「渡る世間は鬼ばかり」復活で遺産相続問題勃発!宇津井健さん演じた大吉急死の設定で
TBS系の人気ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」が2年ぶりに復活することが13日、分かった。2時間スペシャルとして今春2週連続で放送される。岡倉大吉役の宇津井健さん(享年82)が昨年3月に亡くなったため、劇中でも大吉が急死した設定で物語がスタート。25年の歴史で初めて大吉が不在となり、遺産相続をめぐって5人姉妹の意見が衝突。小料理店「おかくら」の売却案も持ち上がる。
2年ぶりの渡鬼は、25年で初めて大吉が不在で物語が展開する。大吉が心筋梗塞で急死した後、1億円の遺産をめぐる問題がテーマとなる。
大吉役は、90年の放送開始から演じた藤岡琢也さん(享年76)が06年に亡くなり、宇津井さんが2代目に就任。昨年3月に宇津井さんが死去した際、石井ふく子プロデューサー(88)は「大吉はドラマの芯。20年以上続いた家族の中に入るには宇津井さんも相当な覚悟を持っておられた。ほかの人に頼むのは難しい」と話していた。その後、脚本家の橋田壽賀子さん(89)とも相談した上で3代目は立てないことを決めた。
一家の大黒柱の大吉と5人の娘を中心に、日常生活でありがちな問題を取り上げ、視聴者の共感を得てきた渡鬼。90年の放送開始から連ドラ、スペシャル含め全505話が放送され、平均視聴率20・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録する国民的ホームドラマとなった。
今回は相続に関しても税理士、弁護士の意見を取り入れ、今月1日から施行された新税制にも対応し、リアリティーを追求する。橋田さんによる脚本はセリフが多いことで知られるが、今回は「おかくら」を売却した場合の見積もりや遺産の内訳も詳細に説明する。1シーンが20分以上に及ぶこともあるが、長女・弥生役の長山藍子(73)ら女優陣は数字の交じった長ゼリフに苦労しながらも渡鬼ファンの期待に応える熱演を見せる。
一貫して「家族」にこだわってドラマ作りをしてきた石井さんは「相続はメールや電話でやり取りする話題じゃない。面と向かって話すと意外な本音に気付かされる。いかに家族が大事か分かってほしい」と作品への思いを語る。遺産相続はどこの家庭でも起こりうる問題。このドラマは家族が語り合うきっかけ作りになりそうだ。