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 厚生労働省は、入院中の食事代にかかる自己負担額を引き上げる方針を固めた。いまの1食あたり260円から460円へ200円上げる案を軸に検討する。医療保険財政の改善が狙い。来年の通常国会で法改正し、早ければ来年度中の実施を目指す。

 一般的な入院時の食事代は、健康保険法などの告示で全国一律に朝昼晩とも1食640円と決まっている。食事も治療の一環であるとして、食費の一部は医療保険でまかなわれている。給付額は年間約5千億円にのぼる。

 1食のうち自己負担額がいくらになるかは、年齢や症状で異なる。けがや急な病気で入院した場合は、医療保険から380円が給付され、自己負担は260円だ。一方、高齢者が慢性疾患で療養入院する場合の自己負担額は460円になる。

 訪問診療などで自宅で医療を受けている場合には医療保険から食事代の給付はない。入院患者にだけ食事代の一部が保険から給付されるのは公平ではないのではないか、という意見もでていた。