中島 滋隆
ナカジマ シゲタカ絵で見て分かる生活習慣病⑧ 血管が傷むから自覚症状なしでも怖い
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生活習慣病は、基本的に自覚症状がありません。それなのに病気扱いされるのは、心血管疾患(狭心症や心筋梗塞)や脳卒中など、命に関わる発作のリスクが高くなっているからで、なぜリスクが高くなっているかと言えば、血管が傷んでいるからです。
生活習慣病は、基本的に自覚症状がありません。それなのに病気扱いされるのは、心血管疾患(狭心症や心筋梗塞)や脳卒中など、命に関わる発作のリスクが高くなっているからで、なぜリスクが高くなっているかと言えば、血管が傷んでいるからです。
監修/木村健二郎 聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科教授
心臓から送り出された血液が全身を巡ることは人間の生命活動の基本であり、まさに生命線です。その経路である血管が傷むのですから、命に関わるのも当然のことです。
その血管の傷みの中でも特に問題となるのが、動脈硬化です。動脈硬化が起きるメカニズムとしては、図のような3系統が知られています。高血圧だと、動脈硬化のリスクが上がるだけでなく、その後で致命的な発作をひき起こすリスクも上がります。
動脈硬化は悪循環する
私たちの体は、新しい細胞が奥から生み出され、古かったり傷ついたりした細胞は押し出されて剥がれ落ちるという新陳代謝によって健全性を保っています。血管の内皮細胞も同じです。しかし、不摂生したり歳をとったりすると、新しい細胞の産生が追いつかなくなり、そのうちアテロームや石灰化が生じて動脈硬化に至ります。
ひとたび血管が硬くなると、脈拍による刺激で振動が起きやすくなり、さらに血液の流れに「乱流」が生じて、どんどん血管内皮細胞が傷ついて硬化も進むようになります。
動脈硬化自体が、動脈硬化を進展させるという悪循環が起きてしまうのです。