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[FT]サイバー攻撃で欧州の大手ビットコイン取引所閉鎖

2015/1/7 14:01
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 仮想通貨ビットコインの欧州における主要取引所が業務停止を余儀なくされている。明らかなハッキングにより、数百万ドル相当のビットコインを失った後のことだ。

 このサイバー攻撃を受けたビットスタンプはスロベニアと英国に拠点がある。ビットコインの引き出し業務を一時停止し、口座への預け入れを控えるよう利用者に告知した。

ビットコイン利用ができる店舗。同通貨の価値は次第に低下してきた=ロイター
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ビットコイン利用ができる店舗。同通貨の価値は次第に低下してきた=ロイター

 この出来事の成り行きは、黎明(れいめい)期にあるビットコイン業界を取り巻くセキュリティーの問題を巡る懸念を一段と高めることになるだろう。1年ほど前には、大手の取引所だったマウントゴックスで問題が表面化し、同取引所が破綻したうえ、仮想通貨に対する信頼は大きく傷ついた。

■500万ドル相当の損失

 ビットコイン取引では世界3位とみなされていたビットスタンプによると、この件で同取引所の「オペレーショナル・ウォレット(業務用のサイフ)」が損なわれ、1万9000ビットコイン弱(約500万ドル相当)が失われた。同取引所のウェブサイトは5日に閉鎖され、サービスが再開される見通しは立たない。

 それでも、同取引所の準備金にあたるビットコインの大半は、インターネットと接続されないコールドストレージ※で守られていたので、サイバー攻撃の被害を免れたという。

 ビットスタンプ側は「サービスの一時停止に踏み切る前から当方が預かっていたビットコインはきちんと残っている。(中略)完璧に保護されているので、全額受け取ることができる」と指摘した。そのうえで、同取引所は真相究明のための調査をすでに始め、「捜査当局に積極協力」していくと説明した。

 ビットスタンプの最高経営責任者(CEO)で共同創業者の1人でもあるネジュク・コドリッチ氏はツイッターを通じ、今回の件について謝罪した。さらに「業務再開に向け懸命に努力している最中だ」と述べた。

■価値はピーク時の5分の1程度

 1年ほど前、当時の世界最大のビットコイン取引所だったマウントゴックスは、ハッカーの攻撃を受けた後、破綻した。この日本を本拠としたビットコイン取引所がその際に失った仮想通貨は約85万ビットコインで、4億5000万ドル近くに相当する。

 一般の利用者が安全にビットコインを取引できるかどうかわからないため、仮想通貨の価値は次第に低下してきた。マウントゴックスでの取引では、1ビットコインあたり1240ドルが最高値だった。

 ビットコインに関する情報サイトを運営するコインデスクによれば、いまの相場は1ビットコインが275ドル程度だ。

 ビットスタンプは、米サンフランシスコを拠点に仮想通貨に特化するパンテラ・キャピタルというファンドから約1000万ドルの投資を受けている。

 ビットスタンプはかつて、もう一つのセキュリティー問題に直面したことがある。サイバー攻撃によって2014年2月の数日間、引き出し業務を停止したのだ。この事件では、ビットコインの盗難はなかったとされている。

By Murad Ahmed

(2015年1月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

※=アクセス頻度の低いデータをストレージデバイスに保存する方法

(c) The Financial Times Limited 2015. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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