奥羽・羽越新幹線実現へ 山形県、有識者WT設置
山形県は13日、県内を経由するフル規格の奥羽新幹線(福島−秋田間)、羽越新幹線(富山−青森間)の整備促進を目指し、有識者のワーキングチーム(WT)を発足させる。40年以上も凍結状態が続く基本計画の前進に向け、技術的な課題を分析・検討し、政府への要望活動や関係県との連携などの戦略に生かす。
WTは、鉄道工学などが専門の金子雄一郎日大准教授、国土政策などに詳しい三菱総研の室田篤利主席専門部長、フィデア総研の松田美由紀研究員ら計6人で構成する。
新幹線や鉄道に関する調査研究で実績のあるシンクタンク「運輸政策研究機構」(東京)も事務局に加わり、二つの新幹線計画の技術的な検討を進める。年度内に課題やテーマを整理し、4月から議論を本格化させる。
奥羽、羽越新幹線の計画をめぐっては、県議会から(1)費用対効果(2)具体的なルート案(3)並行在来線−などの具体化を求める意見が上がっている。
県は、WTをアドバイザーとして活用し、専門的な見地からの検討を深めることで、整備促進への説得力を高め、政府やへの要望や県民機運の醸成につなげたい考えだ。
奥羽新幹線は福島市を起点に山形市を経由し、秋田市までの約270キロ。羽越新幹線は富山市を起点に新潟、秋田両市を経由し、青森市に達する約560キロで、いずれも政府が1973年に基本計画を決定している。
これまで全く進展はなく、JR奥羽線福島−新庄間には、ミニ新幹線方式の山形新幹線が開業した。だが、東日本大震災で日本海側の交通軸が見直されたとして、吉村美栄子知事が2期目の公約に新幹線整備を掲げた。
2015年01月12日月曜日