ローマ法王:原爆投下「人類史上、最も恐ろしい惨事」

毎日新聞 2015年01月12日 23時06分(最終更新 01月12日 23時24分)

 【ローマ福島良典】フランシスコ・ローマ法王は12日、バチカン(ローマ法王庁)で、バチカン駐在の各国外交団と会見し、第二次世界大戦後70年にあたって、広島への原爆投下について「人類史上、最も恐ろしい惨事」と言及し、国際社会に対して世界平和実現のための努力を呼びかけた。

 法王は演説の中で「ヒロシマ」と名前は挙げなかったが、「1945年8月6日、人類は史上、最も恐ろしい惨事を目撃した。前例のない新しい方法によって、人間の破壊力がどれほどのものかを世界は初めて目の当たりにした」と述べた。

 その上で、第二次大戦という「とてつもない惨劇の廃虚」から「国連の創設につながる対話と邂逅(かいこう)の意志が生まれた」と戦後秩序の構築努力をたたえた。

 法王は昨年11月末、戦後70年を巡って、同行記者団の質問に「人類はヒロシマ、ナガサキから何も学んでいない」と語り、核兵器廃絶への取り組みの遅れを嘆いた。

 また、法王は12日の演説で、最近のパリでの週刊紙襲撃事件を踏まえ、「暴力行為を正当化しようとする原理主義、過激派の宗教解釈」をイスラム教指導者が一丸となって非難するよう訴えた。

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