パリ=渡辺志帆
2015年1月10日10時12分
仏週刊新聞「シャルリー・エブド」襲撃事件の実行犯とされるサイド・クアシ(34)とシェリフ・クアシ(32)の両容疑者。アルジェリア系移民の家庭に生まれた兄弟はなぜ過激な思想に染まり、「ホームグロウン(国産)・テロ」を起こすようになったのか。本人が暮らした町で取材した。
パリ北西の郊外の町ジュヌビリエ。移民や労働者が多く暮らす町に、弟シェリフ容疑者が暮らしていたアパートがある。
地下鉄の駅から徒歩数分の8階建てアパートの5階を示す郵便受けには、「クアシ」と妻の名字の連名で表札が出ていた。
近くのパン屋の女性店員カルトゥームさん(32)は朝日新聞の取材に、「シェリフ容疑者は頻繁にバゲットを買いに訪れ、最後に見かけたのは先週のこと。口数は少ないが礼儀正しく、危険な人には見えなかった」と話した。
住民によるとアパートは1980年代に低所得者向けの福祉住宅として建てられ、数年前の改築以降、多くの若者世帯が移り住んだが、目立った住民トラブルなどはなかったという。
仏メディアによると、パリ北東部10区でアルジェリア移民の家庭に生まれた兄弟は、幼い頃に両親と死別し、仏西部レンヌの孤児院で育った。2人は10代でパリに戻ると移民が多く住む北東部19区で一緒に暮らした。
ピザ配達の仕事をしていたシェリフ容疑者は、約10年前にフランス公共放送が制作した、イスラム過激派思想を追う約2時間のドキュメンタリーに登場する。
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朝日新聞国際報道部
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