先ほど険しい表情を浮かべていた男。
実は朝から腹の調子が悪いと訴えていた。
そうまでして太りたがる彼らの食生活とは?村のすぐそばで栽培しているのはモロコシという穀物。
乾かしてるのかな?収穫したモロコシは…。
昼過ぎになると男たちが慣れた手つきで火を熾し始めた。
この火を使い女たちが調理をする。
材料はあのモロコシ。
ゴロとよばれる石の道具で細かくすり潰していく。
古くから変わらない原始的な調理法だ。
近くに学校などはない。
この村の女の子たちは物心がつく頃からすべての家事を手伝い始める。
こうして細かくすり潰しお湯でじっくり煮込むと粘り気が出てもっちりとしてくる。
モロコシのお粥のできあがりだ。
これはボディ族の主食として人々のエネルギー源となってきた。
村人も大好物のお粥。
太っちょたちはさぞや大量に食べるのかと思ったら…。
太っちょたちはお粥を食べてはいけないという。
その一言を合図に子供たちが準備に取りかかる。
始めたのは牛の乳搾り。
ジャラコロさんの前に器いっぱいの搾りたての牛乳が用意された。
それをまるでかきこむように飲み干していく。
さすが太っちょいい飲みっぷり。
といきたいが…。
ハァハァハァ…。
どう見てもかなり苦しそうだ。
そう太っちょたちは1日中木陰で体を動かさず村人たちが働いているのを尻目に牛乳を飲み続ける。
ひたすら飲み続ける。
まだまだ飲み続ける。
しかしこの牛乳だけでは栄養が偏ってしまうのではないだろうか?すると子供たちが再び牛の周りに集まってきた。
手にはなぜか弓矢。
その狙う先は…。
流れる血を器に入った牛乳と混ぜていく。
血をとり終えたあとの傷跡は…。
太っちょは勢いよくそれを飲む。
ただ無言で一気にたいらげる。
太っちょたちは毎日朝と夕方の2回こうして牛の血を飲まなければならない。
食事が禁止されている太っちょたちはこうして牛乳だけでは摂れない栄養を補っているのだ。
彼らにとって太ることは苦しさとの戦いでもある。
そう彼らの暦で明日は正月。
まさに1年に一度しか開かれない大切な祭りだ。
祭りの始まりは200年以上前。
そのため体の大きさと動きを競う祭りが始まったと言われている。
優勝すればその年の最も神聖な男として認められる。
更に英雄として一生涯称えられる。
だからこそ…。
村全体の大きな期待を背負った太っちょたち。
それに応えるために牛乳と血をたらふく飲み彼らは太り続ける必要があったのだ。
ここバラメリ村のエースはやはり彼。
ジャラコロさん。
三度目の挑戦となる今年7ヵ月かけて体を作り上げてきた。
祭りを明日に控え村の中央には太っちょ祭りに参加する7人の男たちが集結。
絶対に負けられない。
自分たちのためにそして村のために。
ボディ族の男なら誰もが手にしたい英雄の称号。
1年に一度の晴れ舞台。
ついにその日がやってきた。
(ラッパ)ラッパ音をきっかけにあちこちの村から続々とやってくる太っちょ。
バラメリ村の太っちょたちもやってきたようだ。
しかしエース…。
仲間から遅れること10分。
ようやく期待の星が姿を現した。
だが…。
すでにフラフラ大丈夫か?23の村から続々とやってくる太っちょ。
バラメリ村の太っちょたちもやってきたようだ。
しかしエース仲間から遅れること10分。
ようやく期待の星が姿を現した。
だが…。
すでにフラフラ今にも倒れそうだ。
徹夜で牛乳を飲み続けたジャラコロさん。
苦しい表情を悟られまいとサングラス着用で参戦だ。
少し歩いてはすぐに…。
ハァハァハァ…。
(咳き込む声)村から会場まではおよそ10km。
これまで7ヵ月ほぼ動かない生活を送ってきた彼にとって移動だけでも命がけだ。
ハァハァハァ…。
(ラッパの音)刻一刻と迫ってくる開始時刻。
村人が煽り始める。
どんなに体を仕上げてきても時間に間に合わなければ失格。
これまでの苦労がすべて水の泡となってしまう。
英雄の称号を手にするために作り上げてきたこの太鼓腹。
戦わずして負けるわけにはいかない!続々と集まるその仕上がり具合を目にジャラコロさんはほくそ笑む。
勝利を確信したまさにそのときだった。
極太の男が!こっちもフラフラ。
最大のライバルになりうる太っちょの登場に一瞬ひるむ…。
しかし勝負はまだまだわからない。
ジャラコロさんも待機場所にようやく到着。
ここで参加者は伝統衣装の確認をする。
背には頭には開始を待つ。
そこにあのライバルが滑り込みでやってきた。
相手の大きく張り出したお腹を目の当たりにジャラコロさんたまらず…。
パンパンの腹に最後の一撃。
意地と意地のぶつかり合い。
最後の牛乳が効いたのかジャラコロさん会場に入ってくるなり…。
そして太っちょ祭りはここからが本番。
ジャラコロさんも必死に踊る。
牛乳で膨れ上がった腹を揺らしがむしゃらに踊る。
その様子を食い入るように見つめる女たち。
年に一度の太っちょ祭りは男女のもちろん子供たちにとっても太っちょは憧れの存在。
総勢50人が名乗りをあげた今年の太っちょ祭りだが…。
広場の片隅には祭りの様子を見守る男たちの姿が。
何やら話し合っている様子だが。
村の長老たちがそして祭りは敵を圧倒する大きなお腹と力強さ。
50人の太っちょのなかから残ったのはやはりこの2人。
英雄の称号を手にするのは果たして…。
最後の測定が行われる。
その結果…。
牛の血と牛乳しか飲めないという今年も生まれた新たな英雄。
その誕生を祝し祭りは明け方まで延々と続く。
アフリカの秘境で育まれてきた彼らはこれからもこの場所でその大切な伝統を守り続けていく。
ほのぼのとしてますねホントに。
でも本人は必死ですよね。
太るためにあれだけ必死になる光景ってあんまりないですもんね。
7人くらいが何もしないでこの日のために7か月くらい太る。
支えるんですね。
みんなが支えて。
神聖な牛の血とあと牛乳だけでこれだけ大きくするっていう…。
10歳前後の方が言ってましたもんね。
これをやってやがて太っちょになるんだって。
夢なんですねヒーローなんですね。
あんな途中で行き倒れになりそうな人を見てああなりたいって言うんですよ。
やっぱり体が大きいっていうのが男にとっては重要で。
例えば昔の日本の相撲取りだってホントにお相撲をとるのは年に何番。
だけどものすごく大きい体でそれをみんなやっぱり横綱として見たい。
だから今でも国技館とか行くとおばちゃんたちが相撲取りに触ってねなんかご利益があるんじゃないか。
だからホントに守るかどうかよりもこれだけ大きくて立派に育った。
それでこの人たちはたぶん次の年には痩せるんですよね。
そうですね4年に1回ですからね。
だから痩せて今度は次の太っちょを育成する側にまわるということで。
では続いてのビックリ村にまいりましょうこちらです。
トナカイがたまたま群れでいたトコロをこれはもうトナカイ村にしようって決めたんだよきっと。
いやいやあったんですよ地の果てにですよ。
ホント?はい。
ちなみに以前こちらの番組でも氷点下71.2℃ロシアの世界一寒い村オイミャコン村。
特集しましたよね。
ありましたね。
おととしの12月我々はそこは何もかも凍りつく氷点下の世界。
世界で一番寒い定住地がこの村。
最寒の地。
その記録を出したマイナス71.2℃と記されておる。
世界一寒い村。
その生活を覗いてみると…。
どうもナイストゥミートユー。
意外にも暖かくぬくもりのある暮らしぶりだった。
あのときには電気もガスもありましたけれども今回はございません。
(笑い声)えっ?ってことは何?焚き火くらいで暮らしてるの?毎日!?マイナス数十度の世界でですよ。
わかった!村人はみんなトナカイの中に入ってんだ。
着ぐるみみたいに。
うんそれでトナカイ村なの。
ではご覧いただきましょう。
極寒地の果てトナカイ村があるのは…。
この日首都モスクワの目指す村はどれほど寒くどれほど遠いのか?村の情報を求めて聞き込みを開始する。
地の果てに村があるって聞いて来たんですけどご存じですか?地の果ての村があるって聞いたんですけどご存じですか?ヤマル半島?ヤマル。
飛行機に乗り込みモスクワから到着。
一歩外に出ると…。
あれ?ちょっとこれ…。
(咳き込む声)これモスクワの比じゃないですねこれ。
しゃべってるうちからね下がってく下がってく。
やばい!下がってく。
温度計を持つ手の震えが止まらない。
自分の顔の産毛がねチリチリいってる。
チリチリチリチリっていって固まってくのがわかります。
気温は下がり続けなんと氷点下40℃に達していた。
実はここ北緯66度33分の北極圏。
サレハルドは北極圏にある都市。
人口はおよそ4万7,000人。
そしてヤマル半島はここから北へ700kmにわたって伸びている。
これ何よこれ!普通の車では行けないトコロだ。
3.5トンの重量を支える6つのタイヤは航空機用のものを使用。
それほどの耐久性と衝撃吸収能力が欠かせないのだ。
かっこいい!かっこいいけど…。
こんなんでしか行けないトコロなの?そうです。
我々ヤマル半島にいるじゃないですか。
ヤマルって地の果てって意味なの?そうですね。
全長6mを超える巨大車両。
緊急時には一夜を明かすシェルターの役目も果たしてくれる。
準備を整え出発。
車は一路地の果てトナカイ村を目指す。
舗装道路を1時間ほど走ると車は突然スピードを落とした。
ここ行くの?はい。
ワーオ。
雪の上。
もうほとんど道がないここは。
ここはツンドラの上。
一年中溶けることのない永久凍土が広がる大地。
その深さは数百メートルに及ぶこともあるという。
ツンドラの雪原を体感したい。
サンルーフから顔を出すと…。
すげぇ。
地平線がねゆったりと丸く感じます。
ハハハ!この特殊車両でなくては進めないツンドラの大地。
気づけば日はすでに沈みかけていた。
今2時。
2時ですか?でこの暗さ?え〜っ!朝明るくなるの10時ぐらいですよね?これ厳しいな。
12月の日照時間はわずか4時間。
それが北極圏なのだ。
前方に灯りが。
なんか灯りが見えてるんですけど村の灯りです。
へえ〜っ!ようやく到着か?違う?たやすくはたどり着けないトナカイ村。
それが地の果てといわれるゆえんだ。
目指す村は…ネネツ族の村はまだ先なんですけどもう日没と寒さで今日はここで…1泊します。
無理をするわけにはいかない。
ここは北極圏なのだ。
翌朝日が昇る前に出発。
サレハルドを出て丸一日。
まだ見ぬネネツ族の村は本当に…。
それでもとにかく前へと進むしかない。
とここで…。
西村さん。
はい。
ポルイ川を渡っているという。
川を渡ったんだ今ね。
なるほど。
これ川?これが全部川?川です。
ポルイ川です。
ポルイ川?ヤマル半島を横切るポルイ川。
この川が凍りついたというのか?重量3.5トンもの特殊車両が難なく川を渡ったとは信じがたい。
雪の下は…。
あっ本当だ!川だ。
凍ってる。
本当だ。
初めて見た。
すごい!は〜っ!こんな極寒の大地で暮らすネネツ族とはいったいどんな人々なのか?林の中へと入っていく車。
いよいよトナカイ村に近づいたようだ。
ここから先は徒歩で向かう。
確かにこの先に誰かがいることは事実なんだけど。
すると…。
西村さん。
はい。
あれだよ。
どれだよ?左見てください。
左?そうです。
いやいやいやいやいやいや。
あっ本当だ。
目指す村は北極圏にあった。
西村さん。
はい。
あれだよ。
どれだよ?左見てください。
左?そうです。
いやいやいやいやいやいや。
あっ本当だ。
ここが地の果てトナカイ村なのか?え〜っ!煙が出ているということは家の中に誰かいるに違いない。
しかし入り口がどこかわからない。
とそのとき。
あれ。
あれトナカイいるんじゃないですか?あれトナカイじゃない?奥に…。
ほらほら来た来た!これがおぉ〜すごい!来た!何これ。
そして人の姿も。
確かにツノを生やしたネネツ族の方?あぁよかった。
よかった!会えたよかったよかった。
よかったよかった。
彼らこそここがネネツ族の家はチュムと呼ばれる円すい形の造り。
失礼します。
おぉ〜!メッチャ暖かい!はぁ〜。
チュムはおよそ50本の柱で支えられている。
その真ん中には薪ストーブ。
中は意外と暖かい。
そしてここが寝床だという。
ここに何人で住んでらっしゃる…。
こちらがご主人。
お嬢ちゃん。
エウェリーナちゃん。
奥さんの弟も同居している。
隣のチュムには…。
奥さんの兄弟と両親が住んでいた。
複数あるチュムは彼らはこの極寒の地で…。
北極圏に位置するトナカイ村の朝。
1日のなかでも最も寒さ厳しい時間。
時に気温は氷点下50℃に達することもあるという。
外に出ると前髪が一瞬で凍りつく。
なんと自分の吐いた息が髪に吹きかかって凍ったのだ。
男たちが仕事へ。
これで行くんですか?スノーモービルで。
こっち?これ?こっちに乗るの!?こっちに乗りますよ。
あぁそう…そういうことね。
どうやって乗るの?これ。
そのまま。
あっなるほど。
そのまま横に。
こう乗って…。
ワンちゃんも一緒に行くの?ワンちゃん一緒に行きます。
一緒に行くの?あなた。
あぁそう。
あなた一緒に行くの。
おぉ〜!彼らが向かうのはトナカイを放牧している場所。
ネネツ族は世界最北の遊牧民なのだ。
いた。
すごい!いた。
厳寒いた。
すごい!いた。
とロープを取り出した男たち。
おぉ〜!すごい!トナカイに首輪をつけソリに繋ぐと…。
あっできたトナカイのソリだ。
すげぇ。
トナカイの放牧。
最初に取りかかるのは夜の間に乗ってきた左右二手に分かれて追っていく。
彼らは古くからこのソリを操りトナカイを追ってきた。
だが群れからはぐれるものも…。
はぐれたトナカイを群れへと戻す。
ちゃんと追い込んだ。
すごい!次にトナカイの放牧で最も重要な餌場へと連れて行く。
ここが餌場だというがただの雪原にしか見えない。
しかしよく見るとトナカイは何かを食べている。
それはいったい何なのか?あれ何食べてるんですか?というなりいきなり雪を掘りだした。
トナカイが食べているのはこの苔だという。
トナカイはこの少ない食糧を食べ尽くしてしまわないのか?だってなくなっちゃうじゃん食べたら。
いろんな放牧の遊牧民の人たちがいるからこれ取り合いになりませんか?そうなんですかどこまでがワルガーなんですか?これ全部?見えないあたりまで全部?具体的に何キロくらい?700キロくらいある夏は。
夏もこれを食べるんですか?逆に冬はこれしかないんですね。
だからここらへんのまわりで冬はいるわけなんだ。
冬はこのあたりにいる彼らだが春になると移動を始め遥か700キロ先まで遊牧するという。
こうして暮らすネネツ族の数は3,500人ほど。
彼らが1年かけて移動する範囲はワルガーと呼ばれ各集落ごとにテリトリーが決められている。
いわばヤマル半島全体が彼らの村なのだ。
ネネツ族はもともとシベリア南部で暮らしていた民族だという。
そこから長い歳月をかけて移動。
この地にたどり着いたという。
以来今日に至るまで世界最北の遊牧民は変わることなく伝統の暮らしを守り続けているのだ。
男たちが家路につく。
このチュムでのネネツ族の暮らしとはどんなものなのか?男たちが外から戻ると冷えた体をあたためるべく女は薪をくべていく。
そして夕食の支度。
大きな鍋に入れたのは…。
雪深い冬場は水に困ることはない。
続いて外から持ってきたのは…。
トナカイだ。
トナカイの足の部分である。
チュムの外にはたくさんのソリが。
そのひとつが冬場は寒気が天然の冷凍庫にしてくれる。
中にはトナカイの肉の他パンなどが。
こちらのソリには衣類や寝具が入っているという。
気になるものを見つけた。
いっぱい。
トナカイのツノが山積みにされてる。
聞いたことある。
日本でもシカのツノは精力剤になるって聞いたことある。
シカ科で唯一オスメスともにツノを持つトナカイ。
これで4万円相当の価値があるという。
身にまとう毛皮ももちろんトナカイ。
丈夫であたたかくしかも美しい。
ブーツもまたトナカイ。
このコートは2か月かけて手作りしたという。
トナカイの毛皮を何度も何度も丁寧になめし…。
今夜の夕食メインは味つけは塩だけ。
家族全員で食卓を囲むのがネネツ族のならい。
これは斧で砕いた生の肉。
トナカイの肉はべつにこれ煮込んだりするんじゃなくそのままホントに食べるんですか。
ちょっと食べてみよう。
初トナカイなんですけど。
まず塩で。
肉の脂が口の中で溶け出す。
おいしい!うんおいしいね!決して食べあきることのない家族全員の大好物だという。
いいですか。
ああこれ味つけすごい!これおいしい!メチャおいしい。
いわゆるジビエというか野性味の味は全然ないです。
これはうまい!こうして衣食住のすべてをトナカイに頼りながらネネツ族はこの極寒の地で生きてきたのだ。
翌朝。
奥さんの最初の仕事が雪おろし。
え〜っ!?なるほど!俺てっきりこうスースーだと思ったんだけど。
それにしても気になるのがこのチュム。
なぜこのような簡素な作りにしているのか。
そういうことか。
は〜っ!短時間で解体組み立てができるというチュム。
基本となるのは3本の松の木の柱。
それを重ねて一端を縛る。
そしてバランスよく地面に立てると…。
ああなるほど。
ツンドラに吹き荒れる雪にも耐える家。
そういうことか。
これで立てかけてくんだ。
こうやって。
北極圏で生きる知恵。
ところで西村が気になっていたあのトナカイは…。
来た何これ!?首輪してるけどなにアーフカって?なるほどかわいい。
あの子たちはどこで寝るの?このようにペットとして飼うことで幼いうちからトナカイとの暮らしに馴染ませるのだ。
元気よく外で遊ぶエウェリーナちゃん。
これほどの極寒の地でそれでも心配なのは子供のこと。
実はあと2人いる子供たちは街の学校で寄宿生活を送っている。
その上の11歳の女の子…。
日本人の僕らからしてみると非常に厳しい生活のように思うんです。
このヤマルという地の果ての生活がね。
だけどこれからもやっぱりトナカイと一緒に暮らしていかれる理由というのをもしよかったら教えてほしいんですけど。
世界最北の遊牧民ネネツ族。
彼らはこれからもこの地の果てで生きていく。
これ素敵だわ。
極寒ですけどむしろ豊かに見えましたね。
これは相当豊かですよね。
トナカイを3,000頭飼育していて夏は700キロの移動でしょ。
なんで700キロも移動するかっていうのもそこで牧草を食べさせるんだけど根まで食べさせちゃうと次の年に使えないでしょ。
そうすると自分たちの首をしめるので…。
ある程度で移動しなきゃいけないと。
ある程度のとこだけで資源を収奪しないであと自分の欲望も大きくしないで大きくしちゃうと一代かぎりで何千頭滅ぼしちゃうかもしれないからだからそれを少しずつ少しずつやりながら暮らしてるってとてつもない質実剛健な。
所さんはたぶん心理的には共通するものがあるんじゃないですか。
だって正解でしたもん。
トナカイ着てましたもんね。
所さんちょっとあれ着てそうですもん。
欲しいもんお母さんの着てたやつ。
ちょっとモンゴル系が入ってるようなトナカイと…。
いいデザインしてましたよ。
あとトナカイがあれだけ雪を鼻でこうやってるじゃない。
ホントに。
だから?違う違う!そう思っただけですよ。
次も驚かれると思います。
もうないでしょ。
もう限界でしょこれ。
あります。
続いてのビックリ村はこちらです。
そういうあれでしょ。
ことわざ的なことでしょ。
ツノ隠しとかに言われるようなツノではないんです。
茶の間だって隣見るとツノ生えてるじゃないですか。
皆さん奥さんが。
所さん見えるんですか?本人は感じてないけどツノ女の人皆さん出してますもん。
でもそういうツノではないんですよ。
ホントに生えちゃってる。
女がツノを生やす村があるのは中国南西部に位置する貴州省。
人口およそ450万人の大都市貴陽をあとに女がツノを生やす村があるという山岳地帯へ向かうのはそそり立ついくつもの岩山。
これは貴州省は中国有数のカルスト地帯なのだ。
目指す村の途中で中国一の大自然が見られるという。
すごいね!圧倒的なスケールを誇るこの一帯が水が豊富なことを物語る。
この滝外から眺めるだけでなく裏側にも入ることができる。
わぁ〜!ここで目指す村について聞いてみる。
知ってるんだ!ちょっと待って!あれ?ちょっと待って待って…。
行く手に悪路が立ちふさがる。
うっ!行けちゃうんだ。
こんな山深い場所に本当に村があるというのか?
(クラクション)断崖絶壁の狭い道を進んでいくと車窓に段々畑が。
小さい子が…。
標高およそ1,800m。
急斜面にへばりつくようにその村はあった。
車で行けるのはここまで。
この先は山道を下って村へと入る。
そこは中国の山岳地帯で見られる風景とさほど変わりはない。
この急で狭い悪路これが村の主要道路。
村へと入ってきたがツノを生やした女の姿は見当たらない。
すると…。
ちょっと待って!あれ?ちょっと待って待って…。
え?え〜!なんで?ちょっと見せて…。
うわっすごいこれずっとつけてんの?頭につけているのは…。
それはまさに…。
あっ!それも1人だけではなかった。
ニーハオ!ニーハオ!ここは確かに…。
彼女たちは中国を中心に山岳地帯で生きる少数民族ミャオ族の一つ…。
このミャオ族は実はね日本人の中にも血が流れてるんじゃないかって言われてるんですよ。
だから相当昔にベトナムのほうから海を渡って沖縄のほうに入ってきている。
だからなんとなく我々からも親近感が持てる感じがしますよね。
ここは彼ら長角ミャオ族の集落の一つ…。
それにしても気になるのはこのツノの意味。
いったい何を表しているのか?長角ミャオ族の…。
ツノをつけた村人は…。
彼女たちの暮らしにも牛が大きく関係しているのだろうか?ああお母さん?おばあちゃん?旦那さんのお母さん。
この家に暮らしている王開珍さんは息子夫婦とその3人の子供夫の7人家族。
今はそれぞれの意思に任されているという。
一見普通の家に見えるが…。
長角ミャオ族は屋根にまで…。
こちらも牛のツノ。
まるで牛のツノに守られているかのようだ。
あっ!電気ついてる。
各家庭に電気はきている。
失礼します。
一角には土で作られたかまどが。
この村にガスはない。
石炭を使ったかまどが暖房と調理の2つの役割を果たしている。
すごい!屋根裏に行ってみると…。
うわっ!何これ!?トウモロコシのベッドや!風通しのよい屋根裏部屋では夏に収穫したトウモロコシを保管。
そのまま乾燥させる彼らの生活の知恵なのだ。
しかしいると思ったすると…。
(鳴き声)王さんのご主人が牛とともに戻ってきた。
お父さん。
古くからこの地で農業を営んできた長角ミャオ族。
カルスト地形ゆえに岩が多く畑はその隙間の狭く急な土地にしか作れない。
更に道幅が狭いため耕運機も入れない。
そのため牛に鋤をつけて耕しているのだ。
だからこそどこの家でも住居の隣には必ず牛小屋があり牛と行動を共にしている。
牛に支えられ長角ミャオ族の人々。
スカートの絵柄には…。
1本の太く青い線は川。
白い線の両側に木を表す細かい線があるのが山。
四角が集まる模様が村だという。
遥かな昔彼らの先祖は民族間の争いから逃れるために…。
幾多の山を越え川を渡りこの深い山あいに身を潜めた。
そして12の村を作ったのだという。
文字を持たない長角ミャオ族にとって重要な意味を持つ民族衣装の絵柄や刺繍。
その独自の文化は険しい山々が自然の障壁となり守られてきた。
この華やかな民族衣装は彼女たちの誇り。
見て。
やりたいの?へぇ〜。
見よう見まねで針を持つ娘。
だが母親は危ないからと止めはしない。
女の子が学校へ上がるよりも先に母から学ぶのが刺繍。
母から娘へと代々受け継がれているのだ。
食事の時間。
主食は…。
続いてかまどで炙るのは…。
おかずは唐辛子をふんだんに使うジャガイモ料理が多いという。
夕食は必ず家族揃って食卓を囲む。
これが彼らの定番の家庭料理。
辛そうだね。
いただきます。
うん。
うん!あっでもトウモロコシの味するね。
それにしても女が頭につけている長いツノは子守りや家事をするのに邪魔ではないのだろうか?夜寝るときにはどうするのか?…と頭に手をやると。
へぇ〜。
おぉ〜。
これ開けるの?はぁ。
寝るときには嫁入り道具の衣装箱の奥に大切にしまうツノ。
またこのツノは女が亡くなったとき棺に一緒に入れるのが慣わしだという。
彼女たちが言うその日の夜ある儀式が行われた。
何だこれ?なになに?牛と村人たちのあとをついていくと…。
〜おぉ〜!
(花火の音)牛を信仰する長角ミャオ族。
村である儀式が行われた。
なんだこれ!?なになに?牛と村人たちのあとをついていくと…。
何なんだこの人たちは。
(花火の音)お〜!お祭りかと思ったらお通夜なんだ。
翌日死者を葬る山の上へと向かう村人たち。
そこに引き出されたのは牛。
死者の家族に飼われていた牛だという。
だがなぜ葬儀に牛が必要なのか?牛はあの世への道ずれ。
この世と変わらず牛とともにより豊かな暮らしが送れるようにという願いが込められている。
更に村人たちは死者に捧げた牛の肉を分け合って食べる。
それは死者の記憶を我が身に刻み込むためだ。
牛は単に家畜として大切なだけではない。
守り神でもあるのだ。
だからこそ女たちがつけるツノは重要な意味を持つ。
更に…。
おっなんか持ってきた。
なんだそれ?わぁすごい!何でしょうか?これは。
網のような。
これも女たちに代々受け継がれているものだという。
すごいこれ!すごいじゃんこれが髪の毛だったら。
なんとこれ…。
10キロ以上あんじゃないの?祖母や母自分の髪を紡いで作る。
これは先祖を敬い先祖との繋がりを大切にするという気持の表れだ。
翌日…。
ニーハオ!これが最高のおしゃれだというのか?えっ?どうなってんの?これ。
はい?大きな頭をした女たちのこの誇らしげな表情。
それにしてもいったいあの長い髪を牛のツノに引っかけて巻きつける。
そしてヒモで結わえて固定。
いわば巨大なカツラである。
そうこれこそが彼女たちの最高のおしゃれなのだ。
ではいったいどんなときに彼女たちはこの大きな頭にするのだろうか?それは祭りや結婚式など祝い事のあるとき。
これが長角ミャオ族の女たちの晴れ姿。
刺繍やこの頭でおしゃれをするのが女たちの楽しみのひとつでもあるのだ。
牛への信仰から生まれたこのおしゃれ。
それを受け継ぐことが先祖を尊ぶことにも繋がっている。
牛と暮らし独自の文化を守る村。
彼らは伝統を誇りとし今もここに住み続けている。
今回も人が住むということについていろいろと勉強してまいりました。
ますますおもしろくなってきてる感じがしますね。
今回おもしろいですもんね。
毎回毎回おもしろくなりますよね。
今回はすごくドラマがありましたよね。
我々はねこの文化で便利で毎日楽しいんですけどああいうところもまぁずっといられないけど1日2日はちょっと体験したいですね。
村の数だけ人のストーリーもあるということで次回も楽しみにしたいと思います。
それではまたお会いしましょう。
改めて。
2014/12/27(土) 18:00〜20:54
テレビ大阪1
所さんの世界のビックリ村!〜こんなトコロにナゼ?〜[字]

ビックリ納め!驚きの3時間SP▽インドネシア…高さ30M!密林にそびえ立つ鳥の巣村▽ロシア北極圏…極寒!トナカイ村▽アフリカ…悶絶!太っちょ村▽女が角を生やす村!?

詳細情報
番組内容
世界には、日本の概念・価値観では考えられない所に住む人々がいる。一体、なぜそんなところに住むのか?そして人々はなぜ、それぞれ自分たちの居住区をそこに定めるのか?世界各国の「ビックリ村」に住む人々の生活やその歴史を取材して深く掘り下げていく、家族みんなで楽しめる情報ドキュメンタリーの第7弾!
出演者
【司会】
 所ジョージ
 大橋未歩(テレビ東京アナウンサー)
【解説】
 上田紀行(東京工業大学教授)
【ロケレポーター】
 西村和彦
 吉澤ひとみ
ビックリ村
▽「密林にそびえ立つ鳥の巣村」
▽「ロシア…極寒トナカイ村」
▽「アフリカに出現!悶絶…太っちょ村」
▽「中国…仰天!女が角を生やす村」
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