ダマルタンアンゴエル=吉田美智子、パリ=渡辺志帆、高久潤
2015年1月10日11時59分
フランスで9日、連続して起こった2件の人質立てこもり事件は、捜査当局がほぼ同時に制圧し、終結した。容疑者計3人が殺害される一方、人質4人も犠牲になった二つの事件現場ではそのとき何が起こったのか。
週刊新聞の襲撃事件で指名手配されたサイド・クアシ(34)と、弟のシェリフ容疑者(32)は、パリの北東の印刷工場に立てこもっていた。
現地時間9日午後4時55分(日本時間10日午前0時55分)ごろ、立てこもり現場から2度の大きな爆発音が響いた。直後に、散発的な銃声が聞こえた。
捜査当局によると、正午ごろから両容疑者の携帯に連絡をとったが返事はなく、午後5時前になって、工場の正面玄関のドアが数分間少し開いた状態になったあと、急に両容疑者が銃を撃ちながら工場を出てきたという。
特殊部隊は、2人を拘束するために手投げ弾で応戦したが、両容疑者が発砲を続けたため、射殺した。工場内には、ロケットランチャーや手投げ弾10個、カラシニコフ銃、拳銃2丁が残されていたという。人質は無事だった。
工場から約200メートル離れた場所にいた地元紙の記者アルノー・デバストさん(46)は容疑者射殺の少し前、現場に近寄ろうとしたが、緊迫した様子の警察官から「早く出ろ。自分の安全のためだ」と引き留められた。数分後、大きな爆発音と銃声が何度か聞こえた。「5分ぐらいで、あっという間に終わった」と驚いた。
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朝日新聞国際報道部
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