UPDATE 1-市場は乱高下しているが、日本はいい流れにある=甘利経済再生相
(内容を追加しました)
[東京 9日 ロイター] - 甘利明経済再生担当相は9日、閣議後の会見で、年明け以降の金融市場の動きに関連して、乱高下が続いているが、日本経済は基本的な流れとしていい方向にあると述べた。
甘利経済再生相は市場が大きく動いている要因について「海外要因で振れることがほとんどだ」と指摘。「海外の不安定要因は海外の金融通貨当局が適切に対処すると思う」との見方を示した。
日本については「(経済の)好循環について企業経営者から前向きな発言が続出している。基本的な流れとしてわが国はいい方に向かっている」と述べた。
原油価格が下げ止まらないことについては「原油価格はピーク時の半分以下になった。(国内の)物価の下げ要因になるという点は一部あるが、日本経済にとっては資金の流出が止まり、7兆円くらいのプラスになると思う」との見方を示した。
世界経済への影響については「産油国にとって深刻な経済不安の条件になる。産油国でない途上国にはプラスに貢献する。世界経済にはプラスもマイナスもある」と指摘。「産油国が国の運営に差し障るほど油価が下がると深刻な問題になる。そのラインがどこかということが1つの要点だ」と述べた。
そのうえで、「エネルギー価格は乱高下しないことが大事だ。今のところ産油国の戦略的な思惑もあるようだが、どんどん下がって、反転して際限なく上がっていくということがないよう期待している」との見解を示した。
環太平洋連携協定(TPP)については、「近々日米の次席級レベルの事務折衝が再開される」との見通しを示したうえで、「春先までに(12カ国による)閣僚会合が開ける状況を作ることが大事だ。その前提として日米間の一通りの決着が鍵になる」と語った。
日米間で残された課題については「農産品の一部と米国側の自動車関連の問題」と指摘。「日本側としては相当譲歩してきたという思いがある。米側にかなりの決断をしてもらわなければならない」との考えを示した。
(石田仁志)
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