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珊瑚は体内でアミノ酸やビタミンを合成する事が出来る事からと一昔まで添加は不要
とされていました。現在解っている中で珊瑚に必要とされるアミノ酸はヒスチジン, ロイシ
ン、メチオニン、バリン, アラニン, アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタ
ミン, グリシンおよびセリンであり、中でもアスパラギン酸は珊瑚(褐虫藻)の体内で
合成出来ない事から海外では添加が有効
とされています。

アミノ酸添加の必要性は海外のフォーラムでも良く話題にされています。それでアミノ酸
系の添加剤が沢山販売されるようになりました。尚、べっぴんオレンジとべっぴんホワイト
にも珊瑚が合成出来ない有機物のアスパラギン酸(HOOCCH2CH)が入っています。

褐虫藻が多い(茶イシ)珊瑚はアミノ酸が体内で合成が出来ますのでアミノ酸の添加は
大して必要ありませんが、BPシステム等で炭素源を投与したり容量の大きいスキマー
を設置していたりゼオライト(モンモリロナイト)で褐虫藻を防御しているリーフタンクでは
飼育水の栄養が少なく、珊瑚に十分給餌出来ない事からアミノ酸の投与が有効です。

珊瑚は本来、光だけでなく動植物系プランクトンを常時捕食する事でエネルギーに変え
ています。水槽内で常時与える事が出来ない動植物系プランクトンの代わりになるのが
アミノ酸の添加剤です。人工的な灯具のみでは餓死する珊瑚が増え崩壊するリーファー
が後を絶たないと海外のフォーラムで投稿されていました。

珊瑚が分布する海域では多少の比重の違いそこある物の海水に含まれる微量元素の
含有率(無機)は全世界共通しています。しかしプランクトンの含有率は各海洋によって
様々なので当然アミノ酸(有機)の含有量も細かく異って来ます。(季節や時間帯により
変動)生物層の豊かな海域ほど当然、プランクトンが増えアミノ酸も豊富になるのです。
尚、海洋(特に外洋)の場合は高い透明度=低いプランクトンとそう単純なものではあり
ません。




参考資料
http://www.advancedaquarist.com/2014/3/corals

http://jeb.biologists.org/content/211/6/860.full.pdf#search='ht
tp%3A%2F%2Fjeb.biologists.org%2Fcgi%2Freprint%2F211%2F6%2F860'


サンゴ化石による '必須' アミノ酸のバイオ合成
http://www.pubmedcentral.nih.gov/pic...9&blobtype=pdf

ミドリイシ石 tylophora pistillata によって溶存遊離アミノ酸の取り込み
http://jeb.biologists.org/cgi/reprint/211/6/860
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べっぴん珊瑚の色揚げの仕組みについて説明致します。鉄、ヨウ素、カリウム、カルシウム
、マグネシウムなど市販の試薬で測れる微量元素を元にして、アミノ酸、水素供与体、バク
テアリ、ゼオライト(モンモリロナイト)でぺっぴん珊瑚は構成しています。試薬の出ていない
ストロンチウム、尿素、モリブデン等は入れていませんので換水で補充して下さい。ストロン
チウムに関しては人工海水に既に沢山含まれて居ますので追加は必要ないと思いますが
天然海水をお使いの方は珊瑚のキャパにより別途添加される必要があるでしょう。

各微量元素は天然海水又は人工海水のパラメーター(試薬キットで勧める基準値)に合わ
せますがFe(鉄イオン)に関して添加剤を毎日投与しても推薦する0.15~0.5ppmには届か
ないのが普通でそれで良いと思います。

水槽内はリン酸塩が出るので市販の鉄イオンを添加してもリン酸化鉄FePO4に化学変化
させてしまうので検出はまずしませんが、べっぴんグリーンは高濃度・高性能なのでFeの
濃度を急速に揚げてしまいます。この鉄イオン(海水に溶けている状態)は珊瑚の蛍光タ
ンパク(グリーン)を濃くし鮮やかにする効果がある事から「色揚げ剤」として利用されます。
グリーンがイエローに傾けば鉄イオンを増やす事で元のグリーンに戻す効果があります。

又、ヨウ素はブルーの組織を増やす。カリウムは赤い組織を増やすなど海外では言われ
ていますが私自信は添加剤のテストにおいて確認していません。

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ベルリンシステムと日本式ベルリンとは違いがあります。海外のベルリンシステムが広ま
った当初は水換えに要らないシステムと紹介されていました。栄養塩が出ないので水換え
の必要性が無いという理由です。特にヨーロッパの硬水事情など考えると水換えを減らせ
るメリットは大きかったのでしょう。

その栄養塩の出ないベルリンでミドリイシを飼うのが流行り沢山のバージョンが生まれま
した。DSB,BCメドット、VSVメドット、モナコ、エコシステム・・日本式ベルリンのその一つ
です。珊瑚水槽で魚を飼う事が多かった国内では水道水+ROで良質の軟水が手に入る
利点を生かし大量水換えで栄養塩を取っ払う(SPSのみのリーフタンクでは大量水換え
は不要だった)方法が主流となりました。エネルギー源はメタハラ多灯で賄う褐虫藻に託
した飼育法です。

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それが近年、メタハラから太陽光のスペクトルを持つ高性能LEDにバトンタッチし波長VS
水質みたいな論争になりました。いやいや水質も波長も両方大事ですから。ただ無機の
人工海水と有機の天然海水とは別物なので、灯具を天然の光に近か着けるのなら飼育水
も天然海水(有機)に近か着けようよって話です。


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