多様なラーメン店が軒を連ねる東京だからこそ、ふと味わいたくなる老舗の味。
おととい紹介した大手町ガード下の「大手町ラーメン」は2007年オープンと比較的若い部類&白濁した豚骨ラーメンが売りなんですが、それならこちらも忘れちゃいけませんぜということで、今回は有楽町駅ガード下の飲み屋街に店を構えて半世紀、1967年(昭和42年)創業の老舗「谷ラーメン」を紹介いたします。
0.目次&関連記事
1.東京国際フォーラム徒歩0分、有楽町駅ガード下の老舗「谷ラーメン」
旧東京都庁舎の跡地に建設された東京国際フォーラム。
その国際フォーラムそばの丸三横丁入口付近にあるのが「谷ラーメン」。
都庁の至近に店を構えたことも功を奏し、初の東京オリンピックを終え高度経済成長期真っ只中に生まれた「谷ラーメン」は有楽町で大変繁盛したそうです。
昔を再現したとかじゃなく昔からこれ、個人的にそそりまくりな佇まい。
もうちょっと近寄って外観を撮りたかったのですが、店先に所狭しと置かれた荷物が通路をより一層細くしており、ものすごいどアップ撮影になってしまったのでこの写真にてご了承ください。
なお、写真中央の黒猫が撮影中におれの前を何度も横切りましたので、もしかしたらこの記事が最終更新になるかもしれませんがその時もご了承ください。
2.「谷ラーメン」のメニュー一覧
ラーメン・チャーハン・ギョーザの三拍子勢揃い
店頭設置の券売機で食券を購入します。
なんてたって東京の一等地に店を構えているということもあるんでしょう、セットメニューなどは決して安いとは言いがたいですが、それでもラーメン1杯630円なのはありがたいですね。ワカメラーメンがレギュラーなのもナイス。
ちなみにおれが本格的にラーメンの食べ歩きを開始した1995年は1杯500円とワンコイン価格、今回紹介する半チャーハンセットは900円でした。
券売機そばに貼られたメニューは多言語対応。
先月発売の「ミシュランガイド東京 2015」でラーメンが和食として取り上げられたことも少なからず物語っていますが、今や日本のラーメンは日本ならではの1杯と言えますからね、国内はもとより外国人観光客にとっても需要が高まりつつあるのかもしれません。
チャーハンと餃子はテイクアウトOK。
土日祝日休みのため、テイクアウトは界隈で働く方々が中心と思われます。
3.外観に負けず劣らずシブすぎる昭和な空間
できるなら、プランクトンを一気に吸い込み糧とするクジラのように、この空気感をおかずにメシをかっ喰らいたい
ついつい「ただいまー」と言ってしまいたくなる雰囲気。
入店前に買った食券は、暖簾をくぐるとほぼ同時のタイミングでカウンター上に置くよう指示されるのでそれに従ってから着席します。
引き戸をはじめ全体的に年季入りまくり。
ハンガーにかけられたコートを見ると自分のもかけたくなるし、何なら奥の小上がりで横になったりくつろぎたくなるもんね。
定番の調味料類と灰皿。全面喫煙可。
カウンター5席、4名掛けテーブル2卓、2名掛けテーブル1卓と奥に座敷を用意。
どこに座ってもいいですが、チャーハンを作る際のコンロに鉄鍋を打ちつけるガコンガコンとすぐ上を走る電車のガタンゴトンの共演とやらは意識的に耳から体内にチャージしておきたいところ。
4.「谷ラーメン」のラーメン&半チャーハンセット
ダシの材料、豚骨だけ。静かで優しい味わいは、旨味過多なラーメンが氾濫する今だとかえって新鮮に映るんじゃないだろうか
言葉はいらない、少なくともおれにはいらない、そんなビジュアル。
トッピングはチャーシュー、メンマ、海苔、刻みネギと至ってシンプル。
豚骨スープは白濁系がすべてじゃない。スッキリとした醤油味。
豚骨だけでとったダシに合わせるのは創業時から継ぎ足してきた醤油ダレ。
スープが優しい分、固めに茹でた中太縮れ麺が相対的に強い余韻を残す。
強面ながらも優しそうなご主人の人柄を反映しているかのような仕上がり。
脂身が少ないチャーシュー、今にも溶けそうでなかなか溶けない海苔。
直感的にこれは合うと思い投入した黒胡椒。相性バッチリ。
化学調味料の気配を漂わせつつも、そういえば昔のラーメンってこんな感じだったよなーと。ただただ懐かしい、でも、懐かしいからこそいいって思える時があるってもんですよね。
グリーンピース入りの香ばしいチャーハン。噛み締めて覚えたアブラ分をラーメンスープや水で洗い流してみるのもいい
ラーメンだけだと物足りない方向けの半チャーハン。
ラーメンのレンゲでいただき、そのレンゲでスープを飲む。そんなグッド。
バランスよく食べ進めまして…
ご覧のとおり完食です!
食べ切った後の水が無性においしく感じられるタイプのセットメニューですね。
“往年の1杯”なる感想を抱く方多数と言えますが、先代店主が「谷ラーメン」を始める以前にも別の仕事で儲け商売人としての才覚に恵まれていたことから、創業当時はベンチャーのような立ち回りだったともとれなくありません。
2015年の有楽町駅ガード下。50年後は電車自体がなくなっているかもなぁ。
「谷ラーメン」は街のラーメン屋さんとして定着しましたが、果たして現在のベンチャービジネスが50年後にはどうなっているのか、スタンダードとして定着しているか別の何かに変容しているかなくなっているか……そんなこととか想像しつつ口にしてみるのも乙かもしれませんね。
- 出版社/メーカー: 東京拉麺
- メディア: 食品&飲料
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5.店舗情報
店名 | 谷ラーメン |
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住所 | 東京都千代田区丸の内3-6-8(地図) |
電話番号 | 03-3231-5332 |
営業時間 | 11:00~14:00、17:00~20:00 |
定休日 | 土曜日・日曜日・祝日 |
最寄駅 | 有楽町駅 |