ワシントン=五十嵐大介、ニューヨーク=畑中徹
2015年1月11日06時53分
原油価格の急落を受け、米国のシェールオイル関連企業が経営破綻(はたん)した。昨年来の原油安以降、初めての破綻ケースとされる。このまま原油の値下がりが続けば、今後も同業の破綻が増える可能性がある。
破綻したのは、米南部テキサス州でシェールオイル・ガス開発を手がけていた「WBHエナジー」。米メディアによると、4日付で同州の連邦破産裁判所に、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請した。
負債の総額は最大で5千万ドル(約60億円)。急激な原油価格の値下がりで、採算がとれず、資金繰りが悪化したとみられる。
原油価格の国際指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は、昨年7月までは1バレル=100ドル台で推移。だが、その後下落に転じ、今年に入って1バレル=50ドルの節目を約5年8カ月ぶりに割り込んだ。
原油安の主な要因は、世界経済の減速による需要減と、「シェール革命」を背景にした米国での急激な生産の増加だ。2008年以降、米国の原油生産量は昨年までで8割も増えた。
ただ、地下数千メートルの硬い岩盤から原油の一種であるシェールオイルを取り出すには、コストがかかる。原油安が広がるなか、米国では石油大手のコノコフィリップスが今年の設備投資額を2割減らすなど、計画の見直しが広がっている。
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