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【サッカー通信】
アジア進出拡大で「アジアマネー」狙う日本サッカー
日本サッカー界がアジア地域での活動に本腰を入れる。昨年11月に日本サッカー協会とJリーグは、国際交流基金と協働事業を行う覚書に調印した。サッカーを通じてアジア各国と交流を深める動きを加速する。アジア地域でのサッカー人気は高く、日本が各国での強化、普及活動に貢献することで近隣のライバルが強くなれば、日本の強化につながる、との考えがある。また、日本のサッカーが注目を集め、最終的には放送権料などの資金を日本に呼び込む計算も働いている。
■派遣事業で恩に感謝
日本サッカー協会はこれまでも、アジアサッカー連盟(AFC)や各国協会の要請に応じて、アジア各国の代表監督を中心に、経験豊富な指導者を送り込んできた。現在も、J1などで指導経験を持つ、三浦俊也氏がベトナム代表監督を務めるなどしている。
1968年メキシコ五輪で銅メダルに輝いてから力を落とした日本は、93年のJリーグ創設までの期間はアジアの中でも中位国だった。マレーシアで行われる国際大会に参戦するなどして強化を行ってきた歴史があり、指導者らの派遣事業はかつての恩に感謝を表す側面がある。
さらに日本協会の田嶋幸三副会長は「(日本のライバルである)アジアが力をつけて強くなっていけば、激しい競争が生まれて日本も強くなっていくことができる」と、強化の側面で得られる効果も指摘する。