中島 滋隆(心理カウンセラー)- コラム「睡眠のリテラシー15」 - 専門家プロファイル

中島 滋隆
心身両面から医学と心理学の両面の視点に立ち支援します

中島 滋隆

ナカジマ シゲタカ
( 兵庫県 / 心理カウンセラー )
ナカジマメンタルヘルス研究室 代表
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睡眠のリテラシー15

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2014-12-23 11:57

 皆さんは小学生の頃、何時に寝ていたでしょうか。50年以上も昔、当時の私は夜8時までには寝室に入るよう、親から厳しく言われていました。

 寝室といっても、親が起きている部屋の音は筒抜けです。しぶしぶ寝ようとしているので、隣で何かおいしいものでも食べているのではないかなどが気になって、すぐには寝付けなかったことを覚えています。

  今は医師の子供を持つ父親になっています。子供が小学生の頃、はじめは自分の育てられたように、8時までに寝るように伝えていました。しかし、ほとんどうまくいきませんでした。食事の終わるのが8時近くで、お風呂に入ってから、寝るのは早くて9時という状況でした。テレビが付いていると、それに引きずられて、9時半を過ぎるのも、しばしばでした。

 このままではいけないと思い、今まで以上に強く早寝を主張したところ、子供だけでなく、妻からも苦情が出る始末でした。昔の自分の生活を思い出しながらも、なんとなく釈然としておりませんでした。

 子供の寝る時刻が遅れるのには様々な要因が関わっています。何より、親の生活時間、特に寝る時刻が遅れています。それに伴って、子供も遅寝になりがちです。なかには、わが子を"愛する"があまり、夜遅く帰宅した父親が、寝ようとしている、あるいは既に寝ている子供を起こして遊んでしまうという例もあります。

 子供も塾やその後の宿題などがあり、夜の活動が増えています。一方、昼間は外で遊ぶことが少なくなっています。小さい時に身体をたくさん動かすことは、健康な成長にとって、とても大切です。睡眠という面でも、昼間にしっかり活動すると、寝つきが早くなり、眠りも深くなります。

 寝るのが遅くなったとしても、平日であれば、ほぼ同じ時刻に起きなければなりません。結果として、睡眠時間が削られてしまいます。欧米の子供に比べて、アジアの子供は睡眠時間が短いことが知られています。さらに、アジアの中でも、わが国の子供は睡眠が短いという現状があります。

 各家族にはそれぞれの事情がありますので、一概には語れないかもしれません。ですが、心も身体も成長する大事な時期に睡眠をしっかりとれないのは、栄養の良い食事をとれないこととほぼ同じ意味になります。子供のころに遡ぼって、眠り方を直すことはできません。

 十分な量と質の睡眠をとれるように配慮するのが、親としての一番の愛情と考えてよいのではないでしょうか。

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