松川敦志
2015年1月12日01時16分
沖縄で泡盛の業界紙「醸界飲料新聞」を45年間、1人で出してきた編集発行人の仲村征幸(なかむら・せいこう)さんが9日、肝臓がんのため那覇市内の病院で亡くなった。83歳だった。葬儀は11日に行い、初七日の法要を15日に自宅で行う。喪主は妻綾子(あやこ)さん。
地元紙の琉球新報、オキナワグラフなどをへて1969年に季刊の醸界飲料新聞を創刊。当時の沖縄は米軍統治下で輸入ウイスキーがもてはやされた時代。そのころの泡盛は原料や製法の問題でにおいや味がきつく、需要は低迷していた。
若いころから泡盛に親しんできた仲村さんは、本土の酒類業界紙にヒントを得て創刊し、取材から営業までを1人でこなした。生前の取材では「消費者の立場から泡盛を育て上げる新聞を作ってみようと思った」と語り、「泡盛はメーカーのものじゃない。県民の文化遺産だ」が口癖だった。
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