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=知事選・記者座談会= 自民党本部主導に反発

2015年01月13日 10時29分

投票箱を開け、開票作業をする佐賀市職員=11日、佐賀市諸富町の諸富文化体育館
投票箱を開け、開票作業をする佐賀市職員=11日、佐賀市諸富町の諸富文化体育館

■分裂選挙に冷めた視線も

 無所属の新人4人が争った佐賀県知事選は、元総務省過疎対策室長の山口祥義氏(49)が前武雄市長の樋渡啓祐氏(45)に約4万票差をつけて勝利した。両氏の激戦の中で、草の根で支持拡大を目指した九州大学大学院教授の島谷幸宏氏(59)、農業飯盛良隆氏(44)は伸び悩んだ。12年ぶりに保守分裂となった選挙戦を担当記者が振り返った。

 A ふたを開ければ、知名度ゼロだった山口氏が樋渡氏に約4万票の差をつけて勝利した。

 C 保守分裂となり、国政選挙では敵味方となる人たちが手を取り合う場面も多かった。民主党の大串博志衆院議員と自民県議が横に並び手を振ったり、選挙カーに同乗したり。

 D 「呉越同舟」の山口陣営では、県内最大の政治団体である農政協もフル回転した。市議からも「自分の選挙より必死」という皮肉交じりの冗談が聞こえてきたよ。

 C 自民党県連が推薦を決めきれず、党本部に“丸投げ”したことに対する反発も大きかったね。複数の市議が「『地方の時代』と言いながら、やってることは逆だ」と批判していた。

 B 樋渡氏の対立候補として、地元の国会議員や県議、農政協が当初、擁立を目指した政府のTPP担当者を、党本部や官邸が「地元の意向を無視してつぶした」(県議)やり方への反発も相当強かった。

 A 自民と連立を組む公明党も告示日に樋渡候補に推薦を出した。

 C 公式には「全面支援」だったが、佐賀市や杵島地区など、地域によって温度差があったようだ。実質的な自主投票、との声も漏れ、一枚岩ではなかった。

 A 知名度で圧倒する樋渡氏は、当初のリードを守りきれなかった。「反樋渡」の空気はそんなに強かったのかな。最終盤には週刊誌にも言動をめぐる批判記事が掲載されもしたが。

 B 一概には言えないと思うよ。問題とされていたのは「独善的」とされた政治手法だけど、サービスを受ける県民にとっては関係のない話。実際、反発したのは利害関係者だったと思うよ。

 A それにしても自民党や官邸の力の入れ方は異常だった。

 B 佐賀はオスプレイや玄海原発再稼働問題など政権が進める課題を抱え、自民の推薦候補を落とせなかった。昨年の滋賀県、沖縄県に続き、第3次安倍政権のスタートでつまずくわけにもいかなかった。菅官房長官と谷垣幹事長という、官邸と党のナンバー2に加え、公明党は元代表の太田国交相。考えられないメンバーでてこ入れした。

 A 安倍首相の電話メッセージも物議を醸したね。

 B 党本部もプラスマイナスを考慮し、プラスが大きいと判断したようだ。

 D 電話を受けた人からは、「あれは逆効果」という声も聞いたけど。

 B 今回は、「なんで佐賀の知事選に中央が首を突っ込むのか」という党本部主導への反発が大きかった。党本部がてこ入れすればするほど、反発が強まっている印象だった。

 C 自民関係者は「選挙が終わればノーサイド」と言っているけど、実際は戦後処理に骨を折りそうだ。

 A 他の候補者はどうだった。

 D 反原発、反オスプレイを明言した島谷氏は票を伸ばせなかった。結果的には山口、樋渡の戦いの中で埋没し、得票は全体の1割に満たなかった。「共感を票に変えられなかった」という島谷氏の言葉が陣営を象徴していた。

 E 飯盛氏は独自の戦いだった。スタッフ不足を見かねた人が、ポスターはりを申し出ていた。

 A 保守分裂の激戦の一方で、投票率は54%と戦後最低だった。

 C 投票率の低さは、“年またぎ”となった時期や、3連休の中日だったことも関係したのでは。声をかけても、反応が薄いという恨み節をよく聞いた。

 E 無党派の中には、分裂選挙を「内輪のもめ事」と冷めた目で見る人も多かった。

 A インターネットの活用はどうだった。

 D 4候補者ともフェイスブックやブログなどで政策や街演予定、演説の様子を発信していた。

 B 陣営の動きとは別に、ネット上では特定候補者に対する「落選運動」もすさまじかった。陣営のネット活用にも言えることだが、これらがどれだけ県内の有権者に影響したかを把握するのは難しい。

 A まだまだ手探りが続きそうだ。

=2014-2015 知事選=

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