インタビュー:日銀は景気重視を、国債買入増も選択肢=早大教授
[東京 13日 ロイター] - 大胆な金融政策を主張するリフレ派の論客で知られる早稲田大学・政治経済学術院の原田泰教授はロイターの取材に応じ、金融政策は景気をよくするのが主眼で、物価目標はあくまで手段であり、現在のように原油安で物価動向が見えにくい局面では、景気をみて政策判断すればよいと指摘した。
景気の現状は、残業代の減少、世界経済減速の兆しなど微妙な局面であり、必要ならば国債買い入れのさらなる増額に踏み切ればよいとした。
9日に行ったインタビューで、原田教授は2%の物価目標について「あくまで国民にわかりやすい指標として採用しているのではないか」と述べ、金融政策は「日本経済の拡大が政策の目的。日本の国富の流出の有無をみるにはGDPデフレータが指標として適切だが、一般的にわかりにくく消費者物価が採用されているのではないか」との見方を示した。
現状は原油価格の急落が消費者物価指数を押し下げつつあり、日銀が目標とする2015年度中の2%物価目標の達成は、事実上難しいとみられている。この点について「2%目標を(2015年度に)達成できなくても良いのではないか。2%程度の(実質)経済成長が続けられるような政策運営が重要」と指摘した。
景気の現状については「微妙な局面」とし、懸念材料として現金給与総額が季節調整済みの前期比でもマイナスとなった点や、原油安の背景にある世界経済の減速懸念を指摘した。
日銀が追加緩和に踏み切る場合の手段としては、引き続き国債買い入れの増額が適切と指摘した。
一方、国債買い入れの増額について「国民の借金を日銀が減らすことだ。誰も困らず公平である」とした。さらに「金融政策には経済を刺激する効果がある。財政政策の効果は小さいから、金融政策のみ実施して、財政発動をしなければ、金融政策の効果で税収が増大し、結果的に財政再建につながる」と主張した。
金融政策を決定する9人の金融政策決定会合に出席するメンバーのうち、今年中に2人が任期を迎える。安倍晋三首相の周辺では女性でリフレ派の経済学者を探す動きもみられる。原田教授は「米国の代表的な金融論の教科書には、金利政策が効かない場合には量的緩和が有効と書かれている。教科書を理解していることが必要だ」との見解を示した。
(竹本能文 編集:田巻一彦)
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