中島 滋隆(心理カウンセラー)- コラム「睡眠のリテラシー8」 - 専門家プロファイル

中島 滋隆
心身両面から医学と心理学の両面の視点に立ち支援します

中島 滋隆

ナカジマ シゲタカ
( 兵庫県 / 心理カウンセラー )
ナカジマメンタルヘルス研究室 代表
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睡眠のリテラシー8

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2014-12-18 13:53

 ぐっすり眠れたら、翌日は頭がすっきりします。さらに、ミスは減り、生産性も高まります。では、人間関係はどのように変わるでしょう。

 生活の多くの場面では、人間関係はしばしばカギとなります。会社であれ、家庭であれ、お互いに言葉を交わしたり、ふれあったりして、いろいろなやりとりを行います。そのなかでは、"顔"がとても重要な意味をもちます。

 ふつうの睡眠をとった時と、徹夜をしたときとの間で、顔写真に示された表情(たとえば、幸福な感じ)をどのくらい正確に読み取れるかを比べた実験があります。結果をみると、徹夜をすると、表情の読み取り能力が全体的に低下していました。

 ただし、面白いことに、「明らかに幸福な表情」や「明らかに無表情」といった、だれがみてもわかるような表情の場合には、睡眠のとり方による差はありませんでした。それに対して、幸せなのか、そうでないのか、よく分からないような微妙な表情の場合、徹夜の後では、うまく読み取れないことが分かりました。

 優れた医師や看護師は短い時間の中で、患者さんの情報をたくさん取り入れることができます。言葉だけでなく、仕草、そして表情の変化に敏感であるからでしょう。私自身も患者さんの相談の時に情報をキャッチしながらカウンセリングしています。

 実際、患者さんは、言葉ではうまく伝えられないことを顔に表すときがよくあります。それをきちんとキャッチできれば、より質の高い診断や治療につながるはずです。医療者にとって、よい睡眠はよい医療につながる条件と言えましょう。

 次に、見方を変えてみます。つまり、睡眠をまともにとらなかったら、どのような顔つきになるかという疑問です。

 ある実験では、同じ人の顔写真が2枚示されます。一方はふつうに睡眠をとった後に撮影し、他方は徹夜をした後に撮影したものです。実験の参加者はそれぞれの顔について、どのくらい健康的か、魅力的か、疲れているかを回答します。

 その結果、実験の参加者は徹夜後の顔を、たしかに、不健康で、不細工で、疲れていると回答しました。詳しい理由は分かりませんが、徹夜による"何か"が顔に表れたために、人相が悪く見えたのでしょう。

 この結果は、お客様商売の方々にとって重要かもしれません。たとえば、睡眠不足のせいで、そもそも頭がよく回らないうえに、魅力的でない顔でお客様に接すると、大切な商談がうまくまとまらないかもしれません。これは会社にとっても損ですし、ご本人にとっても業績評価を下げることになります。

 人間関係を決めるのは、性格、信頼感、頭脳、清潔感など、いくつもの要因があります。ですが、顔の持つパワーは、関係の始めのほうであればあるほど、大きいように思われます。

 きちんと眠ることがKY(顔が読めない)を防ぎ、より美しい顔をつくる。この事実は男女を問わず、もっと知られてよいでしょう。

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