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「みんな集まって大きな魚になるんだ!」はたしてスイミー(醤油入れ)の運命は?
なぜか魚型の醤油入れが家に1000個ある。邪魔でしょうがないので何かに使えないか……魚、たくさん、あ、スイミーか。
小学校の国語の教科書に載っていた物語『スイミー』だ。小魚がたくさんあつまって大きな魚の形になって悪い魚を追いちらすのだ。 あれは実際にやったらどんな感じなんだろう。醤油入れでやってみた。 > 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 年末年始の特別企画で醤油を入れる内職という場面を撮った。そんな内職なさそうだ。(記事『迷惑メールを実写化してみた』はこちら)
醤油入れが1000個ある昨年末、動画コーナー・プープーテレビで内職をしてる場面を撮った。そこで小道具として使ったのが魚の醤油入れ。1000個で2800円くらい。
参考 記事『迷惑メールを実写化してみた』 「はいオッケーです」と撮影が終了したその瞬間、魚の醤油入れは小道具からゴミに変わった。わが言葉が発端ながら、ガラガラガラと音を立てて価値が崩れていくような瞬間だった。 もう一度こいつらを蘇らせたい。今度はそう、魚として。あのスイミーを演らせてやりたい。 せっかく買ったんだからという貧乏くささを監督心みたいなものでカムフラージュしてスイミーを作ることにした。 1袋200個入りが5袋。全部で2800円くらい。
中央化学という日本を動かしてそうな名前の会社で魚の醤油入れは作られていた
まずは赤いキャップをはめようまずはキャップを全部はめる。
原作で黒いスイミー以外は「赤い魚」という設定になっている。キャップが赤いので一応はめたほうがいいかなと思ったのだが、「ほうがいいかな」ではめるには1000個は多すぎた。 内職1セット分くらいあった。(弟を学校に通わせるために…)と思い込んで地道にやった。 はい、はめました。普通の内職でした
これがスイミー。谷川俊太郎訳だったのか(作=レオ・レオニ 訳=谷川俊太郎 1969 好学社刊)
スイミーとは?準備は整った。さあ、スイミーである。小学校の国語教科書に載っていた物語である。
話はこうだ。黒い魚スイミーは赤い魚たちと出会う。彼らと遊びたいのだが、みんな大きなマグロを怖がって穴から出ようとしない。スイミーは赤い魚を集めて1匹の大きな魚の形で泳ぐように提案し、自分は体の黒さをいかして目となった。彼らはマグロを見事に追い返した。 一人だけちがってもいいんだとかみんなの力を合わせればとかの教訓を得られもするが、全体的に魚版欽ちゃんの仮装大賞みたいな話である。 かつて赤い魚の兄弟がいたスイミー。しかしスイミーの兄弟はマグロにたべられてひとりぼっちに
ある日同じ赤い魚の仲間を見つけた。しかし仲間たちはマグロをこわがって外であそぼうとしない
スイミーは「みんなで集まって大きな魚になるんだ」と声をかけた。はたして作戦はうまくいくのか……それにしても仲間が多い。何もしなくてもマグロ逃げそうだ
ちなみにこの先にめんどくさい作業が待ってるのがわかってるため、物語再現写真はこれくらいのテンションでお届けしています
くっつけて大きな魚を作るだけ!今日やることはかんたんである。醤油入れをくっつけて大きな魚をつくるだけ。
なんせもともとが魚がやるくらいのかんたんさだ。最終学歴がめだかの学校でもできたことだろう。大学に行かせてくれたお父さんお母さんすいません。 くっつけるのはホットボンドを使った。ところがこれがカッチリとはくっつかない。お父さん、ぼくはめだかに勝つために院に進めばよかったです。 ホットボンドでくっつけようとするも塩ビがつるつるしすぎてくっつかない。接着剤を店に買いに行く
プラスチック用両面テープ、ホッチキス、接着剤、などいろいろためして結局ホットボンドに戻ってきた。魚の醤油入れは地球史上一番くっつきにくいものだ。
地味、地味、地味!ホットボンドでカッチリくっつかないので何かないかと店に行ったらどの接着剤もポリエチレンはNG。これそもそもがくっつけにくいものなのだ。
ここにきてスイミーの苦労を知る。作家のレオ・レオニは「スイミーは赤い魚たちをくっつけるのにいい接着剤がないことを知った」とちゃんと書いておくべきだった。 寝た。「…スイミーやらないと」と夜2時頃起きだした。最近、人生についてよく考えるようになった
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