ニュース詳細
ニカラグア運河建設 中国政府が関与を否定1月8日 0時08分
中米ニカラグアで、中国系企業によって建設が始まった運河を巡って、現地のアメリカ大使館が、「透明性が欠如している」と懸念を表明したのに対し、中国外務省は、自国の企業には法律の順守を求めているとしたうえで、政府は関係していないと強調しました。
ニカラグア運河は、太平洋とカリブ海を結ぶ総延長およそ280キロメートル、総工費500億ドルに上る巨大プロジェクトです。
建設は香港に拠点を置く中国系企業が請け負って先月始まり、完成すると最長100年間、この企業が管理・運営する権利を持つことになっています。
ロイター通信によりますと、このプロジェクトについて、ニカラグアにあるアメリカ大使館が6日、声明を出し、「情報と透明性が欠如している」と懸念を表明し、環境への影響やプロジェクトの詳細を明らかにするよう求めました。
企業側は、中国政府との関わりを否定していますが、建設にかかる費用がばく大なうえ、近年、中国が中南米地域で影響力の拡大を図っていることなどから、プロジェクトの背後には中国政府がいるとの指摘が出ています。
これについて中国外務省の洪磊報道官は7日の記者会見で、「中国政府は自国の企業に対し、環境保護を含め現地の法律を順守し、市場の原則に従うよう一貫して要求している」と述べたうえで、「プロジェクトは企業の自主的な行為であり、中国政府は関係していない」と述べ、関与を否定しました。