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「官邸1強」で見せ場乏しく 与党が15年度予算案了承

2015/1/13 0:25
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 与党は12日、2015年度当初予算案を了承した。昨年の衆院選後から年末年始をはさみ短期間となった編成作業は、与党が介護報酬改定など一部で予算の上積みに動いたものの見せ場を作れないまま終わった。衆院選の勝利を背景に安倍晋三首相の求心力が高まり、与党の発言力は相対的に低下。今回の予算編成は霞が関の官僚主導の側面も浮き彫りになった。

 「やはり麻生太郎財務相は相当厳しかった」。自民党厚労族の一人は、介護報酬が15年度に2.27%の減額となったことに不満げな表情を見せた。厚労関係議員は8日、麻生氏にマイナス改定の反対を申し入れたばかり。官邸への働きかけにより「せめてマイナス幅を2.3%より圧縮して、過去最大の減額は防ぎたい」との思いがなんとか通じた程度だ。

 4月の統一地方選や16年夏の参院選を控え、与党からは予算編成で地方や業界団体への配慮を求める声が相次いだ。

 自民党の農林関係議員が決議し、予算確保を求めた土地改良事業費。14年度補正予算案で前年度の補正予算より大幅減額となり、当初予算での巻き返しを狙った。

 結果はわずかな増額。ある農林族は「微増でも増加は増加。予算は勝ち取れた」と自分に言い聞かせるように語った。

 例年は11~12月にかけて予算編成と税制改正の議論のピークを迎える。だが今回は12月に衆院選があり、4月に統一地方選を控えるため予算案の早期決定が求められた。窮屈な日程となり、与党が事前審査にかけられる時間は乏しかった。

 さらに首相が衆院選で与党を勝利に導いたことで、「官邸1強」の体制はこれまで以上に強まった。首相に近い自民党の稲田朋美政調会長は8日の政調全体会議で、出席議員を前に「政策の敗者復活を議論する場でない」と党内の歳出圧力に歯止めをかけた。

 歳出総額は過去最大の96兆円台に。しかし与党の要望を反映したというより「官僚がまとめた原案に口を挟む準備も時間もなく固まってしまった」(閣僚経験者)との声が広がる。

 ある党幹部は「かつての財務省原案のように予算の詳細を一度示してもらわないと与党の主張が通っているかどうか見えにくい」と漏らす。族議員の関与の余地は年を追うごとに狭まっている。

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