佐賀知事選11日投開票
衆院選で国政転身した古川康元知事の辞職に伴う佐賀県知事選は11日に投開票される。自衛隊の新型輸送機オスプレイの佐賀空港配備計画や玄海原発(同県玄海町)の再稼働に民意の賛否が二分する中、新たな知事は地元同意の可否を判断する立場になる。事実上の自民党分裂選挙で政府、自民党本部も加わる激戦になっている。それだけに全国からも注目を集めている。
立候補しているのは、いずれも無所属新人で、農業の飯盛(いさがい)良隆氏(44)▽元武雄市長の樋渡啓祐氏(45)=自民、公明推薦▽元総務省官僚の山口祥義(よしのり)氏(49)▽九州大学大学院教授の島谷幸宏氏(59)-の4人。
主な公約や主張は、飯盛氏が学校給食への県産米無償提供や玄海原発再稼働など。樋渡氏は九州新幹線長崎ルートのフル規格化や予防医学拠点の開設など。山口氏は樋渡氏の政治手法は「独断的」との立場で県民との対話重視など。島谷氏は玄海原発再稼働とオスプレイ配備への反対など。
選挙戦で、樋渡氏は政府、自民党本部による地方選では異例のてこ入れを受け、菅義偉官房長官をはじめ多数の閣僚や党幹部、国会議員が来援。山口氏は県内最大組織のJAグループ佐賀の政治団体「県農政協議会」の全面支援を受け、相当数の自民党地方議員や首長の協力も得ている。
知事選は昨年12月25日に告示され、年末年始をはさむ「年またぎ選挙」となった。立候補者4人は大みそかや元日も支持を訴えて回った。4月の統一地方選へと続く今年の政治決戦の幕開けとしても注目される。有権者数は68万2028人(昨年12月24日現在、県選管調べ)。
=2015/01/10付 西日本新聞朝刊=