DNAからみた日本人のルーツ
テーマ:ブログ1991年に、アルプスのイタリア・オーストリア国境の海抜3210
メートルのエッツイ谷で、ミイラ状の凍死体が発見された。発見した
のは、ある登山家夫婦で、
遺体はなんと、放射性炭素法による年代測定で判明した結果、
5300年前の人間だった。
紀元前3300年から3200年の人間が、なんらかの原因で氷
に閉じこめられて眠っていたのだった。
持ち物や花粉や、肩に刺さった矢尻の素材から判断して、春に長
旅をしている途中に、同族の人間に後ろから矢をいかけられ、肩の
傷が元で出血死したらしい。
地元のマスコミがエッツイと呼んだこのアイスマン(=氷河人)は、
草を詰めた毛皮の靴をはき、皮の服を着て、木と板でできたリュックを
背負い、作りかけの弓矢や火打ち石と、カイロのようなものまで
持っていた。
アイスマンの場合は、普通のミイラと違って、1細胞中に数千コピー
存在するミトコンドリアDNAは増幅可能だった。ーーーミトコンドリア
DNAの16000番から16500番程度までの塩基配列が、PCR法で
増幅・検出できたのだ!!
アイスマンのミトコンドリアDNAの塩基配列が特定できたので、
各地域の住民のミトコンドリアDNAの同じ領域と比較して、アイスマン
の人種の推定を試みたら、アルプス地方では72人中1人の
ミトコンドリアDNAがアイスマンと同じ型だった。
つまり、アイスマンは北部ヨーロッパ人に近い人だと分かったのだ。
ミトコンドリアDNAは、同一地方の同一民族内でも多数の型が存在
するのでどの地方がアイスマンの型と何塩基が異なるかと平均値を
探したところ、最も差が小さいのは、アイスマンが発見されたアルプス
地方のエッツタール渓谷の住民だったのだ。
人間を含む生物で、有性生殖で子孫を残すものは、
2組の線状染色体を持つ。
この2つの染色体(二倍体 diploid)は、両親の生殖細胞(精子と卵子)
の結合でできる。ハプロタイプとは、この染色体の片方の親から受け
継いだDNAの組み合わせを表す。
このアイスマンを、DNA検査によって得られたハプロタイプに分けて
みると"K"というグループに属する。
人間の男性に存在するY染色体は、必ず男性の親から受け継いで
いくので、Y染色体を追っていけば父系調査が可能になる。
ーーー染色体以外にも、細胞内小器官であるミトコンドリアは、
独自にDNA(=mtDNA )を持つ。こちらは必ず女性の親から受け継が
れるので、母系調査の決め手となる。
ハプロタイプの違いを元に人間を集団に分けた場合、類似のハプロ
タイプを持つ集団をハプログループ(Haplogroup)という遺伝的集団と
定義できる。それでどこの地域にどんなハプログループが存在して
いるかを調べると、人間の移動の歴史を調べることができる。
アイスマンのミトコンドリアを調べると、「母から子へのみ遺伝する
遺伝子」によって、母系の子孫に限るが、アイスマンと同じ血を引く
子孫が欧州各国に相当数生存していることが分かった。
地元アルプスに止まらず、ドイツ・フランス・イギリス等、西・中央ヨー
ロッパ各国に、同じ遺伝子を受け継ぐ子孫が多く生存しているそうだ。
アイスマンの子孫は、どうも、かつてケルト民族が分布していた地域
に多いようだ。
今は、フランス語・英語・高地ドイツ語をそれぞれ話しているが、
アルプス人種の大半は、ある時期ケルト語化していたらしい。
タイプKは、アルプス南斜面地帯以外にも、アドリア海周辺や、
中欧、北欧にも広がっている。
そんなふうに、日本人のミトコンドリアDNAからルーツを調べていくと、
日本人の先祖は、北京原人でもジャワ原人でもホモエレクトゥスや
ネアンデルタール人でもなくて、10万~20万年前にアフリカで生ま
れた二人の男と女だ。
最初の人類がいたエデンの園は、アフリカだったということがDNAを調
べることによって分かった。ーーー人類、みな兄弟というのは本当
なのだ。
ある何百人かのグループがアフリカを出発し、6万~7万年の間に
世界中に広がったのがわたしたちなのだ。あるグループはヨーロッパ
に向ってヨーロッパ人になり、他のグループがオーストラリアに
向かってアボリジニーになったのだそうだ。
人類が、アフリカからアメリカ大陸の南東部にたどりついたのは、
ほんの1万2000年前のことなのだ。
日本人の中でも16種類ほどのハプログループがあって、一番多い
のはD。
しかも、Dの中でも、D4・D5が4割を占めている。
このハプログループは中央アジアから東アジアに大勢いるグループ
で、朝鮮半島やチュウゴク北東部にも3割、4割ほどを占めている。
ーーー日本人の中で2番目に多いのは、ハプログループBで、
4万年前にチュウゴク南部から来たグループ。
お酒に弱い人は、ALDH2という遺伝子の変異型を持っており、極東
アジアにしかこの変異型はいないそうだ。しかも、チュウゴク南部から
離れるほど、お酒に弱い人は少なくなる。だから、日本人でお酒に
弱い人は、もしかしたらチュウゴク南部から来たグループかもしれない。
日本人の中には、N9aというハプログループがいる。東南アジアや
漢民族に多いグループだそうだ。
このグループは、ヒマラヤ山脈を越えて東アジアに来たらしい。ただし、
これは母親から受け継いだタイプで、父親は全然違うグループに属し
ていても不思議ではない。
日本人のハプログループのほとんどが、日本だけでなく東アジアに
大勢いるので、日本人のルーツとは、東アジアのルーツと同じという
ことになる。
DNAで人間を分類すると、白人・黒人・黄色人種という見かけとは
関係なくたった4つのグループに分けられ、その内、3つがすべて
アフリカ人で占められるそうだ。
つまりアフリカ人の持っている遺伝子の歴史は長いということ。
白人・黒人・黄色人種は、全部残りの1タイプの中に入ってしまう。
だから、アフリカ人が死ぬということは、人類の遺伝的多様性が消える
ということなのだそうだ。
日本人は、南アジアからフィリピン・台湾あたりを経て日本に入った
グループや、トルコあたりからヒマラヤ山脈を越えて、北海道の北から
日本に入ったグループと、朝鮮半島から入ったグループなどの
ミックスで、言語学的にみると日本語は、トルコあたりの言語が
木の幹で、東南アジアの言語が葉っぱのようになった言葉。
チュウゴク語は英語に近い文法で、日本語とは全然違う。
多少の違いはあっても、日本人と東アジアと東南アジアの人は
遠い親戚みたいなものだ。もっと長い目で見れば、アジア人どころか
人類はみなひとつの家族なのだ。
第二次世界大戦が終わってアジア各国は、西洋人の支配から独立
できたのだから、できればアジア人どおしは、戦争をしないで円満に
していたいものだ。
国とは、ひとつの共通言語と価値観とを共有するグループだとすれ
ば、日本は日本語を共通語として民主主義でまとまった国なので、
先祖が朝鮮半島から来ようが、シベリアから北海道を通って来ようが、
東南アジアから来ようが、今はあまり関係ない。
朝鮮半島に偉そうにされる理由もないし、日本人が朝鮮半島に偉そう
にする理由もない。今は別の国なのだから。
台湾人も、南のフィリピンから来た人種で、ごく最近、チュウゴクの
福建省から来たグループもいる。人種的に近い人々が台湾に増えた
からといって、戦後62年間、ひとつの国家としての機能を
全て持つ台湾が、民主主義を捨てて隣の共産主義独裁の国に併合され
るべきだとする道理もない。
チュウゴクが第二次世界大戦後に、ひとつの言語、ひとつの宗教で
まとまったチベットを侵略して、チュウゴクに取り込んでしまったのは
残念な出来事だ。
アジアは、ヨーロッパのように、お互いに似たような言語でもないし、
宗教もバラバラ。民主主義の国もあれば、独裁者の国もあって、
主義、主張も違うので、どこかの国がリーダーシップをとって他国を
支配するのは、お互いに悲劇だ。
チュウゴク人は、どちらかといえば第二次世界大戦の前までは、
白人の手下となってアジアの経済を支配しており、戦争の時は常に
白人の味方になって、独立を望むアジア人を助ける日本軍とは
敵対関係にあった。
戦争が終わって、アジアの国々が独立国家として歩みだしている
今は、先に豊かになった国が経済的に遅れている国を助けるのは
当然だと思う。日本はチュウゴクを経済的に助け、チュウゴクは日本
のおかげで利益を得たはずなのに、チュウゴクは、誰もが日本を
憎むようになる戦争記念館を多数作り、残虐な蝋人形を展示して、
ありもしない「南京大虐殺30万人説」を国民に吹き込んでいる。
日本軍は民間人を虐殺していない。朝鮮半島の一般人を拉致して
売春婦にもしていない。自主的か、親に売られた女性が売春婦として
働いた事実があるだけであり、第一、当時の売春は合法だった。
今は、人類はみなアフリカ起源だという事実を重くみて、アフリカ人を
紛争や飢餓や疾病から守り、みんながひとつの家族だという気持で、
地球の環境を整えることが大切だ。
チュウゴクやアメリカやインドは、無駄に地球を汚している。
チュウゴクは、スーダンではスーダン政府に顔が利くという立場にある
のだから、ダルフールのアフリカ系スーダン人の虐殺を止めさせるよう
に働くべきである。
資源を売ってくれる国の政府には優しく対応するが、関係ない民衆の
苦難には見向きもしないというのはどういうことか。チュウゴク国内で、
自国の国民を大事にしないクセが、外国に出ても現れているのでは
ないか。
それでは、チュウゴクは世界の超大国となったと、自覚しているくせに
まったくそれ相当の役割を果たしていないということである。
スーダン政府の悪行を野放しにしてタダ見ていることは、非常に
無責任であり、残酷な行為である。
日本も、チュウゴクより先に経済を近代化させた先輩国として、先に
味わった公害問題など、チュウゴクに警告する立場にあるのに、
チュウゴクに何も言わないのは、逆に不親切だ。
チュウゴクが地球環境を壊すと、日本も無傷ではいられない。すでに
屋久島の杉は、チュウゴクから来た酸性雨で弱っているし、海は
チュウゴクから流れて来たゴミと汚染物質で汚されて、サンゴも魚も
減っている。
ことなかれ主義で、チュウゴクや韓国にうるさく言われると、歴史的
事実かどうか確かめもしないで適当に謝ったり、チュウゴクの言いなり
になって、戦後ロシア軍に、まるごとリストごと渡したはずの
化学兵器の掘り出し資金など、日本国民の税金を気軽に出さないで、
口を出すべきだ。
もっと大きな目で世界を見て、人口問題や温暖化の問題や
食料問題、資源問題、疾病の問題を考えないと、いずれ地球は
汚れきって自浄作用が効かなくなる。
自然と人間以外の生き物たちと、共存できる世界に変えていかないと、
みんなが同時に滅亡しかねない。
ようは、自然界のバランスが崩れないようにしながら、人間も生き物も
住みやすい星にしていく。
タダでさえ多いチュウゴク人は、増え過ぎに注意してもらう。
魚の獲り過ぎ、石炭の燃やし過ぎも困る。増え過ぎた鯨やカンガルー
や鹿は、適当に間引きする必要もあるだろう。
各国のトップが、まじめに地球のバランスの崩れを直さないで、誰が
直せるのだろう。水資源や食料や資源の取り合いを始めると戦争に
なるので、おとなしい日本人も真剣にならざるを得ない。
日本は、十分他国に狙われる恐れがある島国だ。
なんといっても日本は水がおいしいし、魚も十分獲れるし、近隣の
国々よりは緑豊かで住みやすい国だから。温暖化で海の水が増えて
沈まないように、堤防も作る必要が出てくるかもしれないが、
今のところ、白い砂浜は健在だ。
このすばらしい国に生まれたことに感謝しつつ、日本人は、地球を
救うために、アメリカやチュウゴクやインドにうるさく口を出さねばなら
ないだろう。
参考資料:~~~~~~~~~~~~~~~
アイスマンのハプロタイプ
http://megurigami.jugem.cc/?eid=462
アイスマンの子孫
http://proxy2.bbsnews.jp/2ch/geo/1003792835/
THE BIG ISSUE JAPAN 86号
「出アフリカ記」篠田謙一氏の記事(国立科学博物館)
「日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造」
NHKブックス 篠田謙一著 960円