イスラエル首相:パリでの反テロ行進、一転参加
毎日新聞 2015年01月11日 20時50分(最終更新 01月11日 23時22分)
【エルサレム大治朋子】イスラエルのネタニヤフ首相は11日、パリでの反テロ行進に参加した。首相府は10日午後、治安上の理由から一時「不参加」の意向を示したが、その後方針転換した。また首相は10日夜、欧州に住むユダヤ人に向け「イスラエルはあなたたちの家だ」と述べ、移住を歓迎する声明を発表した。
同国メディアによると、イスラエルの首相は、パレスチナとの和平交渉を推進したラビン首相(当時)が1995年に暗殺されて以降、事前に身元確認や持ち物検査などを受けていない市民との集会などには参加しない方針を取ってきた。
このため首相府は10日午後、イスラエル外務省に「不参加」を伝えたが、リーベルマン外相やベネット経済相が相次いで参加を表明。首相も同夜に参加を発表した。
イスラエルでは3月に総選挙が実施される予定で、リーベルマン、ベネット両氏はいずれも首相と保守票を争うライバル。首相は国内で「ミスター・セキュリティー」などと呼ばれ、対テロ強硬派を自任しており、国際社会と連携したテロ対策の重要性を内外に示すための異例の方針転換だったと見られる。
また、イスラエルメディアによると、パリ北東部のスーパーで殺害された4人はいずれもユダヤ人で、遺体は12日夕にもイスラエルに空輸される。13日にエルサレムで国葬が営まれ、4人とも地元の墓地に埋葬される予定という。