中島 滋隆(心理カウンセラー)- コラム「睡眠のリテラシー13」 - 専門家プロファイル

中島 滋隆
心身両面から医学と心理学の両面の視点に立ち支援します

中島 滋隆

ナカジマ シゲタカ
( 兵庫県 / 心理カウンセラー )
ナカジマメンタルヘルス研究室 代表
Q&A回答への評価:
4.4/20件
サービス:0件
Q&A:74件
コラム:101件
写真:20件
お気軽にお問い合わせください
※ご質問・相談はもちろん、見積もりや具体的な仕事依頼まで、お気軽にお問い合わせください。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

睡眠のリテラシー13

- good

2014-12-21 14:31

2011年の3月11日は決して忘れられない日になりました。地震や津波などの被害にあわれた方々は本当に大変でしたでしょうし、今も、これからも様々な困難に立ち向かわざるを得ない状況ではないでしょうか。

 地震の直後、1週間後、1カ月後、半年後と時間の経過に伴って、現地そして各地の状況は変わっています。震災の後、現地には三度しか訪れていないため、ほとんどの情報は報道からしか手に入りませんでした。少しでも明るい情報を聞くと、心が楽になります。しかし、現実には多くの難題があって、それを整理し、解決していくには相当の労力が必要と思われます。

 震災からの地域の再生と創造には道路や交通機関などのインフラを整えなければなりません。一方、再生と創造の主人公となる現地の人々には健康な心身が不可欠です。健康という点から見れば、最も重要なインフラは睡眠と考えられます。いわば、"気力と体力の源"です。

 自然災害が起こると、多くの方が体育館などの避難所で生活しなければなりません。大きな災害の後ではそもそも寝つきが悪くなったり、ぐっすり眠れなくなったりするのが普通です。避難所では他の方の話し声や物音は遮れませんし、寒さや固い床などの物理的な不快さも加わります。このような環境ではさらに眠りは悪くなります。

 しばらくして、仮設住宅に移れると、避難所にあるような睡眠を乱す要因は少なくなります。とはいえ、なじみのない場所、現在の生活や将来に対する不安や心配事、さらに余震などをなくすことはできません。

 避難所であれ仮設住宅であれ、被災者の方々は安眠しにくい状況にあります。結果として、血圧が高くなるなど身体的な問題、怒りっぽさやイライラなど精神的な問題につながりやすくなります。不眠が慢性化すると、自殺という最悪の結末を迎える危険性も出てきます。この悲劇は必ず避けなければなりません。

 睡眠に関わる問題を少なくし、できるだけよい睡眠をとるには、いくつかの心がけが大切になります。一つ目は毎朝ほぼ同じ時刻に起きることです。朝の光は体内時計の調子を良くする第一条件であるからです。二つ目は昼間に外に出ることです。活動的に昼間を過ごすと、夜になって眠りにうまく移れますし、ぐっすり眠れます。

 昼間の過ごし方は単に外出でもよいのですが、例えば地域の復興のための活動などであれば、その意義はもっと高くなります。しかも、その活動によって収入を得ることができれば、なおさら望ましいでしょう。このように、昼間の生活の改善は睡眠、健康、そして収入にも有利になる可能性があります。実際にはそれほど簡単にはいかないかもしれませんが、よい睡眠が再生と創造の基本になるのは確かです。

プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスQ&Aコラム写真