中島 滋隆
ナカジマ シゲタカコラム一覧
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睡眠のリテラシー9
睡眠に問題があると言えば、これまでは不眠を指すのがほとんどでした。寝つきが悪い、ぐっすり眠った感じがないなど、不眠は今でも深刻な悩みです。近年はそれに加えて、眠っているときの呼吸に関わる問題が注目されています。 普通、睡眠中に呼吸が止まるはずはないと考えます。それは死を意味するからです。しかし、眠っている間に、呼吸が止まっては再開するというのを幾度も繰り返す病気が存在します。呼吸が止まる時間...(続きを読む)
睡眠のリテラシー8
ぐっすり眠れたら、翌日は頭がすっきりします。さらに、ミスは減り、生産性も高まります。では、人間関係はどのように変わるでしょう。 生活の多くの場面では、人間関係はしばしばカギとなります。会社であれ、家庭であれ、お互いに言葉を交わしたり、ふれあったりして、いろいろなやりとりを行います。そのなかでは、"顔"がとても重要な意味をもちます。 ふつうの睡眠をとった時と、徹夜をしたときとの間で、顔写真...(続きを読む)
睡眠のリテラシー7
起きている時に、脳はたくさんの情報を取り入れ、処理し、適切な行動につなげています。もちろん、こうした複雑な動きは、目覚めていても意識されないままに行われています。 明日からの活動をさらに良くするには、今日学んだこと、また昨日までに学んだことをできる限り生かせるよう、準備しなければなりません。脳の中で、このような大事な作業は眠っている間に行われていることが分かってきました。つまり睡眠には、当日...(続きを読む)
睡眠のリテラシー6
これまでは、眠りと言えば夜にとるものという考えがほとんどでした。睡眠の研究も、その傾向がありました。 ところが、近年、昼寝がよく話題に上ります。これは、夜の睡眠がとりにくくなっている現代社会の象徴かもしれません。そればかりではなく、昼寝に関する研究が1990年ごろから盛んになり、その効果や問題点が明らかになってきたことも大きな理由です。 昼寝にはたくさんの良い効果があります。その一番目に...(続きを読む)
睡眠のリテラシー5
病気やけがはいつ起こるか、だれにもわかりません。だからこそ、医師や看護師など病院のスタッフは患者さんが何時に来ても、同じように高いレベルで診療や手術が行えるよう、万全の準備をしています。とてもありがたいことです。 しかし、彼らも生身の人間で、労働者でもあります。一生懸命働けば、疲れて、眠くなるのは当然です。その後、睡眠と休養を充分にとり、疲労が完全に回復してから、また病院に来られるとよいです...(続きを読む)
睡眠のリテラシー4
朝になったら起きて仕事に行き、夜になったら帰って眠る。普通は、このような生活が当たり前です。ところが、そうではない生活を送らざるを得ない方々がいます。夜間に働く人にとって、また、ある日は日勤、別な日は夜勤という交代勤務で働く人にとって、夜に眠るのはときに"夢"となることもあります。 わが国では、夜勤や交代勤務で働く人は、労働者全体の27%にのぼります。この値は10年前と比べて、1.4倍に増え...(続きを読む)
睡眠のリテラシー3
良い睡眠をとるために忘れてならないのが体内時計です。目覚まし時計がなるから目が覚め、お昼のチャイムを聞いたからおなかが減り、暗くなったから眠りにつくかのように思えます。ですが、何時ごろにどのような活動を行うか、いわば私たちの1日のスケジュール表は、実は脳の中にある時計によってほぼ決められています。睡眠についても、何時ごろに眠くなり、何時から床に入ればぐっすり眠れるかは、見通しがおおよそつきます。...(続きを読む)
睡眠のリテラシー2
「睡眠時間はどのくらいの長さが最もよいでしょうか」。睡眠の話題になると、必ずこの質問が出てきます。現状、色々な人が色々な回答をしています。 1日の3分の1である8時間が望ましいという意見は、ときに神話のように語られます。しかし、それは正しくないという意見も、また多いようです。 近年、睡眠時間と健康との関係について、研究成果がたくさん発表されています。共通して言えるのは、7時間睡眠の人々の健...(続きを読む)
睡眠のリテラシー1
私は中央労働災害防止協会(中災防)という厚生労働省所轄の所に所属しています。当協会は、健康で安全に働くために役立つ科学的なデータを提供するために、調査研究を行っています。職場にはたくさんの有害なものや危険なものがあるため、色々な分野の専門家が問題の解決にあたっています。私自身は、5年前にこの協会の「心理相談員」の名称で、働く人々の睡眠について調べています。同時に「衛生管理者」の立場からも同様なこ...(続きを読む)
新しい診断基準、DSM-5とは?
「DSM-5」の分類 本年の日本精神神経学会場でDSM-5日本語訳「精神疾患の診断・統計マニュアル:アメリカ精神医学会版(2013)」が販売開始されました。米国の出版からわずか1年という短い期間で出版されたことからも、どんなにかメンタルヘルス領域の新しい情報が必要とされているかということが分かると思います。しかし、このDSM-5の診断基準もまた分類であり、医学的に命名されたものではありません。...(続きを読む)
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