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ピーン!
店頭の張り紙で、やけに精力剤を推してくる薬局というのがある。
先日通りがかって、オットセイエキスを配合した商品を前面に押し出しているのを見かけた。なんとなく気になってオットセイについて調べてみると、興味深い話が次々に見つかるではないか。 自分の中で急上昇するオットセイの存在感。そのすごさを紹介したい。 > 個人サイト テーマパーク4096 小さく息切れ 中村庸夫「海獣たちの地球」(誠文堂新光社)
オットセイは、強いオスがハーレムを作って生活する。
参考にした上の本には、キタオットセイのハーレムの写真が載っていて、1頭のオスが写っている限りで50頭以上のメスに囲まれている。 この本は「子供の科学」シリーズ。図書室で手に取った男子中学生が見たら、どんな風に思うだろう。 写真は全体的に密集感がむちむちしていて、迫力がすごい。こうして強いオスがハーレムを形成することからなのだろう、次のような話にもつながっていく。 描かれたオットセイも気持ちドヤ顔
オットセイ抽出エキスが含まれているという「オット精G」。ダジャレと迫力とが両立しているドリンクと言えるだろう。実際に飲んでみよう。
ん?んん?……んー?
いかにも栄養系ドリンクという濃厚な味わい。そのあと、高級ソーセージのような香りが鼻腔にふわっと漂うように思える。
少し味見した妻によると「親戚にこういう匂いのするおじさん、いた」とのこと。 わかる気がする。「そのおじさん、金持ちだった」とも。「オット精G」は定価1本1000円なので、結構な高級ドリンク。そのおじさん、飲んでたのだろうか。 飲用前
飲用後
メーカーサイトの説明によると、「オット精G」の即効性は5つ星満点中の「★★★★」。
ただ、飲む前後の自分を比べてみると、むしろ飲用前の方がおかしな表情をしている。普段からテンションが高いと、こういうとき参考にならない。 オスがハーレムを築く習性からエキスが珍重されるようになったのだろうが、裏返して考えると次のような現実もある。 ウィキペディア「オットセイ」の「生殖」の項によると、ハーレム争いに負けると、若いオスは成長を待ってリベンジする場合もあるとするものの、「多くのオスは再チャレンジする気力を失い、メスとの交尾の機会を持てずに同性の集団生活において生涯を終える」とある。
パッケージの君は勝ち組なのか?
動物の生態を知って、こんなせつない気持ちになったのは初めてだ。
気になることもある。精力剤に使われているオットセイエキスは、ハーレム王から抽出したものなのか。現実的に考えると、少数派の勝ち組からエキスを取るのは難しい気がする。 負け組オットセイから抽出したエキスだと、負け癖ついたりしないだろうか。
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