仏連続テロ:米司法長官「どの組織か信頼できる情報ない」

毎日新聞 2015年01月12日 19時20分(最終更新 01月12日 21時41分)

 【ワシントン和田浩明】ホルダー米司法長官は11日放映の米ABCテレビのインタビューで、仏週刊紙「シャルリーエブド」襲撃事件など連続テロの背景に関し「現時点では、どの組織に責任があると決定するだけの信頼に足る情報はない」と述べた。連続テロにフランスが報復する場合、協調するかどうかについて、仏当局と協力して事件の背後の責任主体を確定し訴追を目指すと説明。「それ以上の対応は仏側の提案を検討したい」と述べた。

 一連の事件では、国際テロ組織アルカイダ系でイエメンに拠点を置く「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)が犯行声明を出し、イラクとシリアで活動する過激派組織「イスラム国」の関与も疑われているが、ホルダー長官は慎重な言い回しに終始した。

 また、事件を受けて仏当局がフランス国内でテロリストの「スリーパー・セル(休眠状態の細胞組織)」が活性化したとの見方を示していると米CNNが報じたが、ホルダー長官は「仏当局の捜査が進行中だ」として言及を避けた。米国内については「今現在、脅威を示す確実な情報を持っていない」と説明した。

 ホルダー長官はこの日、パリでフランス政府が主催したテロ対策国際会議に米国土安保省のマヨルカス副長官と出席。国際的な情報共有強化の必要性を強調し「一国だけでは、自国内でのテロ阻止すら難しくなっている」と述べた。また、最近のテロの脅威について、2001年米同時多発テロ以降、最も危険なレベルにあるとの認識を改めて表明。「少人数で大きな損害を与える事件が起きている」と指摘した。

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