元軍人の父親が息子を取り戻すためシリアへ潜入。戦場を潜り救出に成功
1月6日付のイギリスの新聞「Mirror」において、勇気ある行動をとった父親の記事が掲載された。
その父親とはドミトリー・ボンティンクさん。彼はベルギーの退役軍人で、10カ月間シリアに単独で潜入し、19歳になる息子ジョエン君を探し出し、本国へ連れ帰った。
息子がイスラム教に改宗後シリアへ
ジョエン君はイスラム教に改宗した後、戦争で荒廃した地域を旅して、急進的な思想を持つに至った。
彼がシリアへ旅立つ前、父親のドミトリーさんはベルギー当局に助けを求めた。しかし当局からは、息子さんには信教の自由があると説明を受ける。
そしてジョエン君がシリアへ旅立った後、ベルギー当局はドミトリーさんに、もはや息子さんの手掛かりを追う手伝いはできないと告げる。そのためドミトリーさんは1人でシリアへ向かう決心をする。
彼はその時の心境をSky Newsの中で次のように語っている。
「ただ父親としての本能に従ったまでです。また自分の心に従った。私は責任を果たさず、行動も起こさず、ただここで黙って状況を眺めていることはできなかった」
武装集団と接触し探し続ける
ドミトリーさんはシリアへ入ってから、武装集団と接触し、友人関係を作り上げるふりをしながら息子を探し続けた。しかしそれは非常に危険なミッションだったようだ。
「私は自分の命を危険にさらし、多くの武装集団と接触した。頭の上を狙撃兵の銃弾や砲弾が飛び交い、絶えず攻撃にさらされていた」
またドミトリーさんはスパイとして疑われ、組織のメンバーに殴られることが何度もあったようだ。しかし息子への愛が、そんな試練にも耐えさせたという。
3回目のシリア渡航で息子と再会
3回目にシリアへ潜入した時、ドミトリーさんはついに息子のジョエン君と再会する。そして彼を本国ベルギーのアントワープへ連れ帰ることに成功する。
ジョエン君は、武装グループに入ったことを後悔し、自分が未熟者で浅はかだったと認めている。しかし現在、組織のメンバーと共に戦闘に加わったとして、ベルギーにおいてテロ容疑の裁判にかけられている。
- 出典元:Devoted father travelled to Syria to rescue militant son from ISIS terrorists - Mirror(1/6)
- 出典元:Father's Perilous Missions To Save Syria Jihadis - Sky News(1/6)