自転車はどんどん進化している。デザインが洗練されただけでなく、数多くの折りたたみ方式が登場したり、電子機器が取り付けられたりと、スマートになってきた。
しかし、ペダルだけは地味な存在として注目されずにきたのだ。利用者の力を自転車に伝えるという最も重要な部品だったにもかかわらずだ。
ところが、1月6日から9日にアメリカ・ラスベガスで開催された『CES2015(2015 International CES)』で、ようやくペダルが注目された。
フランスのConnected Cycle社が『Connected Pedal』というスマートペダルを発表したからだ。
GPSとクラウドを活用するスマートペダル
『Connected Pedal』でまず注目したいのは、盗難防止機能だ。
『Connected Pedal』にはGPSと通信装置が内蔵されており、常にクラウドに情報を提供しているため、自転車が誰かによって移動されると、スマートフォンにアラートが通知される仕組みになっている。
もちろん、自転車がどこに移動したかは常に経路も含めて所有者が把握できる。
『Connected Pedal』は特殊な工具なしで、ほんの2分程度で取り付けられるが、外す際には所有者が購入した際に設定した暗号キーの入力が必要になっているため、簡単には取り外せない。
そして他の機能としては、自転車での活動ログが取れることだ。
移動距離やルート、速度や坂の勾配などが記録され、消費したカロリー計算も行われる。これらのデータもクラウドに保存され、スマートフォンから確認することができる。
また、もう一つの特徴として、充電の必要がないことを取り上げたい。ペダルを漕ぐ際に発電しているため、常に充電が行われるのだ。
盗難防止だけではない
自転車の盗難防止アイテムはこれまでにも様々なものが登場しているが、取り外したり破壊したりすれば機能しなくなってしまうものも多い。
その点、まさかペダルに追跡機能がついているとは思われないだろう……ということが優位点だったのだが、『CES2015』で世界中に発表してしまった以上、その優位点を失ってしまった可能性もある。
そのため、既にネット上では盗むためのアイデアが出始めている。例えば、ペダルを漕がずに(つまり発電せずに)バッテリーが切れるまで移動し続ければ良いとか、ペダルをアルミホイールで包んでGPS機能を奪ってしまえば良いなどだ。
まぁ、この手の心配をすれば切りがないし、実行しようと考える人はほんの少数派だろうし、盗難抑止へのメリットの方が圧倒的に多いはずだ。
『Connected Cycle』では、一般の利用者以外にも、シェアサイクルなどでの管理にも使えることも提案している。カラーバリエーションは5色で、発売は2015年の中頃を予定しているという。
ともかく、ようやくペダルが注目されたのだ。
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