中島 滋隆(心理カウンセラー)- コラム「睡眠のリテラシー3」 - 専門家プロファイル

中島 滋隆
心身両面から医学と心理学の両面の視点に立ち支援します

中島 滋隆

ナカジマ シゲタカ
( 兵庫県 / 心理カウンセラー )
ナカジマメンタルヘルス研究室 代表
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睡眠のリテラシー3

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2014-12-10 14:10

 良い睡眠をとるために忘れてならないのが体内時計です。目覚まし時計がなるから目が覚め、お昼のチャイムを聞いたからおなかが減り、暗くなったから眠りにつくかのように思えます。ですが、何時ごろにどのような活動を行うか、いわば私たちの1日のスケジュール表は、実は脳の中にある時計によってほぼ決められています。睡眠についても、何時ごろに眠くなり、何時から床に入ればぐっすり眠れるかは、見通しがおおよそつきます。

 長い間、体内時計の針は約25時間で一回りすると言われてきました。ところが、最新の研究によると、24時間より少しだけ(プラス11分)長いと分かっています。昔に行われた研究では実験条件のせいで、体内時計がより長い時間かかって一回りする結果になったようです。

 いずれにしても、私たちの体内時計は24時間より長い時間の枠で動いています。その一方、外の世界は24時間ぴったりで刻まれています。したがって、もし外の世界から何も影響を受けなければ、毎日少しずつ遅寝・遅起きになってしまいます。1日に11分ずつ遅れるとすると、1週間で77分にも達します。ふだん月曜日の朝7時に起きる人であれば、次の月曜日には8時を過ぎないと起きられなくなります。

 しかし、現実にはこのような困った状態にはなりません。それは、朝の早いうちに明るい光の働きを受けているからです。明るい光は体内時計の針を調整するうえで、最も強い力をもっています。おもしろいことに、明るい光を何時ごろに受けるかによって、その影響は正反対になるという特徴があります。

 朝の早いうち、より正確には体温が最低となる時刻(通常は午前5時ごろ)の後から数時間以内に明るい光を受けると、体内時計は早まります。その、果,そもそも遅れがちな体内時計と外界の時間とのズレは解消(リセット)されます。これに対して、夜中、特に体温が最低となる時刻より前の数時間以内に明るい光を受けると、体内時計はさらに遅れてしまいます。しかも、夜中には光に敏感になるため、蛍光灯ほどの明るさの光であっても、体内時計は遅れがちになります。

 週末によくみられる夜更かしの朝寝坊は、夜に体内時計を遅らせるとともに、朝に体内時計をリセットする機会も奪います。このまま週明けの月曜日を迎えると、一種の週末ぼけとなり、眠気が強くなったり、体調が悪くなったりします(ブルーマンデー)。最近の研究では、この週末ボケの効果は水曜日まで続くこともあるようなので、これからはブルーウェンズデーと呼んだほうがよいかもしれません。呼び方はどうあれ、週末の睡眠のとり方によって、週明けの生活が快適に過ごせないのは残念です。体内時計という点からみれば、よい眠りの基本は、毎朝一定の時刻にしっかり起きることです。

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