★本日1月9日17時からの「元朝日新聞記者 植村隆氏 名誉毀損訴訟提起 報告集会」の配信Chはこちら
1991年8月11日、当時、朝日新聞の若手記者だった植村隆氏は同紙の大阪本社版に、自ら従軍慰安婦であったことを初めて公に明らかにした金学順(キム・ハクスン)さんに関する最初の記事を書いた。
それから25年たった今、苛烈な朝日新聞バッシングと連動するかたちで、植村氏が非常勤講師を務める北星学園大学に対し、2014年5月と7月、「植村をなぶり殺しにしてやる」「(植村氏を)辞めさせろ。辞めさせなければ、学生を傷めつけてやる」「くぎ入りガスボンベ爆弾を仕掛ける」などという脅迫文書が送りつけられた。
さらには、ネット上に植村氏の家族の顔写真とともに、「自殺するまで追い込む」などという文言が書き込まれるなど、植村氏個人に対しても誹謗中傷、罵詈雑言が浴びせられている。
こうした事態に、全国の弁護士、識者が立ち上がった。
本日朝9時過ぎ、多くの報道陣が見守るなか、植村隆氏の弁護団が東京地裁に名誉毀損訴訟提起を行った。
【動画:東京地裁への訴訟提起の模様】
そして本日17時からは、参議院議員会館で、この訴訟提起の報告集会を行う。弁護団副団長の角田由紀子弁護士、海渡雄一弁護士、弁護団事務局長の神原元弁護士が登壇し、訴状の概略を説明するほか、弁護団に名を連ねる小林節氏(慶応義塾大学名誉教授)も登壇し、訴訟提起の意義について語る。
さらには、植村氏本人も登壇し、挨拶と決意表明を行う予定だ。
IWJはその模様をCh6で完全生中継する。
【配信Ch(Ch6)はこちら】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
北星学園大学への脅迫事件をめぐっては、2014年11月7日に、全国の弁護士380人が札幌地検に刑事告発を行っている。
「自らは闇に身を隠し刑事責任も民事責任も免れることを確信しながら、植村氏を社会的に抹殺するという不当な目的を、同氏の言論とは何の関係もない、勤務先であるに過ぎない大学に対して、大学に学ぶ学生を傷つけるという害悪の告知を行うことによって、達成しようとしているのである。卑劣このうえない手段というべきである」
弁護団は同日開かれた記者会見でこう語り、この事件が大学の自治、学問・表現・言論の自由を脅かすものだとして、今後、社会に及ぼしうる重大な影響に警鐘を鳴らした。
そのうえで弁護団共同代表の郷路征記弁護士は、「万が一にも犯人らの思惑通り、脅迫や威力妨害の効果として、植村氏の失職が現実のものとなるようなことがあれば、犯罪者の脅迫行為が、もくろみ達成のために有効なものとなる『実績』が作られることになる。このことは、言論の自由や学問の自由という民主主義社会にとって至高の価値が、『暴力』に屈して危機に瀕する事態となることを意味している」と指摘した。
この脅迫事件と、植村氏本人・家族への度を越した誹謗中傷は、「吉田調書」「吉田証言」での苛烈な朝日バッシングと朝日新聞自らによる記事取り消しや、安倍政権による河野談話否定、新たな談話作成の動きと、大きく連動している。そして、そのすべてが暴力的な働きかけを含んでいる。
報告集会では、こうした動きについても、問題提起と検証が行われる予定だ。
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