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【政治】

憲法ブックレット 東京の市民ら出版

できあがった憲法ブックレットを手にする山本哲子さん(右)ら出版委員会のメンバー=東京都立川市で

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 東京の市民団体などのメンバーが、憲法ブックレット「『教育』『労働』『原発』『平和』のはなし」を自費出版した。憲法が市民の生活にどうかかわっているのかを易しい言葉で説明している。憲法ブックレット出版委員会の一人、山本哲子さん(60)は「中学生にも読んでもらえるよう、表現を工夫した。若い世代に憲法を伝えていきたい」と話す。 (林朋実)

 出版したのは「国分寺・市民憲法教室」とNPO法人「日野・市民自治研究所」のメンバー。ブックレットは、教育など四テーマについて現実の社会問題を挙げ、市民の権利をどう守っていくべきなのかを憲法の精神に照らして考える内容だ。

 労働の項目では、社員に過酷な労働を強いる「ブラック企業」などの問題を紹介。労働者を保護していた規制などをできるだけ少なくして自由に競争を行わせる「新自由主義型経済」を政府が目指していることがこうした問題の背景になっていると指摘し、憲法が目指す福祉国家型資本主義の姿勢を取り戻し、経済的に力の強い者を規制して労働者を大切にするべきではないかと問い掛ける。

 原発の項目では、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の稼働差し止めを命じた昨年五月の福井地裁の判決も紹介し、憲法が保障する住民の生存権・人格権が何ものにも勝ると認められた内容だと評価した。

 出版委員会は、二〇一二年に発足した第二次安倍政権が改憲手続きを定めた憲法九六条を変えようとしたことに、日野と国分寺の二団体が危機感を抱いて発足。一三年から準備を進め、打ち合わせを重ねて文章を練り上げた。出版までには特定秘密保護法が成立し、集団的自衛権行使容認の閣議決定もあった。山本さんは「憲法には、自分たちの生活を守る手掛かりがたくさん詰められている。憲法を生かさないといけない」と訴えている。

 A5判九十六ページで五百円。問い合わせは日野・市民自治研究所=電042(589)2106=へ。

 

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