「大義」の陰で:2014衆院選/7 国会、身を切らぬ改革 弱者に負担「約束違反」

毎日新聞 2014年11月27日 東京朝刊

さいたま市内で生活保護を受給する女性。日々の生活に追われ、夢に向かって努力するのは、まだ難しい=さいたま市で21日
さいたま市内で生活保護を受給する女性。日々の生活に追われ、夢に向かって努力するのは、まだ難しい=さいたま市で21日

 ところが、翌月の総選挙で大勝し、発足した第2次安倍政権は定数を減らしていない。しかも、消費増税や東日本大震災の復興財源確保のため「身を切る覚悟」として、12年5月に実施した国会議員歳費削減(2年間限定で2割減らす特例措置)は今年4月で終了。歳費は満額に戻った。

 藤田さんは「4月の消費増税で月末、食事の回数を減らす人もいる。自分たちに都合の悪い約束を棚上げし、最も声を上げにくい弱者に負担を押しつけている」と批判する。

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 「生活保護で甘えていると批判されますが、ぜいたくはしていません」。女性は最近障害者に食事を提供するボランティア活動を始めた。社会保障制度を学び、人を助ける仕事をしたいと思う。でもまだ目の前の生活に追われ、将来は描けていない。【神保圭作】=つづく

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