フランス:テロ容疑者 接点は同じイスラム過激派グループ
毎日新聞 2015年01月10日 00時03分(最終更新 01月10日 00時05分)
【パリ宮川裕章】仏ラジオなどによると、9日午後1時(日本時間同9時)ごろ、パリ東部ポルトドバンセンヌのユダヤ人向け食料品店に男が押し入り発砲した。男は店内に少なくとも5人の人質を取り、立てこもっている模様。うち2人が死亡したとの情報もある。武装した警察官が周囲を取り囲んでいる。
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「俺が誰だか分かるだろう」。ユダヤ人向けスーパー店に立てこもった容疑者の男は駆け付けた警察官に向かって叫んだ。
市内東部ポルトドバンセンヌ。地元メディアによると、幹線道路に面した店を重装備の特殊部隊隊員約30人が取り囲む。
叫んだ男は、アフリカ系のアメディ・クリバリ容疑者(32)とみられる。同容疑者は、パリ南郊のモンルージュで女性警察官を射殺する事件を起こした後、逃走していた模様だ。
クリバリ容疑者は、ダマルタンアンゴエルで印刷所に立てこもる兄弟とは同じイスラム過激派グループに属する友人で、イスラム過激派に感化され、ユダヤ人向けの食料品を売る専門スーパーを襲ったとみられる。人質の中には食料品を買いにきたユダヤ系の女性や子供がいるとみられる。
現場周辺の幹線道路は封鎖された。パリ市内のユダヤ教徒向けの食料品を売る店は次々と閉店している。