仏連続テロ:手配の女、シリアに移動か

毎日新聞 2015年01月11日 20時45分(最終更新 01月12日 00時44分)

ブメディエンヌ容疑者の足取り
ブメディエンヌ容疑者の足取り

 【パリ宮川裕章】仏女性警察官殺害事件の共犯者として手配されているブメディエンヌ容疑者について、AP通信は11日、トルコ情報筋の話として、手配写真に似た同名の女性が1月2日、空路トルコのイスタンブールに入国し、その後シリア国境に近いトルコ南東部シャンルウルファに移動したと報じた。

 ロイター通信によると、ブメディエンヌ容疑者は同日、スペインのマドリード発イスタンブール行きの航空機に搭乗したとみられるが、9日の帰りの便には乗らなかったという。男が同行しているという情報もある。

 トルコ当局者は携帯電話の電波を8日に確認しており「証拠はないが、現在はトルコを出てシリアにいると思う」と明かした。

 入国時は仏当局から情報提供はなかったという。イラクやシリアで勢力を広げる過激派組織「イスラム国」と接触している可能性もある。

 AFP通信などによると、アルジェリア系のブメディエンヌ容疑者は7人きょうだいで、6歳の時に母親が死去。配達人だった父親が養育できなくなり、里親に育てられた。クリバリ容疑者とは2009年に宗教的な儀式を経て「結婚」。その影響で過激思想に染まったとみられる。

 全身を覆うイスラム教の伝統衣装「ニカブ」の着用を主張してレジ係の仕事を失ったこともあった。2人は何度か仏国内の森で「クロスボウ」(弓の一種)を撃っており、仏紙ルモンドはベールで顔を覆ったブメディエンヌ容疑者が武器を持っている写真を掲載。2010年に撮影されたとみられ、戦闘訓練だった可能性もある。

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