26年の時を越えて一太郎2015の特典で復刻した「一太郎 dash 30th」は、今でも実用的な驚きのワープロアプリだった
ジャストシステムの一太郎シリーズは、2015年で30周年を迎える。それを記念して、2月6日に発売される一太郎 2015の最上位パッケージには、なんと、かつてのMS-DOSワープロ「一太郎 dash」復刻版というパソコンファンには感涙しそうなスペシャルボーナスが付属しているのだ。
「一太郎 dash」は、今をさかのぼること約26年前のワープロだか、侮ることなかれ。
オマケというにはもったいないくらいの完成度と実用性の高さを誇る。ぜひ、多くのユーザーに触ってもらいたい。
●一太郎2015の最上位パッケージに付属する「一太郎 dash」の復刻版
今年(2015年)で30周年を迎える今回の一太郎には、いろいろな特典が用意されている。中でも注目は、最上位パッケージの「スーパープレミアム」に付いてくる「一太郎 dash 30th」だ。これは、1989年にリリースされたMS-DOSワープロ「一太郎 dash」の復刻版なのである。
当時は、MS-DOSとNECのPC-9800シリーズが全盛の時代。
1989年にはNECから初代ノートPCであるPC-9801Nが発売されている。当時の一太郎の最新バージョンは一太郎 Ver.4であった。筆者の記憶では、一太郎 dashは、初代ノートPC のPC-9801N向けに一太郎 Ver.4を軽量化してリリースされたアプリケーションだ。
今回、この一太郎 dashが、約26年の歳月を経て、Windows上のワープロとして復刻されたのである。
【画面1】一太郎 dash 30th。1989年に発売されたMS-DOS版の日本語ワープロ「一太郎 dash」の復刻版だ。
●文章入力だけなら一太郎2015より快適かもしれない「一太郎 dash 30th」
一太郎 dash 30thの画面は、当時のデザインを忠実に再現している。当時はブラウン管ディスプレイが主流だったことから、ブラウン管ディスプレイのフレームや走査線表示まで再現するする念の入れようだ。
用意されている機能は、かつての一太郎 dashの機能に最新機能を付加した構成だ。一太郎 2015より機能は圧倒的に少ないが、けっして実用性が低いわけではない。むしろ、よけいな機能がない分、文章入力だけなら、こっちの方が快適ではないか、というくらいサクサク動く。
もともとMS-DOSワープロはキーボード操作を前提に作られているので、キーボードメインで利用するユーザーとの相性はいいのである。
【画面2】かつての一太郎の代名詞であったESCメニューも利用できる。キーボード主体で利用するには、とても便利だ。
【画面3】背景を白にすることもできる。
【画面4】画面をカスタマイズして、さらにシンプルにすれば、テキストエディタ的に使うことも可能だ。一太郎 2015との連携機能も用意されている。
●ぜひ一太郎を知らない世代に触ってほしいが……
一太郎 dash 30thは、一太郎 2015のスーパープレミアム版の付録なので、その購入者だけが利用できる。MS-DOS時代を知る一太郎ユーザーなら、ぜひスーパープレミアム版をおすすめする。
ただ、一点、一太郎 2015のスーパープレミアム版の付録というのが、実に「もったいない」。
一太郎 dash 30thは、現在でも文章作成に十分使える実力を持った日本語ワープロだ。けっして、懐古趣味に浸るソフトではなく、実用性も十分あるからだ。
それだけに、一太郎を知らない世代にも触ってもらいたい。26年前のワープロの機能・操作性がどんなものか、若い世代にとっても関心はあるのではないだろうか。
実際に触ればわかると思うが、じつはワープロの本質的なところは、一太郎 dash 30thからほとんど変わっていなかったりするのだ。
ただ、それにはスーパープレミアム版を購入しなければならない。スーパープレミアム版を買うのは、おそらく一太郎のコアなユーザーだから、一太郎 dash 30thが、一太郎を知らない世代の目に触れることはほとんどない。
それが実に残念なのだ。
というわけで、ここからは筆者のまったくの妄想。一太郎 dashあるいはMS-DOSワープロの名作 一太郎 Ver.3がフリーソフトのような形で公開されたら……。
最新ATOKとクラウドストレージを組み合わせたら……。
考えるだけで、とても快適に利用できそうだ。
それが最新の一太郎への誘導にもなれば、一石二鳥ではないだろうか。ジャストさん、どうですか。
井上健語(フリーランスライター)
「一太郎 dash」は、今をさかのぼること約26年前のワープロだか、侮ることなかれ。
オマケというにはもったいないくらいの完成度と実用性の高さを誇る。ぜひ、多くのユーザーに触ってもらいたい。
●一太郎2015の最上位パッケージに付属する「一太郎 dash」の復刻版
今年(2015年)で30周年を迎える今回の一太郎には、いろいろな特典が用意されている。中でも注目は、最上位パッケージの「スーパープレミアム」に付いてくる「一太郎 dash 30th」だ。これは、1989年にリリースされたMS-DOSワープロ「一太郎 dash」の復刻版なのである。
当時は、MS-DOSとNECのPC-9800シリーズが全盛の時代。
1989年にはNECから初代ノートPCであるPC-9801Nが発売されている。当時の一太郎の最新バージョンは一太郎 Ver.4であった。筆者の記憶では、一太郎 dashは、初代ノートPC のPC-9801N向けに一太郎 Ver.4を軽量化してリリースされたアプリケーションだ。
今回、この一太郎 dashが、約26年の歳月を経て、Windows上のワープロとして復刻されたのである。
【画面1】一太郎 dash 30th。1989年に発売されたMS-DOS版の日本語ワープロ「一太郎 dash」の復刻版だ。
●文章入力だけなら一太郎2015より快適かもしれない「一太郎 dash 30th」
一太郎 dash 30thの画面は、当時のデザインを忠実に再現している。当時はブラウン管ディスプレイが主流だったことから、ブラウン管ディスプレイのフレームや走査線表示まで再現するする念の入れようだ。
用意されている機能は、かつての一太郎 dashの機能に最新機能を付加した構成だ。一太郎 2015より機能は圧倒的に少ないが、けっして実用性が低いわけではない。むしろ、よけいな機能がない分、文章入力だけなら、こっちの方が快適ではないか、というくらいサクサク動く。
もともとMS-DOSワープロはキーボード操作を前提に作られているので、キーボードメインで利用するユーザーとの相性はいいのである。
【画面2】かつての一太郎の代名詞であったESCメニューも利用できる。キーボード主体で利用するには、とても便利だ。
【画面3】背景を白にすることもできる。
【画面4】画面をカスタマイズして、さらにシンプルにすれば、テキストエディタ的に使うことも可能だ。一太郎 2015との連携機能も用意されている。
●ぜひ一太郎を知らない世代に触ってほしいが……
一太郎 dash 30thは、一太郎 2015のスーパープレミアム版の付録なので、その購入者だけが利用できる。MS-DOS時代を知る一太郎ユーザーなら、ぜひスーパープレミアム版をおすすめする。
ただ、一点、一太郎 2015のスーパープレミアム版の付録というのが、実に「もったいない」。
一太郎 dash 30thは、現在でも文章作成に十分使える実力を持った日本語ワープロだ。けっして、懐古趣味に浸るソフトではなく、実用性も十分あるからだ。
それだけに、一太郎を知らない世代にも触ってもらいたい。26年前のワープロの機能・操作性がどんなものか、若い世代にとっても関心はあるのではないだろうか。
実際に触ればわかると思うが、じつはワープロの本質的なところは、一太郎 dash 30thからほとんど変わっていなかったりするのだ。
ただ、それにはスーパープレミアム版を購入しなければならない。スーパープレミアム版を買うのは、おそらく一太郎のコアなユーザーだから、一太郎 dash 30thが、一太郎を知らない世代の目に触れることはほとんどない。
それが実に残念なのだ。
というわけで、ここからは筆者のまったくの妄想。一太郎 dashあるいはMS-DOSワープロの名作 一太郎 Ver.3がフリーソフトのような形で公開されたら……。
最新ATOKとクラウドストレージを組み合わせたら……。
考えるだけで、とても快適に利用できそうだ。
それが最新の一太郎への誘導にもなれば、一石二鳥ではないだろうか。ジャストさん、どうですか。
井上健語(フリーランスライター)