佐賀知事選:山口祥義氏、自公候補を破る
毎日新聞 2015年01月11日 23時01分(最終更新 01月12日 00時32分)
古川康前知事の辞職に伴う佐賀県知事選は11日投開票され、JAグループ佐賀の政治団体「県農政協議会」が推薦する元総務官僚、山口祥義(よしのり)氏(49)が、自民、公明両党の推薦を受けた同県武雄市の前市長、樋渡(ひわたし)啓祐氏(45)ら3氏を破り初当選した。保守分裂となり、安倍政権の規制改革に反発するJAと政権与党による代理戦争の様相を呈したが、山口氏が樋渡氏を退けたことで、安倍政権が進める農協を含めた規制改革や今春の統一地方選挙にも影響するとみられる。
また山口氏は、政府が計画する佐賀空港(佐賀市)への陸上自衛隊の新型輸送機オスプレイ配備に慎重な姿勢を示しており、対応が注目される。
初当選した山口氏は選挙戦では、農協組織を「岩盤規制」の象徴と位置付ける安倍政権の改革路線に危機感を抱く県農政協が全面支援。トップダウン型の樋渡氏の政治手法やオスプレイ配備に反発する佐賀市長ら県内の一部首長や自民県議からも支援を取り付け、保守分裂に持ち込んだ。【松尾雅也、岩崎邦宏】
◇「誠に残念だ」自民選対委員長
自民党の茂木敏充選対委員長は「誠に残念だ。年末年始をまたぐ難しい選挙となったこと、投票率が大幅に低下したことなど今回の敗因をよく分析したい」とのコメントを出した。
【略歴】山口祥義(やまぐち・よしのり)49 無 新<1>[元]総務省過疎対策室長[歴]長崎県総務部長▽東大院客員教授▽東大
◇佐賀県知事選確定得票数
当182,795山口 祥義<1>無新
143,720樋渡 啓祐 無新=[自][公]
32,844島谷 幸宏 無新
6,951飯盛 良隆 無新