デフレ回避の最善策はECBの国債買入れ=イタリア中銀総裁
[ベルリン 11日 ロイター] - ECB理事会メンバーのビスコ・イタリア中銀総裁は、ユーロ圏のデフレリスクを過小評価すべきでないと警告し、欧州中央銀行(ECB)の実行できる最善の対策は国債買い入れだと主張した。11日付け独紙ビルト・アム・ゾンタークのインタビューに答えた。
ビスコ総裁は「(低水準のインフレ率に関しては)マクロ経済的なリスクを過小評価してはならないと警告することしかできない」と述べた。さらに「インフレ率が長期にわたって低水準にとどまり、経済成長がほとんどみられなくなるなら、われわれは下方スパイラルに巻き込まれるリスクを冒すことになる。これがデフレと呼ぶものだ」と話した。
総裁は「原油安が景気を下支えしていることは間違いないが、他方では物価下落にもつながっている。インフレ率がすでにゼロ近辺に低下している現状において、これは問題だ」と指摘。「この状況で最も効果的な対策は国債の買い入れだ」と主張した。理事会内では社債などの買い入れについても協議されているとしたが、「社債市場の規模は大きくない」とも述べた。
関係筋によると、ECBは22日の理事会を前に、ECBが国債を買い入れ、ユーロ圏全体でリスクを共有すると同時に、各国中銀による国債買い入れも行うという、2段階方式でのリスク分担を検討している。
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