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海洋発電装置が水没 唐津市加部島沖の実験場で

2015年01月07日 10時21分

三井海洋開発が設置を進めていた複合発電装置=唐津市加部島沖(三井海洋開発提供)
三井海洋開発が設置を進めていた複合発電装置=唐津市加部島沖(三井海洋開発提供)

 海洋再生可能エネルギーの発電実証実験場となっている唐津市加部島沖で、三井海洋開発(本社・東京)が昨年10月下旬から設置作業を進めていた潮流と風力の複合発電装置が、海底に沈んでいたことが分かった。水没に伴うけが人はなく、環境汚染は現在のところ確認されていない。同社は、原因究明後に発電計画を継続するかどうか判断する。

 装置は全長約72メートル。上部に風力発電する風車、下部に潮流発電する水車を組み合わせている。加部島から約1・3キロ、水深約50メートルの海域で、2015年末の稼働を目指して設置作業を進めていた。

 三井海洋開発や県新エネルギー課によると、昨年12月18日未明、同社の作業員が装置の姿が見えないことに気づいた。現場で確認したところ、装置は海底に横たわっていたという。海上が穏やかになる春から夏にかけ、装置の引き上げ作業に着手する。同社は「水没の原因はまだ分からない。引き上げ後、損傷状態などから調べる」と説明している。

 計画を継続するかどうかは「装置を回収し、原因究明後に判断したい」とした。今回水没した発電装置は、13年10月にも加部島沖に運搬中、水車部分が海底に脱落する事故が発生している。

 設置を進めていた海上は昨年7月、政府によって海洋再生可能エネルギーの発電装置を試験する「実証フィールド」に選定された。新エネルギー産業の集積を目指し、試験を誘致している県新エネルギー課は「新分野での挑戦であり、テスト段階で装置の課題が見つかったということだろう。原因を究明して、計画を継続してもらえれば」と話す。

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