DJシーザー インタビュー
打倒フジロック!?レジェンドアニソンDJ
DJシーザーの新たな挑戦とは
-アニイベZをご覧の方々は当然ご存知とは思いますが、アニソンDJの象徴【DJシーザー】が生まれるキッカケなどお伺いしてもよろしいでしょうか?-
DJシーザー「いや知らないでしょみんな(;´Д⊂)」
「えっと元々ロックバンドやっていたんですけど、兄貴の影響でジャンル関係なくCDとかレコードをかなり持っていて。普通にクラブも行ってました。」
「ジャンルによっては生半可なDJより知識あるような感じでした。サンプリングネタとかHIPHOPのDJしてた知り合いより詳しかったりして。」
「その頃、地元の知り合いが西川口にDJバー始めて、音楽に詳しいんならちょっとDJやってよと。ちょうど臨時収入でMacbook買った時で、DJソフト買って曲のデータ入れて始めました。」
「その店が老若男女ばらばらな客層だったので、最初からアニソンもJ-POPもビルボードも懐メロも演歌もオールジャンルでやってました。でやっぱり若い子にはアニソンとJ-POPが一番盛り上がるんですよ。」
「ちょうど渋谷とか六本木の既存のクラブシーンがつまんなくて飽きてた時期でもあったんです。何か遊びきれないというか、刺激が足りなくて。よく行ってたハイロウズとかブランキージェットシティとかロックバンドのライブに慣れちゃってたせいもあるかもです。」
「HIPHOPもめっちゃ好きでしたが、イベント行くとDJでは洋楽ばっかかけててライブの時だけ日本語で歌ったりラップするのとか、何かおかしいよなーつまんねーなーってめっちゃ突っ込んでました。不自然だなーと。」
「そう思ってたところに若い子たちの日本語の曲に対する熱狂を目の当りにして、あーもうこれメインでいこうと。」
「もともと漫画とアニメ大好きだったし。」
「そのあたりから渋谷や新宿のハコでもDJする機会が増えていきました。
当時流行ってたmixiを通じてアニメや漫画のオフ会に呼ばれるのも多くなりましたね。」
-なるほど、そしてキャリアをスタートしてからのお話をお伺いしていきます。
アニソンのクラブイベントのいわゆる【創世記】は、どのようなものだったのでしょうか?-
DJシーザー「06年あたりではまだまだクラブでアニソンなんてNGで、しょっちゅうDJやその取り巻きに絡まれてました。胸倉を掴まれたり、横から蹴られたりしたこともあります。彼らのDJ観では理解できなかったんでしょうね。でもこっちはアニソンかけてって言われて呼ばれてるわけだから意地でも胸張ってやってました。」
-怖いですね(笑)-
DJシーザー「その頃に散々ディスってきたDJが今J-POPアニソンかけてるらしくて、何なのお前って感じですよねwwww」
「そして07年に、青山でやってたDENPAっていうアパレル業界を目指してた子たちが始めたイベントにレギュラーで出るようになったんですよ。DENPAは、エレクトロとかのクラブミュージックと同列でアニソンも楽しんじゃおうぜっていう本当の意味でオールジャンルな趣旨で。既存のシーンなんてぶち壊せっていうとにかくエネルギーに満ちたイベントでした。やっぱりみんなも普通のクラブに飽きてたんだなーと実感しました。」
「現場の熱狂がネットで注目されてスペシャTVとか有名ブログの取材が来るようになって」
「DENPAの中でも比較的わかりやすくメディア受けするのがアニソンDJで若者が盛り上がってる絵だったので、僕がDJしてるところがよく媒体で取り上げられるようになって、そこから知名度アップに繋がった気がします。」
「そしてこれは極めて重要な事なんですが、ニコニコ動画が流行り出して初音ミクがブレイクしたのと、しょこたんが全国的にブレイクしたのと、ハルヒからのらきすたで京アニが社会現象並みにブレイクしたのが全て07年なんですね。」
「ヲタ文化、ネット文化が暗くてよくわからない物から一気にカルチャーの最先端になった。アニメやネットに傾倒するのはダサいっていう風潮が180度逆転するポールシフトが起きたんです。」
「で丁度その時期にDENPAがあって、都内の若い子たちの受け皿になってたんだと思います。色々な連鎖反応が起きたすごい時代でした。」
「そういう色んな要素が重なって、僕への取材やオファーも激増していきました。」
-当時、一晩に三か所で回したりが当たり前だったと伺いました-
DJシーザー「金土日で6回出たりとかよくありました。ライブハウスやクラブがアニソンイベントやりたがっても当時はまだまだアニソンDJがいないので、とにかく僕とかが呼ばれるっていう…。」
「DJできるけどアニソン知らない人か、アニソン知ってるけどDJができないって人しかクラブ界隈にいなくて。どちらも兼ね備えた人は本当に少なかったです。今の100分の1以下じゃないかな。」
-日本のアニソンDJイベントと言えばUSTREEMで配信され、世界中で視聴されているMOGRAの【アニソンインデックス】ですが、こちらもOPENの一時間前に並ばないと入場できないという人気ぶりです。シーザーさんもアニソンインデックスを牽引し、現在も出演なさってますね。-
DJシーザー「最近はちょっと落ち着きましたが、やっぱり堅実な人気はありますね。その頃、秋葉原にクラブを作りたいから協力してくれって声かけられて、DENPAのレジデントだった僕と、現MOGRA店長のD-YAMAが呼ばれたんです。MOGRAはアニソンだけじゃなく色々なジャンルの音楽ができるハコですが、オーソドックスなアニソンメインのイベントも1つ作ろうとアニソンインデックスを立ち上げました。」
「何回目かから実験的にUSTREAM配信を始めたのですが、地方や海外から見てくれる層ができて、反響も大きくなっていきました。」
「イベントの様子を家でも見れるようにしたってクラブシーンにおいては大事件だったんじゃないですかね。それまでクラブって何する所かわからないような風潮あったと思うのですが、そういう空気に一石を投じたと思います。ツイッターの普及とリンクしたのも大きかったですね。」
「インデックスの仕切りもDJ Gyaranにバトンタッチして、僕はストイックにDJだけに徹してるつもりです。他のイベントだと制作面も考えなきゃですが、インデックスはプレイだけに集中できるので。レジデントのメンツがみんな上手いのでいつも刺激を受けてますね。」
-そして現在、オーガナイズされている【アニLOVEっ!!】ですが、このイベントを作ろうと思ったきっかけは何だったんでしょうか?-
DJシーザー「07年にアニソンクラブイベント略してアニクラというシーンができましたが、8年たって落ち着いて見渡すと、いつの間にかハードル高くなっちゃったなーっていう気がしたんです。」
「アニソンやボカロそんなに詳しくないから行きづらい、浮いちゃわないか心配っていう声も増え始めて。そういう空気って都内のクラブの動員ががくっと減った時期と似てるんですよ。そのジャンルに詳しくないと楽しめないんじゃないかとか、マニアックな曲しかかからないようなイメージとか。そういう空気を打破したくてアニLOVEを立ち上げました。」
「どんなジャンルでもそうなんですが、DJって中途半端にやり慣れてくるとアンセム(定番曲)かけるの嫌がるようになるんですよ。でもそれはDJのエゴに過ぎない。ほとんどのお客さんはアンセムで盛り上がりたいんです。まして初心者ならなおさらです。」
「なのに内輪だけでウケる曲かけて常連だけでニヤニヤ楽しんでるような空気のイベントが増えた気がしたので、とにかく行きやすい、わかりやすい、初めての方でも思い切り楽しめる場を作ろうと。そもそもお客と盛り上がるのが好きでDJ始めたわけで、初心に帰りたいという気持ちもあります。」
-レギュラーDJの出演陣は、現役声優、メジャーレーベルからCDをリリースしているDJ、ニコニコ動画の有名人など非常にタレント性の高い方々が多いですが狙いは?-
DJシーザー「できるだけ色んな層の人に知ってほしい、来て欲しいっていう狙いですね。
「既存のアニクラユーザーなんて都内におそらく2~3千人、関東全体でも5千人もいないでしょうし、このシーンだけにリーチする人を呼んでも結局は他のイベントと同じになっちゃう。」
「それじゃ同じ事の繰り返しなので、畑の違う人に声をかけていきました。DJ未経験者もいましたが、やさしーく教えますから大丈夫!ってww」
「そのおかげで僕自身の見識も広がりましたし、違う畑のフォロワーもどんどん増えてます。最近はアニLOVEが一番パーティー感あって楽しいって言ってくれるお客さんも多くなりました。」
-今後のアニLOVEっ!!の狙いは?-
DJシーザー「やっぱり大きい所でできるようになりたいです。毎月agehaやvisionレベルのハコで何の変哲もないストレートなアニクラあったら楽しいじゃないですかww。目指す所は常にそこですね。できると思ってるし、いつもイメージを描きながらやってます。あとは地方かなー。」
「1/23金曜夜に初めて大阪でやりますが、コンスタントに全国でやっていけたらいいですね。各地域のDJ呼んで絡みたいです。」
「地方にはゲストで呼ばれたりもありますが、自分のイベントでサーキットのように回ったりしていきたいですね。」
-2014年はCDもリリースしましたね?続々とリリースも決まり、ラブライブ!!の声優さん等も参加されています。-
DJシーザー「俺的ボカロ曲ロックカバー祭っていうシリーズをプロデュースしました。メジャーのシンガー、アニメ声優、アナウンサー、ニコ動の歌い手・踊り手、ラッパー、とにかく多分野の人にボカロ歌ってもらいました。しかも自分が一番好きなロックにアレンジして。」
「ボカロ知らない人にも楽しんでもらえるアルバムを作りたかったんです。」
「逆に言えばロックとかバンドとかよくわからないって層にもボカロ曲っていうきっかけでロックサウンド知ってもらえたらなーと。今の若い子たちってほんとにニコ動が主な情報源で、普通の曲よりボカロのほうが知ってるって子多いですから。」
「vol.3にはラブライブ!花陽ちゃん役の久保ユリカさんを始め、桃井はるこさん、福原香織さん、オーイシマサヨシさん、安野希世乃さん等、錚々たる人たちに参加してもらえました。1/14発売です。」
「自分で言うのも何ですがめちゃくちゃいいのでぜひ買って聴いて下さい!」
-DJシーザーの野望とは?-
DJシーザー「イベント面では、究極の野望としてはULTRAっていう世界最大のDJイベントありますよね。あの規模のDJイベントを日本語曲だけでやりたいです。レディガガとかが自分でチケット取って来るようなww」
「まずは打倒フジロックですかね。言うだけならタダなんで、でかい事言っときますwww」
「DJ面では来年はオリジナル曲のリリースできたらいいなと。当然ロックになると思います。モッシュできるような曲でいきたいですねー年甲斐もなくww」
-それは楽しみですね、今日はありがとうございました-
DJシーザー「ありがとうございました。」
アニLOVEっ !!公式HP: http://www.anilove.tokyo/