今日(1月11日)、ロスアンゼルスのビバリー・ヒルトン・ホテルで第72回ゴールデン・グローブ賞の授賞式があります。同賞はその年の映画やTV番組の中で特に優れた作品や個人に授けられます。

全体として米国のエンターテイメント業界は絶好調です。下は主な企業の売上高を積み上げたグラフです。

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なおタイムワーナーは2009年にタイムワーナー・ケーブルをスピンオフしています。売上高が半減しているのはこの分社化の影響です。加えてタイムワーナーは雑誌タイムをスピンオフしましたし、トゥエンティーファースト・センチュリー・フォックスはウォールストリート・ジャーナルやニューズコープを含む新聞部門をスピンオフしています。

それらを除けば、業界全体としての売上高は過去最高でした。

北米の映画館チケット売上高も順調に伸びています。

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これはチケット代の値上げによるところが大きいです。

ただ米国の映画会社の業績を、アメリカ国内だけで測るのは間違っています。なぜなら最近では新興国などのグローバル市場の成長が、アメリカ市場を凌駕しているからです。

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ラフに言えば、例えば中国の映画館チケット売上高のうち、約50%がアメリカ映画でした。


企業別の米国内チケット売上高ではかつてリーダー的な存在だったワーナー・ブラザーズが相対的に地盤沈下しています。

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代りに首位に躍り出たのはトゥエンティーファースト・センチュリー・フォックス(ティッカーシンボル:FOXA)です。


同社の部門別売上高は下のようになっています。

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今回のゴールデン・グローブ賞では同社のアート映画部門であるフォックス・サーチライトが配給した「ザ・グランド・ブダペスト・ホテル」がベスト・ピクチャー(コメディ)部門、ベスト・アクター部門、ベスト・ディレクター部門、ベスト脚本部門にノミネートされています。




この他、「バードマン」、「ゴーン・ガール」も同社の配給です。

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バイアコム(ティッカーシンボル:VIA)は傘下にパラマウント・ピクチャーズを持っています。今回は「セルマ」が4部門でノミネートされています。

バイアコムはMTV、ニッケロデオン、VH1、コメディチャンネルなどを持っており、それらのプログラムをシンジケートするアフィリエート・フィーが重要な売上となっています。

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最近、消費者がケーブルのサブスクリプションを止め、ネットフリックスなどに乗り換える行動に出ていますが、同社のニッケロデオンやMTVは、その悪影響を受けやすいと言われています。

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ウォルト・ディズニー(ティッカーシンボル:DIS)の作品では「イントゥ・ザ・ウッズ」がノミネートされています。



ディズニーは映画での成功をキャラクターグッズやテーマパークでも生かすことが出来ます。つまり映画がヒットすれば、2回、3回とそれから収益を上げることが出来るのです。

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これは他社が真似できない強みです。

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(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack

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