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 民主党代表選(18日投開票)で、長妻昭元厚生労働相、細野豪志元幹事長、岡田克也代表代行が論戦を繰り広げている。民主党の現状には何が欠け、代表選ではどんなことが議論されるべきなのか。民主党を分析してきた上智大の中野晃一教授に聞いた。

■立ち位置明確にする努力を

 野党だったこの2年間の民主党は、政権時代と比べて党の体質や組織文化にあまり変化がなかった、というのが正直な感想だ。2012年の歴史的大敗のショックは大きく、その中で生き延びることに必死だったのだろう。誰も代表をやりたくない中で火中の栗を拾ったのが海江田万里氏だった。確かに存在感は薄かったかもしれないが、彼一人を批判することには違和感がある。

 民主党の特徴として、問題の所在や原因をリーダー一人に負わせる傾向が強くある。縁の下の力持ちをやる人が少なく、党の合意形成に汗をかかない。サッカーで言えばみんながフォワードをやりたいチーム。それではうまくいかない。

 自民党には地味に汗をかく人がたくさんいるのに、なぜ民主党には少ないのか。それはまさに地味な働きを評価して選挙で支えるような組織文化がないからだ。