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老後のお金クライシス! 深田晶恵

年収800万円でも実際使えるお金は600万円!
あなたは自分の「手取り年収」を知っている?

深田晶恵
【第8回】 2015年1月14日
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「手取り収入」は13年間で約9%も減っている!

 まずは、下のグラフを見ていただきたい。

※40歳以上で専業主婦の妻と15歳以下の子どもが2人いる会社員の例。健康保険は協会けんぽ加入として試算

 これは、「額面年収800万円、専業主婦の妻と15歳以下の子ども2人」の会社員について、2002年からの手取り年収の推移を表したものだ。手取り年収とは、勤務先が支払う額面の給料から所得税・住民税と社会保険料を差し引いた金額のことである。

 手取り年収は一部の年を除き下がり続けているので、グラフは見事に「右肩下がり」となっている。例に挙げた年収800万円のケースだと、2002年に662万円あった手取り額が、今年は603万円になる。13年間で約9%、金額では59万円も「使えるお金」が減っているのだ。

 読者のみなさんは「なぜ2002年からの13年間の推移なのだろう」と疑問に思うかもしれない。きっかけは、2003年にボーナスからも毎月の給料と同じ料率で社会保険料が引かれるようになったこと。40代以上の人なら、ボーナスの手取り額がグンと減ることになったのを覚えている人も多いだろう。筆者はこの改正が実施されたとき「手取り収入はこれからも下がり続けるかも」と思い、それから毎年、年収・属性ごとに手取り額を計算し、推移を見ることを続けている。

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深田晶恵 

ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年北海道生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である「生活設計塾クルー」のメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じて「買い手寄り」のマネー情報を発信している。18年間で受けた相談は3500件以上。日本経済新聞、日経WOMAN、ダイヤモンド・オンライン等でマネーコラムを連載中。
主な著書に『30代で知っておきたいお金の習慣』『投資で失敗したくないと思ったらまず、読む本』(共にダイヤモンド社)、『共働き夫婦のための「お金の教科書」』『図解 老後のお金安心読本』(共に講談社)、『50代から始めるお金改革 定年後破産しないために今やるべき3つのこと』(すばる舎)他多数。


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「年金崩壊」「定年後破産」などの恐ろしい言葉が飛び交う少子高齢化の現代ニッポン。老後の生活を支えるお金について熟知しておくことは、もはや誰にとっても待ったなしだ。30代でも早すぎない、40代なら今まさに備えを始めたい、老後資金のあれこれを人気FPがわかりやすく指南する。

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